神奈川県暴力団排除条例

更新日:

2023年07月25日

神奈川県暴力団排除条例


平成22年12月 公布

平成23年4月  施行

令和4年9月  一部改正の公布

令和5年4月  一部改正の施行




条例制定の要旨

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この条例は、暴力団排除について基本理念を定め、県・事業者等の責務と県民の役割を明らかにするとともに、暴力団排除に関する基本的な施策、少年の保護と健全な育成を図るための措置、暴力団活動を助長する行為や暴力団の運営に資する行為についての必要な規制、その他暴力団排除を推進するために必要な事項を定めることにより、暴力団排除に関する施策の総合的な推進を図り、県民が安全で安心して暮らすことができる社会の実現を目的とした条例です。



条例の基本方針

  • 社会対暴力団の構図
  • 暴力団の資金源対策
  • 少年の健全な育成を図るための措置

暴力追放三ない運動+1

  • 暴力団を恐れない
  • 暴力団に金を出さない
  • 暴力団を利用しない
  • +暴力団に協力しない


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条例の内容

1 総則

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◎基本理念(第3条)

暴力団排除は、暴力団が事業活動又は県民生活に不当な影響を生じさせる存在であるという認識の下に、暴力団を「恐れない」「協力しない」「利用しない」ことを旨として、県、事業者及び県民等が相互に連携、協力して推進します。


◎県と事業者の責務、県民の役割(第4条〜第7条)

○県の責務

  • 暴力団排除に関する総合的な施策の策定、実施をする責務があります。
  • 神奈川県暴力追放推進センターとの緊密な連携を図るよう努めます。

○事業者の責務

  • 暴力団活動を助長等することとなる取引を防止する必要な措置をするよう努めるものとします。
  • 県が実施する暴力団排除施策への協力をするよう努めるものとします。

○県民の役割

  • 暴力団排除に積極的な役割を果たすよう努めていただきます。

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2 暴力団排除に関する基本的施策

◎職員等への不当な要求に対する措置(第8条)

県は、職員や指定管理者が暴力団員等による不当な要求に適切に対応するための措置を講じます。

  ※指定管理者・・・県が「公の施設」の管理運営者として指定した民間事業者等のこと。

◎県の契約事務における暴力団排除(第9条)

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県は、契約事務の執行により暴力団の活動を助長等することのないよう必要な措置を講じます。

◎給付金の交付における暴力団排除(第10条)

県は、給付金の交付事業により暴力団の活動を助長等することのないよう必要な措置を講じます。


◎公の施設の管理における暴力団排除(第11条)

県は、暴力団又は暴力団関係者に公の施設の管理をさせることを禁止します。

知事等は、公の施設の利用が暴力団の利益にならないよう利用の承認取消等をすることができます。

◎危害が及ぶおそれがある者の保護(第12条)

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警察本部長は、暴力団排除に取り組んだこと等により暴力団員等から危害を加えられるおそれがある者に対する保護の実施等、危害を防止する必要な措置を講じます。

◎暴力団からの離脱促進(第12条の2)

県は、暴力団員の暴力団からの離脱を促進するため、関係機関等と連携を図りながら、情報の提供等の必要な措置を講じます。

◎訴訟の支援(第13条)

県は、暴力団事務所の使用差止の請求等の暴力団排除に資する訴訟を提起しようとする方の支援をします。


◎広報及び啓発(第14条)

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県は、県民等の暴力団排除に関する理解を深めるための広報啓発を行います。

◎国等との連携(第15条)

県は、国、他の地方公共団体、関係機関等と連携しながら暴力団排除の効果的な推進に努めます。

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3 暴力団事務所の開設及び運営の禁止並びに少年の健全な育成を図るための措置

◎暴力団事務所の開設及び運営の禁止区域等(第16条)

○次の施設の敷地から周囲200メートルの区域内で暴力団事務所の開設・運営を禁止します。

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  • 学校
  • 家庭裁判所
  • 児童福祉施設 ・ 児童相談所
  • 公民館
  • 図書館
  • 重要文化財(建造物)
  • 博物館 ・ 博物館相当施設
  • 都市公園
  • 保護観察所
  • 少年院
  • 少年鑑別所
  • 公安委員会規則で定める施設

