妨害運転、ダメ!絶対!!


いわゆる「あおり運転」については、道路交通法に明確な規定がありませんでしたが、令和2年6月の道路交通法一部改正により、「妨害運転」の定義が明示されるとともに、罰則が創設されました。

「妨害運転」とは、どんな行為ですか?

他の車両等の通行を妨害する目的で、無理な幅寄せや車間を詰めるなどの一定の違反行為を行い、他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある運転をすることです。

妨害運転の要件は?

1 妨害運転(交通の危険のおそれ)

(1) 他の車両等の通行を妨害する目的で行われていること

(2) 行われた行為が、「一定の違反行為」であること

(3) 道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法であること

2 妨害運転(著しい交通の危険)

(1) 上記妨害運転(交通の危険のおそれ)の罪を犯していること

(2) 高速道路で他の車両を停止させるなど、道路における著しい交通の危険を生じさせたこと

「一定の違反行為」とは?

  • 対向車線に出ること(通行区分・道交法第17条第4項)
  • 具体的な危険が無いのに急停止したり、急ブレーキをかけること(急ブレーキの禁止・道交法第24条)
  • 前を走行している車両が急停止しても追突を避けるのに必要な距離を保たないで、前車を追走すること(車間距離の保持・道交法第26条)
  • 正当な理由がないのに複数の車線を跨いで「ジグザグ運転」「蛇行運転」したり、後続車が急ブレーキや急ハンドルで避けなければならないのに進路変更したり、進路変更禁止場所(黄色い車線の場所)で進路変更すること(進路の変更の禁止・道交法第26条の2)
  • 前車を左側から追い越したり、後方や対向を走行中の車両に危険を及ぼすような方法で追い越すこと(追越しの方法・道交法第28条第1項又は第4項)
  • 前方に走行車がいるのに、ハイビームで追走すること(車両等の灯火・道交法第52条第2項)
  • 「警笛鳴らせ」の標識のない場所で、具体的危険が無いのにクラクションを鳴らすこと(警音器の使用等・道交法第54条第2項)
  • 窓から顔や身を乗り出す、並走している車両に幅寄せする、前を見ないで運転するなど他の車両に危険を及ぼすような運転をすること(安全運転の義務・道交法第70条)
  • 高速自動車国道の本線車道を走行する際、渋滞等の正当な理由がないのに時速50キロメートルに達しない速度で進行すること(最低速度・道交法第75条の4)
  • 高速自動車国道又は自動車専用道路停車、駐車すること(停車及び駐車の禁止・道交法第75条の8)

※ 神奈川県内の高速自動車国道

東名高速・新東名高速・中央道

※ 神奈川県内の自動車専用道路

首都高速道路各線・第三京浜・保土ヶ谷バイパス・横浜新道・横浜横須賀道路・本町山中道路・三浦縦貫道路・新湘南バイパス・西湘バイパス・圏央道・東京湾アクアライン・小田原厚木道路・箱根新道
(箱根ターンパイク・真鶴道路・逗葉新道・芦ノ湖スカイラインは一般有料道路なので該当しません)

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妨害運転の罰則は?

1 妨害運転(交通の危険のおそれ)

(1) 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

(2) 基礎点数25点

2 妨害運転(著しい交通の危険)

(1) 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

(2) 基礎点数35点

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妨害運転を誘発するおそれのある行為−正しい運転してますか?−

問1 右側車線(追い越し車線)の通行方法

高速道路で一番右側の車線を走行中、後方から車両が接近してきたが、自分は制限速度を守って走行しているので、そのままの車線で運転を継続した。

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問2 パッシング

追い越し車線を走行中、前方を走行している車両の速度が遅かったので、自分が接近していることを知らせる意味で、2〜3回、前車に向かってパッシングした。

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問3 クラクション

自分の前に車が割り込んできたので、相手に注意を与える意味で、クラクションを長めに(10秒程度)吹鳴した。

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問4 追越し方法

高速道路の追い越し車線(第三通行帯)を走行中、進路前方を走行中の車両速度が、他の車両と比べ明らかに遅かったので、このまま追い越し車線を走行していても追い越せないので、左側車線(走行車線)に車線を変更した。しばらく同車線を走行しながら追い越し車線を走行中の車両の動静を観察したが、その車は速度も上げず、車線変更する様子もなかったので、そのまま第二通行帯を走行して追い抜いた。

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問5 車線変更

高速道路の本線車道は混雑していたが、自分の前の方の車は順序良く交互に合流していたので、自分も他の車と同じように合流しようと思ったところ、本線車道を走行中の車が意地悪をして車間距離を狭めてきたので、「次は自分の順番だ」と強引に本線車道に進行したら、意地悪な車が止まったので、一気に合流した。

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問6 ブレーキ

高速道路を走行中、後方を走行中のトラックが車間距離を詰めてきたので、「車間距離をとってくれ」という注意を与える意味で強めにブレーキを踏んだところ、後方のトラックは急ブレーキをかけながら回避した。

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妨害運転を受けてしまったら?

