丹沢のまもり 令和2年3月 神奈川県秦野警察署 山岳遭難救助隊発行 雪山訓練を実施 十二月下旬、表丹沢に積雪が確認されたので、本格的な冬山での活動に向けて、塔ノ岳で雪山訓練を実施しました。 雪山は、小さなミスが大問題になることがあります。 積雪で登山道が分かりづらいので、地図と方位磁石を使って正しいナヴィゲーションが出来なければ迷ってしまいます。 アイゼンがなければ、滑って歩くこともできません。 アイゼンを履いていても正しい歩行をしていないと、スパッツ等に引っ掛けて転倒したり転滑落することもあります。 登る山の最新情報を入手し、積雪があればインターネット等で雪山登山についてよく調べて十分な準備をお願いします。 もし、自信がなければ経験者と行くことをお勧めします。 雪化粧の表尾根 積雪で慣れた登山道も別世界。 中央の隊員はアイゼンを引っ掛けて高額なスパッツが破れ、テーピングで補修しました(涙) 中高年登山の話 安全のための心がけ 昨年に秦野警察署管内で発生した遭難事故十件のうち、六件が六十歳以上の高齢者の事故でした。 中高年登山者に共通する危険因子とは? 《体力の過信》 個人差はあるものの、年齢とともに体力は低下します。 悪天候やトラブル等が発生しても十分対応できるような余裕のある計画を立てましょう。 《慣れているからという油断》 「何度も登ってるから、いつもと同じだから大丈夫。」という考えは危険。 いつもの山で同じように見えても、天気、気温、草木の生育など全く同じ条件ということはなく、自分の体調も常に同じではありません。 《ベテランだからという慢心》 「道に迷ったかなと思っても、いつもの山で迷うはずはないと確認をしない。」ベテランを自負する経歴の長い方に多いケースです。 真のベテランは常に自分の位置を確認し、おかしいと思ったら間違いを認め、それを正すことのできる人です。 『安全登山のポイント』 山は多くの人々を魅了する美しさの反面、時に人命を奪う厳しさも持っています。 挑戦する山に必要な体力・技術を身に付けるのはもちろん、謙虚な気持ちを忘れずに登山を楽しんでもらいたいと思います。 山岳事故発生状況 一月中、当署管内での山岳遭難事故の発生は三件、二月中の発生は一件でした。 秦野警察署山岳救助隊 【秦野警察署】 0463−83−0110