○都市計画法に基づく、いわゆる住居系用途地域での暴力団事務所の開設・運営を禁止します。



◎暴力団事務所の使用禁止命令(第16条の2)

公安委員会は、暴力団事務所が住居系用途地域で開設・運営されたときは、使用者に暴力団事務所としての使用禁止を命令することができます。

◎禁止行為(第17条・第17条の2)

○暴力団員が正当な理由がある場合を除き、暴力団事務所に少年を立ち入らせることを禁止します。

○暴力団員が少年有害行為(少年が犯罪被害を受けること・暴力団員が少年をその活動に利用することを防止する必要があるものとして公安委員会規則で定める行為)を行う目的又は行わせる目的で、以下の行為をすることを禁止します。

  • 面会要求
  • 電話・FAX・電子メール・SNS等
  • つきまとい・待ち伏せ等

○暴力団員が暴力団の活動に利用する目的で少年を同行させることを禁止します。

○暴力団員が正当な理由がある場合を除き、少年に利益供与することを禁止します。

◎中止命令等(第18条)

○中止命令

公安委員会は、

  • 少年を暴力団事務所へ立ち入らせた
  • 少年有害行為目的の面会等をした

暴力団員に対し、その行為を中止させる命令をすることができます。

中止命令を発出するにあたり、違反行為が中止されるために必要なことを命令することができます。

○再発防止命令

公安委員会は、中止命令に該当する行為をした暴力団員が、他の少年にも同じ行為をするおそれがあると認めるときは、期間を定めて、違反行為を防止するために必要なことを命令することができます。

◎通報、警察官の措置、情報提供その他の支援(第19条〜第21条)

少年が暴力団員等と交際をしていること等を知った場合には、警察官への通報等適切な措置に努めていただきます。

警察官は、少年の健全な育成を図るために必要な措置を講じます。

県は、暴力団員から少年の被害を防止等するため県民等へ必要な情報提供や支援等を行います。

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4 事業活動等における暴力団排除

◎契約の締結における事業者の責務(第22条)

事業者は、その事業に係る取引が暴力団の活動を助長等するおそれがあるときは、取引の相手方等が暴力団員又は暴力団関係者でないことを確認するよう努めるものとします。

上記取引が、暴力団の活動を助長等する取引と判明したときは、その契約を解除することができる規定を事前に契約書に設けるよう努めるものとします。

上記契約書により契約し、その契約の履行が暴力団の活動を助長等することが判明したときは、その契約を解除するよう努めるものとします。

◎利益供与等の禁止(第23条)

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事業者は、その事業に関し、暴力団の威力を利用する目的又は利用したことについて、暴力団員などに対し、金銭、物品その他の財産上の利益を供与する行為を禁止します。

事業者は、その事業に関し、暴力団員などに対し融資する又は、融資を受ける等の暴力団の活動を助長等する行為を禁止します。

上記事実を知った者は通報するよう努めていただきます。

◎利益受供与等の禁止(第24条)

暴力団関係者が事情を知って第23条に規定する行為の相手方になることを禁止します。

上記事実を知った者は通報するよう努めていただきます。


◎宅地等の譲渡等の制限(第25条)

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県内にある宅地等の譲渡等をしようとする者は、書面や口頭でその相手方に対し、宅地等を暴力団事務所として使わない旨を確認するよう努めるものとします。

また、契約を結ぶときは、契約書に宅地等を暴力団事務所として使ってはならない旨を定めるよう努めるものとします。

何人も、宅地等が暴力団事務所として使われることを知りながら、その宅地等を譲渡することを禁止します。


◎宅地建物取引業者による助言等(第26条)

宅地建物取引業者は、宅地等の売買等をしようとするときには、その取引の関係者に暴力団排除に関する必要な助言をしなければなりません。

何人も、宅地等が暴力団事務所として使われることを知りながら、その宅地等の売買の代理等をすることを禁止します。

◎名義利用等の禁止(第26条の2)

○暴力団員は、自らが暴力団員であることを隠す目的で、他人の名義を利用することを禁止します。

○何人も、暴力団員が暴力団員であることを隠す目的があることを知って、自己や他人の名義を暴力団員に利用させることを禁止します。

◎特定営業者の禁止行為(第26条の3)(令和4年11月改正)

