私はこうして騙された(還付金編) 登場人物:被害者(70代女性)犯人A(中年の声の男)犯人B(中年の声の男) 〇 ある日のお昼、携帯電話が鳴った。(電話の着信音) 被害者:はい、山田です。 犯人A:もしもし、私、座間市役所国民健康保険課の鈴木と言います。     医療費の還付金の通知が届いていると思いますが、しばらく経っていたので電話させてもらいました。     還付金が23,000円くらいがありますが、まだ医療費を返却する手続きが来ていません。 被害者:そんな通知、市役所から来ていたかしら?覚えがないんですが… 犯人A:そうですか、口座に戻す手続きをしますので。     どちらの銀行に口座をお持ちでしょうか? 被害者:横横銀行の口座があります。 犯人A:それでは、返金出来るかどうか、横横銀行の者から月曜日に連絡させます。     通帳とキャッシュカード、認印、身分証明証書を用意しておいて下さい。 〇 2日後の午前中、再び携帯電話に電話が鳴る。(電話の着信音) 被害者:はい、山田です。 犯人B:もしもし、私、横横銀行本店の佐藤です。     医療費を還付するので、いつも行っている支店はどこになりますか? 被害者:小田急相模原駅前の支店になります。 犯人B:わかりました。それでは提携しているイナホ銀行のさがみ野出張所のATMに行って下さい。着いたら、今か教える携帯番号に連絡して下さい。    連絡先の番号は090-1234-5678になります。 (被害者の声)ATMに行かなければ、還付金が口座に入金されない。早く行こう。 〇 イナホ銀行ATMコーナーに着き、教えられ連絡先に電話をする。      犯人B:もしもし、先程の横横銀行本店の佐藤です。     それでは、ATMの前に行って操作をして下さい。     手続きをするので、私の言うとおり、キャッシュカードを入れ操作をして下さい。 被害者:わかりました。(言われたとうり操作をする)     はい、はい…残高照会ボタンを押すんですね。     それから、振込ボタンを押して、支店名を選んで…(ピッ、ピッ、ピッ) あれ、これ振り込みをしていませんか? 犯人B:大丈夫です。一旦口座に振り込みをしてから明日の朝口座に入金されるので心配ありません。 (操作が終わるとキャッシュカードが戻り、ご利用明細書がATMから出る。)     えっ、はい、もう一度キャッシュカードをATMに入れるんですね…     はい、はい、振込ボタンを押して…(ピッ、ピッ、ピッ) (再びキャッシュカードが戻り、ご利用明細書がATMから出る。) (この時、被害者は振込ボタンや振込先支店を選択しているが、まさか自分の口座から他人名義口座に振込んでいるとは予想もせず、還付金を戻す手続きのためにしている操作と思っていた。) 犯人B:それでは、手続きがうまく終わったので、実際に銀行窓口に行く必要はなくなりました。     山田さんの口座にお金が入るようになったら連絡します。 (被害者の声)       手続きが無事に終わり、私は自宅に戻ったのですが、その後本物の横横銀行の職員から電話があり、2回目に振込みした口座には事情があって入金がされなかったので、返還手続きをして下さいと言われました。     私が、よくわからずこれまでの経緯を説明すると、「それは還付金詐欺です。警察に通報して下さい」と言われ、騙されたことに気が付いたのです。     こうして私は、自分の口座から他人の口座に2回振り込みの手続きをしてしまい、1回目に100万円を振り込んでしまう還付金詐欺の被害にあってしまったのです。