「防犯テキスト」子どもを犯罪から守るために
更新日:
2023年07月25日
目次
保護者、学校関係者の皆さまへ
昨今、子どもが日常生活の中で、犯罪の被害に遭うことが増えてきています。
子どもを犯罪から守るためには、保護者の皆さま、学校等施設関係者の方々はもちろん、地域にお住まいの皆さまなどを含めた大人みんなで、子どもたちを犯罪の被害に遭わせないために注意することや、子どもたち自身に自分の身を守るための方法を身につけさせることが大切です。
そこで、神奈川県警察では、子どもを始め、保護者の皆さま、学校関係者の方々を対象とした防犯テキストを作成しました。子どもたちを犯罪から守るため、このテキストが有効に活用されることを願ってやみません。
テキストの活用にあたりまして
このテキストは、児童を対象とした内容で作成されておりますので、保護者の皆さま、学校等施設関係者の方にありましては、子どもに分かりやすく説明していただきますようお願いします。また、子どもが楽しみながら不審者からの声かけなどを防止するための意識付けになるよう「ぬり絵」を用意しています。
子どもの被害防止対策を確認しながら、お子さんと一緒に作成していただけたら幸いです。
お子さんが被害者になる犯罪の種類と特徴
お子さんが被害者になる犯罪が増えています。
「女性が夜一人歩きしても大丈夫な国」といわれてきた日本の安全神話も、残念ながら少しずつ崩れてきています。とくに近年、弱者である子どもたちが犯罪の被害者になるケースが増えています。自分の身は自分で守らなければならないことを指導してください。
子どもが被害者になりやすい犯罪の種類
子どもが被害に巻き込まれやすい犯罪で重大なものに「誘拐」「わいせつ行為」「暴行・恐喝」があります。
わいせつ行為の被害者は女児だけに限らず男児のケースも発生しています。
子どもが被害にあう時の特徴
一人でいる時の方が狙われやすい
複数でいれば、一緒にいた子どもが周囲の大人に事件を知らせることができ、早めに救助できます。
言葉巧みに誘い出すため思わずついていってしまう
「ゲームは好き?一緒にやろうよ」「迷子になった犬を一緒に探して」「友だちが病気だから助けに来て」など、子どもがつい気を許してしまう言葉で誘い出します。また、少しでも知っている人だと安心して誘いに乗ってしまいます。
犯罪に巻き込まれても、誰にも言わないことがある
わいせつ事件は、恥ずかしさや恐怖、親にしかられるかもしれないなどといった理由で、被害にあっても黙っている子どもがいます。その時の被害もさることながら心的外傷後ストレス障害(PTSD)も心配です。同様に暴行や恐喝も「親に言ったらもっとヒドイ目にあわすぞ」と言われて、黙ったままになるケースもあります。
お子さんが被害者になる犯罪のケースと対応策
路上
事例
- 「ゲームをしよう」「捜し物を見つけて」「困っているから助けて」「好きなものを買ってあげるから」など、言葉巧みに話しかけ、どこかへ連れ去る。
対応策
- 日頃から知らない人にはついていかない、知っている人でも「家の人に聞いてから」と言うようにさせる。
- 名前入りの用具を持っていると、「○○ちゃん」と声をかけられて、思わず反応してしまうことも・・・。氏名入りのものは外から見えないようにさせる。
事例
- クルマから声をかけて、近づいた瞬間にドアを開けて車内に引っ張り込む。
対応策
- クルマから声をかけられたら、両手を広げた幅以上の距離まで、クルマから離れるようにさせる。
事例
- 路地や死角に連れていかれ、暴行や恐喝を受ける。
対応策
- 普段から親子で危険箇所のチェックをし、危険な場所には行かせない。
- 連れていかれそうになった時点で、大声で助けを呼ぶようにさせる。
公園
事例
- 樹木の陰やトイレなどに連れ込まれる。
対応策
- 公園での一人遊びはさせない。
- 友だちと離れて遊ばないようにさせる。
- トイレに行く時は、友だちについて来てもらうようにさせる。
玄関
事例
- 自宅のカギを開けた瞬間、後ろから押されて室内に押し込まれてしまう。
対応策
- 周囲を見回して、安全確認をしてからカギを開けることを習慣化させる。
- 普段から隣近所とのコミュニケーションをよくとり、子どもの安全について協力をお願いする。
- 自宅周辺を整理して、死角をつくらないようにする。
事例
- 集金や配達の人などを装ってドアを開けさせ、中に入る。
対応策
- どんなことがあっても、絶対ドアを開けないようにさせる。チェーンを常にかけて対応するなど、一連の動作を教える。
※事前に電話で子どもだけであることを確認する悪質な手口もあります。大人が不在であることは、絶対に言わせないようにしてください。
駐輪・駐車場
事例
- 自転車を置こうとした時、いきなり後ろから抱きつかれる。
- 駐車している車の近くを歩いていたら、急にドアが開いて中に引っぱり込まれる。
対応策
- 自転車を置く前に周囲を見回すようにさせる。
- 万一の場合は、大声を出して助けを呼ぶようにさせる。
※集合住宅の場合は、駐輪場、駐車場を明るくする、死角をつくらないなどといった、安全な環境づくりの配慮も必要です。
エレベーター
事例
- エレベーターに乗っている時に身体を触られた。
- エレベーターを降りたところ、腕を捕まれて踊り場へ連れていかれた。
対応策
- エレベーターに知らない人と二人で乗らないようにさせる。
- 万一、一人で乗っているとき、知らない人が乗ってきたら、すぐ近くの階で降りるようにさせる。
- エレベーターは、各階のボタンの押せる位置・壁を背にして乗るようにさせる。
階段・踊り場・屋上
事例
- 階段・踊り場・屋上で遊んでいたところ、手を引っぱられ物陰に連れていかれた。
対応策
- 階段や踊り場・屋上では一人で遊ばないようにさせる。
- 手を引かれたら、大きな声で助けを呼ぶようにさせる。
[神奈川県警察本部・神奈川県防犯協会連合会発行「保護者及び学校所等施設関係者のための防犯テキスト」より]
情報発信元
神奈川県警察本部 生活安全部生活安全総務課
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