○特定営業者が、暴力団排除特別強化地域における特定営業に関し、暴力団員から用心棒の役務の提供を受けることを禁止します。

○特定営業者が、暴力団排除特別強化地域における特定営業に関し、暴力団員に対し用心棒料やみかじめ料を支払うことを禁止します。

◎暴力団員の禁止行為(第26条の4)(令和4年11月改正)

○暴力団員が、暴力団排除特別強化地域における特定営業に関し、特定営業者に用心棒の役務の提供をすることを禁止します。

○暴力団員が、暴力団排除特別強化地域における特定営業に関し、特定営業者から用心棒料やみかじめ料を受け取ることを禁止します。

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5 雑則

◎調査・立入り(第27条)

住居系用途地域で暴力団事務所が開設・運営されていると認めるときは、違反事実を明らかにするために必要な限度において、説明又は資料の提出を求めたり、警察職員が建物に立ち入り、物件を検査し、建物内にいた者に質問することができます。

中止命令又は勧告の対象となる違反行為の疑いがあると認められる者等に対し、その違反事実を明らかにするために必要な限度において、説明又は資料の提出を求めることができます。

◎勧告(第28条)

この条例の、第4章事業活動等における暴力団排除にある

  • 利益供与等の禁止(第23条第1項・第2項)
  • 利益受供与等の禁止(第24条第1項)
  • 宅地等の譲渡等の制限(第25条第2項)
  • 宅地建物取引業者による助言等(第26条第2項)
  • 名義利用等の禁止(第26条の2第1項・第2項)

に規定する違反行為があった場合、行為者に対し、必要な勧告を行うことができます。

◎公表(第29条)

○正当な理由なく、

  • 中止命令の対象となる違反行為(第17条第1項・第2項)
  • 利益供与等の禁止(第23条第1項・第2項)
  • 利益受供与等の禁止(第24条第1項)
  • 宅地等の譲渡等の制限(第25条第2項)
  • 宅地建物取引業者による助言等(第26条第2項)
  • 名義利用等の禁止(第26条の2第1項・第2項)

に規定する違反行為の疑いがあると認められる場合で、説明や資料の提出をせず、虚偽の説明や資料の提出をした者

○正当な理由なく、勧告に従わない者

○正当な理由なく、勧告に従わないで暴力団事務所として使われることを知りながら宅地を譲渡等した者

は、氏名や違反事実等を公表することができます。

また、公表にあたっては、事前に意見を述べる機会が与えられます。

◎行政手続条例の適用除外(第30条)

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中止命令(第18条第1項)は、神奈川県行政手続条例の一部の規定を適用させないため、陳述のための手続きに割いていた時間を省略することで、迅速に中止命令を発出することができます。

◎委任(第31条)

この条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定めます。


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6 罰則


暴力団排除条例罰則
罰条 項目 内容
第32条第1項第1号 暴力団事務所の開設運営違反
(第16条第1項)
 対象施設から200メートル規制の違反
1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
第32条第1項第2号 暴力団事務所使用禁止命令違反
(第16条の2)
 住居系用途地域での開設運営違反
第32条第1項第3号 特定営業者の禁止行為違反
(第26条の3)
 特定営業者が、用心棒の役務の提供を受ける又は用心棒料等を支払う
第32条第1項第4号 暴力団員の禁止行為違反
(第26条の4)
 暴力団員が、用心棒の役務を提供する又は用心棒料等を受け取る
第32条第2項 第26条の3に違反した者が自首した場合には、刑を減軽又は免除することができる
第33条 中止命令違反(同じ少年に対する行為)
(第18条第2項)
 少年の暴力団事務所への立ち入らせ
面会要求等の少年有害行為
6月以下の懲役又は50万円以下の罰金
再発防止命令違反(他の少年に対する行為)
(第18条第2項)
 少年の暴力団事務所への立ち入らせ
 面会要求等の少年有害行為
第34条 虚偽説明や立入検査の妨害等
(第27条第1項)
 住居系用途地域での開設運営関係
20万円以下の罰金

本条例に関するお問い合わせやご相談は

神奈川県警察本部暴力団対策課フリーダイヤル

0120(110)675

0120(797)049

または最寄りの警察署へ!

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情報発信元

神奈川県警察本部 組織犯罪対策本部暴力団対策課

電話:045-211-1212(代表)