更新日:
2023年11月09日
目次
銃規制の沿革
写真提供:須川薫雄著「日本の火縄銃」
日本への銃砲伝来は、ポルトガル船が種子島に漂着した1543年(天文12年)前後の諸説がありますが、この頃に火縄銃が伝えられ、我が国の銃社会が始まったとされています。
時はまさに戦国時代、名だたる武将はこぞって銃砲を集め、幾多の戦いに使用し、当時の日本は「世界でもトップクラスの銃砲大国」であったといわれています。
しかし、豊臣秀吉の刀狩りに始まったとされる我が国の銃器統制は、江戸幕府にも継承され、明治維新後、法令として体系的に整備されました。
そして、第二次世界大戦後、現在の法体系に整えられたことにより、世界でも例を見ない「銃規制の厳しい国」が形成されました。
拳銃情勢
近年、暴力団組織の分裂に伴う対立抗争が関西方面で多発し、この対立抗争で拳銃や機関銃が使用される発砲事件が発生しています。また、神奈川県においても、マニアによる改造拳銃所持事件、3Dプリンターを使用した拳銃密造事件の発生や、遺族が戦時中の遺品拳銃を発見して届出するケースも多発しており、欧米と比較して拳銃の親和性が少ない日本においても、もはや拳銃が縁遠いものではなくなっています。
暴力団から押収した軍用拳銃
遺品の軍用拳銃
主な拳銃発砲事件
【全国】
- 暴力団幹部が、岡山県岡山市内の駐車場において、対立する暴力団幹部に向けて拳銃を発射して負傷させた事件。(令和2年5月発生、6月検挙/岡山)
- 暴力団幹部らが、兵庫県尼崎市内の路上において、対立する暴力団幹部らに向けて拳銃を発射して負傷させた事件。(令和2年11月発生、11月・12月検挙/兵庫)
- 暴力団組員が、群馬県桐生市の駐車場において銃撃されて死亡した事件。(令和2年1月発生/群馬)
- 暴力団組長が、長野県上伊那郡内の駐車場において銃撃されて負傷した事件。(令和2年9月発生/長野)
【県内】
- 小田原市内の元暴力団幹部宅に対して、拳銃数発が発射された事件。(令和2年8月発生)
- 暴力団幹部らが、川崎市内の路上において、別組織の暴力団組長らに向けて拳銃を発射して関係者2人を負傷させた事件。(平成31年1月発生、令和3年2月・3月検挙)
身近に潜む銃器 皆さんのご協力をお願いします
- 県民生活に重大な脅威を与える銃器犯罪は、絶対に許すことはできません。
- 平穏な日常生活に、拳銃は必要ありません。
神奈川県警察では、銃器犯罪を未然に防止し、安全で安心して暮らせる地域社会を実現するため、拳銃等の摘発に全力を挙げており、皆さんに拳銃情報の提供をお願いしています。
- 拳銃マニアがモデルガンを改造しているという近所の噂がある
- 暴力団員風の者が、土中を掘ったり、墓石を動かして何かを隠していた
- 遺品を整理していたら、軍用拳銃や古式銃が見つかった
- ネットオークションに、拳銃、改造拳銃、密造拳銃等が出品されていた
- 河川敷等に拳銃様のものが放置されていた
このような時は、最寄りの警察署にご連絡ください。
皆さんから寄せられた多くの情報が、違法な銃器の摘発に役立っています。
旧軍用拳銃について
県内では、遺品の整理等の際に戦時中に使用されていた旧軍用拳銃が見つかることがあります。大事な形見であっても、所持することは法律で禁止されています。また、子供が誤って触り、暴発する危険もあります。発見した際には、最寄りの警察署へご連絡ください。
自首減免規定について
法律に定める一定の場合を除いて、拳銃を譲り受けたり、所持したりすれば罪になります。
しかし、
- 「隠し持っていた拳銃を処分したい」
- 「中身を知らずに預かった荷物の中から拳銃を発見した」
等、拳銃や拳銃実包を進んで捜査機関に提出する自首が認められた場合は、法律の自首減免規定が適用され、刑が減軽または免除されます。
拳銃と認定されたエアーソフトガンについて
下記写真のエアーソフトガン「M29」「S&W M500(カシオペアモデル)」「コルトSAA45(カシオペアモデル)」は、銃砲刀剣類所持等取締法第2条に規定する「拳銃」に該当するものとして所持することができません。お持ちの方は、警察に提出してください。
M29エアーソフトガン
S&W M500 8インチ
COLT SAA45 4インチ
玩具と称した拳銃について
以下の特徴を有する玩具拳銃は、銃砲刀剣類所持等取締法(以下銃刀法とする)上の「拳銃」に該当し、所持すると銃刀法違反に問われるおそれがあります。
玩具と称した拳銃の特徴(詳細)
- 銃身、弾倉ともに実包が装てん可能な大きさである(約1cm)
- 実包の薬きょうに模したプラスチック型の弾が付属している
(※ 弾の中には、スプリングが内蔵されており、スポンジ・プラスチック製の弾頭を飛ばす仕様)
- 撃鉄、撃針を有し、撃針(雷管を叩く針)が弾の雷管(実包の後端部)を叩くことで弾丸が発射される構造である
- 実在する拳銃がモデルとなっているものが多い
拳銃110番推奨制度
情報発信元
神奈川県警察本部 組織犯罪対策本部薬物銃器対策課
電話:045-211-1212(代表)