更新日:
2024年08月21日
現在、パソコンやスマートフォンからだけでなく、携帯音楽プレーヤー、ゲーム機、テレビ等、多くの機器からインターネットを利用することができます。
インターネットの世界では子供達が犯罪被害に遭ったり、いじめ等のトラブルに関わってしまうことがあります。
【1】「犯罪被害の落とし穴」
インターネットに起因する犯罪被害児童数はSNSに起因するものがほとんどを占めています。
出会い系サイト及びSNSに起因する事犯の被害児童の推移
令和 元年 |
令和 2年 |
令和 3年 |
令和 4年 |
令和 5年 |
|
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出会い系サイト | 5人 | 3人 | 10人 | 7人 | 2人 |
SNS | 203人 | 167人 | 193人 | 176人 | 134人 |
計 | 208人 | 170人 | 203人 | 183人 | 136人 |
※刑法改正に伴い令和5年より福祉犯の被害児童数としました。
SNSとは、インターネット利用者が交流するウェブサイトのうち、異性間の交際を専らの目的とする出会い系サイトを除いたものをいい、
LINE
TikTok
X(旧Twitter)
などがあります。
出会い系サイトは、いわゆる「出会い系サイト規制法」により18歳未満の、利用や性行為を誘う書き込みが禁止され、サイト運営も公安委員会への届出制となっていますが、SNSは規制の対象外となっています。
誰でも始められるというSNSの利便性を逆手に取り、あえて児童を狙うような悪い大人もいるということを認識しておかなければいけません。
- SNSで仲良くなった相手に言葉巧みに裸の写真を送信させられた
- SNSで知り合った相手と実際に会ったら、言葉巧みにホテルに連れ込まれて、みだらな行為をされた
- 携帯型ゲーム機のオンラインチャットを介して仲良くなった相手と会ったら、自動車で連れ回された
- ネットで知り合った人とは会わない
(SNS上の情報が正しいとは限らない) - 自分の個人情報を教えない
(ネットに情報を晒されたり、脅される危険性がある) - 自分の個人情報(顔や身体も含む)が写った写真を送らない
(要求がエスカレートしたり自分の意図しない使われ方をする危険性がある) - 少しでもおかしいと思ったり、困ったりしたらすぐに保護者に相談する
【2】「プライバシー侵害・個人情報の流出」
むやみやたらと撮影したものをSNS等に投稿したりすると、肖像権や他人のプライバシーを侵害してしまうことがあります。
画像を撮影する際に、設定によっては位置情報を含んでしまうことがあるため、意図せず自宅やよく行く場所などを見ず知らずの人達に教えてしまうことがあります。
また、設定をしていても、画像内に載っている風景(店名、電柱、信号機、マンション名等)や、服装(制服、私服等)、持ち物(携帯カバー等)などから個人を特定されてしまうこともあります。
一度、インターネットに投稿した画像や情報は完全に消去することはできません。
- 何気なく投稿した内容に、他人の個人情報が写りこんでしまっていた
- 無料動画配信サービスで自宅から動画配信をしたら、自宅を特定されてストーカー被害に遭った
- 学校での出来事を投稿したら、制服から学校を特定され、学校前で待ち伏せされた
- 普段の生活風景を撮影し投稿したら、映り込んだ電柱や店名から自宅を特定された
- 他人の個人情報が写っていないか確認する
- 画像から自分の個人情報が分かってしまう内容でないか確認する
- 信頼できる人にしか閲覧できない設定にする
- リアルタイムに投稿すべき内容かよく考える
- なりすまし等の悪ふざけを絶対にしない
【印刷用】インターネットの世界には危険がいっぱい・・・(PDF:325KB / テキスト:1KB)
【3】「いじめ・トラブル・スマホ依存」
正しく使えばとても利便性の高いSNSですが、一方では、本来なら直接相手に伝えるべきこともSNSで簡単に済ませてしまうこともあるほか、面と向かってならば言えないような酷いことを容易に書き込んでしまい、「いじめ」や「トラブル」に発展してしまうこともあります。
今やSNSは、子供達の主要なコミュニケーションツールのひとつであり、リアルタイムでやり取りができるという利便性などから、ここ数年で急速な広がりを見せました。
その結果、昼夜問わずそれにのめり込んでしまい、昼夜逆転の生活になってしまう子供や、不登校になってしまう子供も出てきています。
- オンラインゲームにはまり、オンライン先の相手にプレイ時間を合わせて不登校になる
- スマートフォンを常に携帯し、すぐに返信しないと気が済まなくなる
- SNSで誰かとつながっていないと不安になる
- 深夜までスマートフォンに熱中して、眠れなくなる
- 勉強に集中できなくなる
- 使用する時間を、「何時まで」「何時間まで」、といった具体的なルールを決める
- 相手とのやり取りを終了するときの言い方やタイミングを保護者に相談する
- 自身と相手の健康や生活を最優先に考えて、本当にその時必要な連絡か考える
(食事の時間や睡眠時間を割いてまでする必要がある連絡か考える)
※ 「ペアレンタルコントロール」とは ・・・ 保護者による管理
色々な家電製品をスマートフォンで操作できる、いわゆる「
今やインターネット端末の普及に伴って、「SNSでのトラブル」「有料ゲームの高額請求」など、私たちが子供の頃にはなかった新しい問題も生じています。
また、端末を手放せない「ネット依存」などの問題も指摘されています。
インターネットは、正しい使い方をすればとても便利なものですが、最近では、インターネットに起因する様々なトラブルや犯罪被害などがニュースに取り上げられており、正しい使い方を管理する必要性が求められています。
保護者が想像する以上に子供はインターネット端末の使い方を知っています。
しかし、使い方を知っているだけで、正しい使い方を学んでいるわけではありません。
