○薬物の乱用とは、医薬品を医療目的以外に使用することや医療目的にない薬物を不正に使用することをいいます。
○精神に影響を及ぼす物質の中で、習慣性のほか、乱用され、又は乱用されるおそれのある薬物として、覚醒剤・大麻・MDMA・コカイン・ヘロイン・向精神薬・シンナー等があります。これらの薬物の乱用は、人間の精神や身体をボロボロにし、人間が人間としての生活を営むことをできなくするだけでなく、場合によっては死亡することもあります。また、薬物の乱用による幻覚・妄想が殺人・放火等の凶悪な犯罪や交通事故を引き起こすことがあるなど、乱用者本人のみならず、周囲の人、さらには社会全体に対しても、取り返しのつかない被害を及ぼしかねないものです。こうしたことから、これらの薬物の使用や所持などは法律により厳しく禁止されています。
○乱用される薬物は、中枢神経系に作用することから、より快感を得たり、薬物の効果が切れたときの苦痛等から逃れるため、薬物による効果を強く求めるようになる「依存性」が形成されます。また、薬物を繰り返し使用しているうちに同じ量では効かなくなる「耐性」が生じます。
○「一度だけ」という好奇心や遊びのつもりでも、薬物の依存性と耐性によって、乱用する量や回数がどんどん増えていくという悪循環に陥り、自分の意思では止めることができなくなり、また、乱用を止めても、睡眠不足や過労、ストレス、飲酒等をきっかけに、突然、幻覚や妄想等の精神障害が現れるフラッシュバック(再燃現象)が起こることがあります。
○薬物の乱用は、精神と身体の両面を深く致命的に破壊します。覚醒剤を始めとする薬物の乱用は脳の正常な発達を止めてしまい、精神のバランスを悪くさせます。乱用により、一時的に頭が冴える、神経が興奮するというような感覚を得たように感じられることがありますが、その後、脱力感や疲労感に襲われ、ついには幻覚、妄想といった精神障害が引き起こされます。
○警察では、薬物問題を治安の根幹に関わる重大な問題ととらえ、薬物の供給の遮断及び需要の根絶を目指し、関係機関と連携して薬物乱用のない社会の実現に向けた対策を強力に推進しています。 |