オウム真理教について 1 オウム真理教の概要  オウム真理教は、教祖である麻原彰晃こと松本智津夫が昭和59年に発足させたオウム神仙の会というヨーガサークルから始まり、平成元年に宗教法人として認証を受けた宗教団体のことをいいます。   昭和59年2月 「オウム神仙の会」設立   昭和62年7月 「オウム真理教」に改称   平成元年 弁護士一家殺害事件などを機に変貌 障害となるものを殺害   平成2年 衆院選挙に25人が立候補(全員落選) 武装化の推進   平成7年3月20日 地下鉄サリン事件発生   平成7年5月日 教祖松本智津を逮捕  同教団は平成元年に弁護士一家殺害事件を起こした後、平成2年に衆院選に25人が立候補して全員落選したことなどを契機に過激化し、平成7年3月20日に地下鉄サリン事件を引き起こしました。  地下鉄サリン事件の容疑者として、麻原彰晃こと松本智津夫ら多くの信者が逮捕され、平成8年に宗教法人法に基づく解散命令が最高裁で確定し、団体の宗教法人格は消滅しました。  教団の起こした主な凶悪事件一覧   平成元11月4日 弁護士一家殺害事件(殺人) 死者3人   平成6年5月9日 サリン使用弁護士殺人未遂事件 負傷者1人   平成6年6月27日 松本サリン事件(殺人・殺人未遂) 死者8人、負傷者約140人   平成7年2月28日 公証役場事務長逮捕監禁致死事件(逮捕監禁致死・死体損壊) 死者1人   平成7年3月20日 地下鉄サリン事件(殺人・殺人未遂) 死者13人、負傷者5,800人以上             ※オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律に基づき給付金の支給を受けた被害者数             ※令和2年3月に更に1人が死亡 教団の起こした主な凶悪事件 1 弁護士一家殺人事件  オウム真理教の幹部6人が、オウム真理教の活動に批判的であった弁護士坂本堤氏とその家族を殺害した事件です。  当時神奈川県にお住まいだった坂本氏は当時33歳で奥様と1歳になる息子さんとともに殺害され、遺体は別々の場所に遺棄されました。  実行犯の自供により1995年(平成7年)に遺体が発見され、現在は鎌倉にある円覚寺に埋葬されています。 2 松本サリン事件  この事件は、長野県松本市内に土地を購入しようとしていたオウム真理教に対して、地主側が売買契約取り消し等を求めた訴訟を起こしたため、 その判決を延期させるために、オウム真理教の信徒らが長野地方裁判所松本支部周辺にサリンを噴霧した事件です。  8人が死亡し、約140人の負傷者が出たとされています。 3 地下鉄サリン事件  この事件は、地下鉄霞が関駅に向かう地下鉄電車内において、床に置いたサリン入りのナイロン袋を、先端を尖らせた傘で突き刺しサリンを流出気化させて、乗客及び駅員等13人を殺害し、5,800人以上を負傷させた事件です。  なお、令和2年3月に更に1人が死亡しました。 (地下鉄サリン事件当時の駅付近での救護等活動の写真2枚) 分離したオウム真理教  オウム真理教は途中で分裂し、現在は主流派(Aleph、山田らの集団)と上祐派(ひかりの輪)の3団体が存在しております。   主流派(Aleph)    松本を尊師と尊称    松本への絶対的帰依を強調   上祐派(ひかりの輪)    旧教団時代の反省・総括をホームページに掲示    松本からの脱却を強調  現在オウム真理教の後継団体は、全国15都道府県に30施設を有し、神奈川県横浜市内にも1ヶ所存在しています。  3団体いずれも「無差別大量殺人行為に及ぶ危険性がある」などとして、公安調査庁長官の観察処分に付する処分を受けているなど、その危険性については何ら変わっていないというのが現状です。   オウム真理教の拠点施設    信者数 約1,650人(出家約250人、在家約1,400人)    主流派     北海道 札幌施設、札幌白石施設     茨城県 水戸施設     千葉県 野田施設     埼玉県 大宮施設、北越谷施設、越谷施設、新越谷施設、越谷大里施設、八潮伊勢野施設、八潮大瀬施設     東京都 足立入谷施設、新保木間施設、西荻施設、保木間施設、武蔵野施設     神奈川県 横浜施設     愛知県 名古屋施設     石川県 金沢施設     滋賀県 甲賀設楽施設、水口施設     京都府 京都施設     大阪府 生野施設     徳島県 徳島施設     福岡県 福岡施設    上祐派     宮城県 仙台施設     東京都 南鳥山施設     長野県 小諸施設     愛知県 岩倉施設     大阪府 東大阪施設 主流派(Aleph)による勧誘活動事例  導入   事件を知らない青年総を対象   ヨガ・心理学・メンタルヘルスが学べると宣伝し勉強会に誘導  関係構築   教団名を秘したまま、距離感を縮めていく   関心や悩み事を聞き出す・悩みの相談に乗る  入信   入会するだろうと判断した段階で団体名を明かす   断りづらい精神状態や環境に追い込んで入信させる  主流派Aleph(アレフ)による勧誘活動事例です。  勧誘は「導入」、「関係構築」、「入信」の三段階のステップを踏んで行われます。  「導入」の部分では、団体名を隠したまま書店などにおける声掛けまたはSNSを使用し、ヨーガ、心理学、メンタルヘルス等が学べると宣伝し、勉強会に誘導します。  次に「関係構築」の部分では、勉強会を重ねることヨーガや心理学などの雑談を通じて距離を縮めていくとともに、勧誘対象の悩みを聞き出すなどして人間関係を構築していきます。  最後に「入信」の部分では勧誘対象者に対し、教団名を告知し入信させます。  また、勧誘対象者が動揺し、入信の意志を示さない場合、「今まで学んできたことが無駄になる」など強い口調で詰め寄り、勧誘対象者が断りづらい精神状態や環境に追い込んで入信させることもあるそうです。 上祐派(ひかりの輪)による勧誘活動事例  ウェブサイトを通じて   団体施設などでの「上祐代表説法会」   神社仏閣などを訪問する「聖地修行」  への参加を情報発信  「開かれた教団」であることをアピールして、新規信者獲得を企図  次に上祐派(ひかりの輪)による勧誘活動事例について説明させていただきます。  上祐派は、各拠点施設で開催している上祐代表の説法会や「集中セミナー」、各地の神社仏閣や自然を訪ねる「聖地修行」等への参加を呼び掛けるとともに、様々なメディアを通じて同派の活動を積極的に発信するなどして、信者の獲得を図っています。  皆さん自身が勧誘にあうのが初めてであっても、相手はシステム化した勧誘手法で何人もの人間を取り込んできた組織です。  面白半分で近づくべきではありませんし、危険だと感じた場合は相手にしないのが得策であります。  先ほども申したように勧誘活動は、当初は団体名を伏せ、人間関係が深まってきて断りづらくなってきた段階で実際に勧誘という流れが多いようです。  よって途中で「あれ?おかしいな?」と感じた場合は、一人で悩まずご家族やご友人、学校の先生方、そして我々警察にもご相談ください。 (ポスター) 「オウム真理教」とは? 殺人を肯定する教義により、かつて凶悪事件を実行  国家権力を打倒するべく武装化  地下鉄サリン事件(1995年)等、数々の凶悪事件を実行 「Aleph(アレフ)」「ひかりの輪」と名を変え、今も活動中  Aleph(アレフ)は、団体名を隠して、ヨガ教室等を名目に接近  ひかりの輪は、主催行事への参加を一般にも呼びかけ 事件を風化させない 神奈川県警察