ここでは、保護者が具体的にすべき「ペアレンタルコントロール」について説明します。
インターネットの危険性から子供を守るための有効な手立ての一つにフィルタリングがあります。
ゲーム機や携帯音楽プレーヤーにもフィルタリング設定ができます。
取扱説明書やホームページの案内をよく見て、フィルタリングを設定しましょう。
また、保護者が使っていたスマホなどを子供に貸し与える場合は、販売店でフィルタリングサービスを受ける手続き又はフィルタリングアプリを活用しましょう。
子供にせがまれたからといって、安易にフィルタリングの解除に同意しないでください。
インターネット端末を使わせないのではなく、正しく使わせるための設定です。
子供にせがまれても絶対に解除しないようにしましょう。
解除に当たっては、子供の年齢に応じて、段階的に検討していくようにしましょう。
子供がどんなアプリを使っているのか、SNSで誰とどんな交流をしているのか等の利用状況をきちんと把握し、利用時間の制限や、課金管理などが行える各種管理機能を有効に活用しましょう。
機種の使い方や設定方法については、機種ごとに異なりますので、メーカーや販売店に問い合わせるか、取扱説明書などで確認してください。
暗証番号等は保護者が管理し、保護者の承諾なしではアプリをインストールしたり、機能制限を解除したりできないようにしましょう。
子供が知る必要のない情報については、保護者がしっかりと管理することが大切です。
また、個人情報について話し合い、自分の情報、他人の情報に関わらず、個人が特定できるような内容をインターネットに載せないことを確認いましょう。
ネットの情報は、世界中の誰が見ているか分かりません。
意に沿わない形で情報が悪用されることがあり、犯罪やトラブルに巻き込まれる原因にもなります。
まずは子供に、自分が今使っているスマホ等のインターネット機器は、「保護者から借りているもの」だということを理解させましょう。
子供と話し合ってルールを作り、そのルールが守られているかを定期的に確認するなど、子供がインターネットを正しく利用できるように導きましょう。
保護者の導きによって、子供が納得して、自発的に決めたルールを、子供自身が守っていけることが最も大切です。
一方的にルールを決めつけるのではなく、
- インターネットには悪い情報もたくさんある。
あなたに不適切な情報を見てほしくないから、リビング等の私達の目が届くところで安全に使ってほしい。 - 連絡を取ることは大切だけど、相手の予定や都合も考えて連絡しないと、相手に迷惑が掛かってしまうかもしれない。
- 食事の時間はあなたが家族と過ごす大切な時間で、睡眠時間はあなたが元気に過ごすための大切な時間だから、その時間はスマホから離れてほしい。
など、具体的な場面を思い浮かべながら、子供が納得がいくように説得してみましょう。
一般常識と健康管理の大切さも含め、子供と一緒にどのように端末を利用すべきかルールを考えることが大切なのです。
今までの話を踏まえて、ルールの例をいくつか挙げていきます。
等が挙げられます。
このようなルールを、子供とよく話し合って決めていき、子供自身の「悪いことはしない」と思う心(規範意識)を育てていきましょう。
しかし、子供も納得した上で決めたルールでも、時間が経つにつれ形骸化してしまうことがあります。
そうならないためには、ルールを守らせる工夫が大切です。
例えば、
- 目につくところにルールを貼りだしておき、話題に出すことで注意喚起をする
- ルールを守れているか、子供と定期的に話し合う
- 子供の様子を注意深く見守り、小さな変化も見逃さないようにする
- ルールを守れない場合は利用停止する等の約束事を決める
等が挙げられます。
これらの例を参考にして、子供との関係を良好に保ちつつ、子供が犯罪被害に遭う前に保護者による抑止対策を行っていきましょう。
保護者が自身のスマートフォンの画面ロックを解除しているのを見て、無断で保護者のスマートフォンを利用してSNSに動画を載せていたなどということもあります。
パスワードは保護者がきちんと管理し、定期的な変更を行いましょう。
また、子供の使用するスマートフォン等の機能制限や管理機能に関するパスワードは、保護者がしっかりと管理してください。
フィルタリングや機能制限がかかっていない端末から、子供が有害サイトにアクセスしてしまう可能性があります。
また、インターネットに普段つながらない機器でも、コンビニやファストフード店の無線Wi-Fiで容易にネットにつなげることができます。
保護者や兄、姉のスマートフォン、古いスマホ、共用のタブレット、ゲーム機等など家庭内でお子さんが使用する可能性のあるインターネット端末を管理することが大切です。
軽い気持ちでインターネットの掲示板に張り付けた自分の写真が自分では全く考えていなかった使われ方をしてしまったり、なにげなくSNSに書き込んだひと言が大炎上したり、また、それが原因でいじめ被害に遭ってしまったり・・・
もしかしたら誰にも相談できずに一人で悩んでしまうようなことになってしまうかもしれません。
また、子供とのコミュニケーションを図るためにも、ルール作りを徹底しましょう。
このようなルール作りには、
保護者の協力が不可欠です!!
警察では、「おしまいルール」という取組を推奨しています。
これは通信をやめたいときは
- 親にそろそろ止めなさいと言われたので「おしまい」
- 宿題をしなければいけないので「おしまい」
- 体調が良くないので「おしまい」
と書き込めばOKというルールで、相手も
- 「おしまい」と書いてきたら返信しなくてもOK
と、取り決めることによって、トラブルや無用な連絡のやり取りを防ぐ取組です。
自分の生活を大切にするとともに、友達の生活も大切にする思いやりを持ちましょう。
【印刷用】SNSチャット こんなルール知っていますか?(PDF:325KB / テキスト:1KB)
情報発信元
神奈川県警察本部 生活安全部少年育成課
電話:045-211-1212(代表)