まず、同乗者や自分の周囲を走行している他の車両の安全を最優先に考えて行動してください。

安全を確保したうえで、下記の要領により通報等を行ってください。

  • 高速自動車国道、自動車専用道路を走行中の場合は、サービスエリアやパーキングエリア、非常駐車帯、一般道を走行中の場合は、安全な場所に退避してから110番通報してください。
  • 同乗者がいる場合は、同乗者が110番通報し、運転者はサービスエリア等安全な場所に退避してください。
  • 妨害運転車両を避けるため、車線を変更しながら走行を継続すると、自車だけでなく、周辺を走行中の他の車両にも大きな危険をおよぼす可能性が高まります。
     安全な場所に退避するために走行を継続しなければならない場合は、一番左側の走行車線に進路を変更し、車線変更することなく走行を続けてください。
  • 高速道路等を走行中に進路をふさがれた場合は、出来る限り左側端に寄るか、路側帯に停止してハザードランプを点灯して110番通報してください。
     相手が車を降りてきても、ドアをロックして窓を閉め、直接対話したり、車外に出ることは絶対にしてはいけません。
     また、本線上での停止や後退は、自分自身だけでなく、同乗者や後方から進行する車両にも重大な危険を与えるため、厳に慎んでください。
  • ドライブレコーダーにより録画された映像データは、違反立証のための重要な資料となることがありますが、ドライブレコーダーを装着していないからといって、スマートフォン等により運転者自身が運転中に撮影する行為は、違反となる上に大変危険ですから、厳に慎んでください。

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妨害運転を誘発するおそれのある行為−正しい運転してますか?−の回答

問1 正しくない

道路交通法第20条第1項で、「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。」と規定されていますので、二車線の道路では、一般道、高速道路を問わず、すべての道路で左側車線を走行しなければなりません。

また、「自動車は三以上の車両通行帯が設けられているときは、最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる」と規定されています。

さらに、同条第3項で、「追い越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。」と規定されていますので、通常の走行では右側車線(追い越し車線)を走行し続けることは正しい運転ではありません。

しかし、前車を追い越すときや道路外の施設に入るとき、交差点を右折するとき、駐車車両等の障害物を避けるときなどは一番右側の車線を通行しなければならない場合もあるため、一般道路においては、右側の車線を走行していたとしても、直ちに「正しい運転ではない」ということはできません。ただし、高速自動車国道等の場合は、右折できる交差点はありませんし、右折して入る路外施設もありません(右側に流出路がある首都高速道路等一部路線を除く)から、前車を追い越すとき以外に一番右側の車線を通行する必要がありません。ですから、高速自動車国道等では、一番右側の車線(追い越し車線)を走行し続ける車両に対しては、積極的に指導取締りを行っています。

問2 直ちに違反とはいえない

道路交通法第52条第2項では、「車両等が、夜間、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等操作しなければならない。」と規程していますので、問いの場合のように、前車の直後を走行する際に走行用前照灯(ハイビーム)を点灯したまま走行すれば本条の違反となる可能性は高くなります。

しかし、日本国内においてはパッシング(走行用前照灯とすれ違い用前照灯(ロービーム)を瞬間的に切り替える行為)は非常点滅表示灯(ハザードランプ)とともにドライバー同士のコミュニケーションツールとして広く使われていますから、「パッシング=違反」と考えることは適当ではありません。

ただし、走行用前照灯の照射時間が長かったり、繰り返し若しくは執拗にパッシングすれば本条の違反となる可能性が高まりますので、十分注意してください。

問3 正しくない

道路交通法第54条第2項前段で「車両等の運転者は、標識によって指定された場所や区間以外では、警音器を鳴らしてはならない。」と規定し、警音器の乱用を禁止していますが、同条後段では「ただし、危険防止上やむを得ないときは、この限りではない。」と規程し、危険を防止するためにやむを得ないときには警音器を鳴らすことができることとしています。また、日本国内では、クラクションもパッシングやハザードランプと同様にドライバー同士のコミュニケーションツールとして使われていますから、「クラクションを鳴らされた=違反」と考えることは適当ではありません。

問3の場合、「割り込みそうな者」ではなく「割り込んだ者」に対して、「危険防止のため」ではなく「注意を与える意味」で警音器を鳴らしています。また、車線変更が終了している者に対して10秒間もクラクションを鳴らし続ける行為は、明らかに警音器の乱用にあたり、正しい行為ではありません。

問4 違反には当たらない

問1の回答でも記載しましたが、前車を追い越す場合は「通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない」と規定されていますから、前車が一番右側の車線を走行していた場合、他の車両はその車を追い越すことができません。そもそも、「追越し」とはどのようなことを言うのでしょうか。道路交通法第2条に道路交通法の用語の定義が規定されておりますが、同条で規定されている追越しの定義は、「車両が他の車両等に追いついた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ること」と定められています。

では、問4の事例はどうでしょうか。問4のドライバーが左側車線に車線変更したのは、前車を追い越すことができないために走行車線に戻ったのであって、前車を追い越すためではありません。その後、しばらくの間走行車線での走行を続けたうえで車線変更することなく第三通行帯を走行中の車両の前に出ているので、これは、追い越しではなく「追い抜き」となり、違反ではありません。

ただし、追い越しに一連の動作が完了するまでにかかった時間や距離が短い場合は、運転者が「追越しではなく追い抜きだ」と申し立てたとしても、左側追い越し違反となりますので、十分注意してください。

また、追い越し車線を走行し続けた車両は、通行帯違反(道路交通法第20条第1項)となりますので、「追い越しが終わったら速やかに走行車線に戻る」ことを徹底してください。

問5 違反です

道路交通法第75条の6第1項で「本線車道に入ろうとする場合、その本線車道を通行している自動車の進行妨害をしてはならない」と定めています。よって、本線車道に入る場合は、本線車道を走行中の車両の運転者が意地悪だとか、自分の順番は関係なく、通行妨害しないように入らなければならないので、問5の行為は違反となります。

本線車道と本線車道が合流している場合は、「優先本線車道」の道路標示により優先されている本線車道が指定されていますので注意してください。

また、本条文は高速自動車国道等の規定ですが、同様の規定は一般道路にももちろんあり、道路交通法第26条の2第2項で「後車に迷惑を及ぼす進路変更の禁止」と規定しています。

問6 正しくない

道路交通法第24条で「車両等の運転者は、危険防止のためやむを得ない場合を除いて、急停止をし、または急ブレーキをかけてはならない。」と定めています。

ですから、本問のように具体的な危険性がないのに、「車間距離をとってくれ、という注意を与える意味」でブレーキを踏み、その結果、後続車が急ブレーキをかけたうえで回避しなければならない状況になれば、正しい運転とはいえません。

これ以外にも、

  • 合図を出すのが遅かった
  • 窓から捨てたタバコの灰が車体に当たった
  • オートバイのマフラーの音がうるさい

など、ちょっとしたことがトラブルのきっかけとなっています。

妨害運転の被害に遭わないために、まずは、自分がルールやマナーを守った運転を心掛けましょう。

また、ドライブレコーダーの設置は、妨害運転の立証や抑止に有効であることから、神奈川県警察では関係機関・団体と連携しながらドライブレコーダーの普及促進を呼びかけています。

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通報や相談はどこにすればいいですか?

「いま、妨害運転の被害に遭っている」、「現在、妨害運転が行われている」など、緊急性のある時は、自分の安全を確保した上で、直ちに

110番通報

して下さい。

緊急性がない「今後のための相談」や「妨害運転の目撃情報」については、

被害(目撃)場所を管轄する警察署等

に相談してください。

被害(目撃)場所を管轄する警察署等が分からない場合や妨害運転の法令解釈等に関する問い合わせは、

神奈川県警察本部交通部交通指導課指導取締り係(指導担当)

にお問い合わせください。

相談やお問い合わせの受付時間は「平日の午前8時30分から午後5時15分まで」です。

「受付時間内には電話できない」という場合は、メールによる相談も受け付けています。

Eメールによる相談は、

「交通相談受付(交通相談センター)」

で受け付けています。

メール相談利用上の注意事項

※1 Eメールによる返信、回答は行っておりません。

※2 警察からの連絡は電話を使用しますので、回答を希望する場合は、相談者の氏名、連絡先を必ず記載してください。

※3 被害(目撃)の日時、場所を特定した内容でお願いします。

※4 妨害運転に関連して、動画投稿サイトに投稿する動画を撮影するためにルールやマナーを無視した運転をすることは大変危険なのでやめてください。

※5 動画投稿サイトに投稿された動画の情報提供については、あくまでも事件の端緒となるものであり、その映像だけでただちに妨害運転罪で検挙できるものではありません。


こちらもご覧ください。「危険!あおり運転等はやめましょう」(警察庁ホームページへリンクします)

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