あいさつ 自己紹介 今日は皆さんと一緒に、社会のルールについて勉強したいと思います。 「やって良いことか、悪いことか」を考えたり、皆さんだったら、どうするか、どう思うかを答えて下さい。 勉強を通して、社会のルールをしっかりと身につけ、皆さんが、いつでも、正しい行動がとれるようになってもらいたいと願っています。 また、悪いことに流されない、強い心、相手の気持ちを考えて行動する、思いやりの心の大切さを、もう一度、確かめましょう。 毎日の行動の中で活かしていけるよう、しっかり学んでください。 そこで、今日の勉強のテーマは「考えよう やって良いこと 悪いこと」です。 これからいろんな場面のお話をしていきますので、皆さんも一緒に考えてみてください。 まずは、人の物を勝手に持っていくということについて勉強していきましょう。 ここはおうちです。 あなたはとっても欲しいものがありました。でもそれを買うにはお金が足りません。 そんなときにおうちの人のかばんが置いてあり、かばんの中にお財布が入っていました。 おうちにはあなた一人しかいなかったので、そのお財布からお金を勝手に持っていきました。 さあ、これはやって良いことでしょうか悪いことでしょうか。 【子どもたちに聞いてみる】 そうですね。これはやってはいけない悪いことです。 たとえ家族の物であっても。黙って持っていくことはやってはいけない悪いことです。 お金を持っていかれたおうちの人はどんな気持ちになるでしょうか。 【子どもたちに聞いてみる】 同じクラスで隣に座っている友だちの筆箱に、見たことのないカラーペンが入っていました。 使ってみたいと思い、友だちがトイレに行ったとき、お友だちに何も話さないで勝手に持ち出し使いました。 これは、やっても良いことでしょうか。やってはいけない、悪いことでしょうか。 【子どもたちに聞いてみる】 黙って使ってはいけません。「貸して。」と頼み、「良いよ。」と言われてから、借りて使いましょう。 もし勝手に使われたのが自分だったらどんな気持ちになりますか。 【子どもたちに聞いてみる】 本屋さんに行きました。欲しい本が売っています。でも、お金が足りません。 周りに人もいなかったので、お金を払わず本を持ち帰りました。 これは、やって良いことでしょうか。やってはいけない、悪いことでしょうか。 【子どもたちに聞いてみる】 やってはいけない悪いことです。欲しくても「がまんできる、強い心」を持ちましょう。 本を持っていかれた本屋さんはどんな気持ちになったと思いますか。 【子どもたちに聞いてみる】 この時一緒にいたお友だちが、「万引きをしよう。」と、万引きを誘ってきました。 もし君が誘われたら、どんな気持ちになりますか? (嫌な気持ちになるよね、困ってしまうよね。) じゃあ、嫌な気持ちになった君は、万引きに誘われた時どうするかな? 【子どもたちに聞いてみる】 友だちに悪いことを誘われた時は、 ・はっきり、断る。 ・誘ってきた友だちに注意をする。 ・大人に話し、注意をしてもらう。 などの方法を取りましょう。 自分は、悪いことをしない、そして、友だちにも、悪いことをさせないようにしましょう。 友だちに悪いことを誘われたとき、迷ったり、あいまいな返事をしてはいけません。 「悪いことはしない、強い心」を持ちましょう。 友だちに「万引きをするから、見つからないよう、そばにいて。」と頼まれました。 さあ、どうしたら良いと思いますか。 【子どもたちに聞いてみる】 友だちに悪いことを頼まれたときは、 ・はっきり、断る。 ・頼んだ友だちを注意をする。 ・大人に話し、注意をしてもらう。 などの方法を取りましょう。 自分は、悪いことをしない、そして、友だちにも、悪いことをさせないようにしましょう。 また、断ったり、注意ができないときは、「走って逃げる。」「お店の人に言う。」などの方法を取りましょう。 友だちに悪いことを誘われたとき、迷ったり、あいまいな返事をしてはいけません。 悪いことはしない、強い心を持ちましょう。 人の物を勝手に持って行くことは刑法という法律で窃盗罪と規定されています。 つまりどろぼうのことです。 どろぼうって良い人ですか? 違いますよね、悪い人です。 だから、お父さん、お母さんの財布から、黙ってお金を持っていってしまえば、 それがたとえ100円でも「ドロボウ」です。 友だちの筆箱から、鉛筆を黙って持っていっても、それは自分を「ドロボウ」にしてしまう行為です。 人の物を勝手に持っていくということは、自分が自分を「ドロボウ」にしてしまうことになるのです。 そして、万引きです。 万引きとは、お店で、お金を払わないで商品を持っていってしまうことです。 つまり、万引きもドロボウなのです。 自分で万引きをしなくても、友だちが万引きをするときに見張りをするなどの手伝いをする行為も自分が万引きをしたのと同じく犯罪になります。 また、友だちにお願いをして万引きをしてきてもらっても、自分が万引きをしたのと同じ犯罪になります。 だから、「自分でやるのもダメ」、「友だちを手伝うのもダメ」、「そして友だちにお願いをするのもダメ」という3つをしっかり覚えてください。 この3つのことは、万引きだけではなく他の犯罪についても同じです。 人の物を盗む窃盗罪という犯罪はどれくらいの刑罰かというと、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。 懲役というのは刑務所に入るということです。 では、友だちが万引きをした物をもらうことは、やって良いことでしょうか悪いことでしょうか。 【子どもたちに聞いてみる】 友だちから万引きした物をもらうことは、犯罪になり、やってはいけない悪いことです。 持ち主の財産を守るため、盗むことも、盗んだ物をもらうことも犯罪になります。 盗んだ物を買うことも、預かることも、犯罪になるのです。 いつも、「やって良いことか悪いことかを考え、正しい行動」をとりましょう。 次に暴力や暴言について勉強をします。 学校の掃除の時間、ふざけて、ほうきで友だちを叩きました。 これは、やって良いことでしょうか。やってはいけない悪いことでしょうか。 【子どもに聞いてみる】 やってはいけない悪いことです。 叩くことは、暴力で、暴力をふるうことは悪いことです。 このとき、相手は黙っていましたが、どんな気持ちだと思いますか。 【子どもたちに聞いてみる】 黙っていたとしても叩かれている人は、「やめて。」と言えず、我慢をしているかもしれません。 また、笑っているように見えても同じです。 暴力を振るうことは、やめましょう。 そして、いつも、「やって良いことか悪いことかを考え、正しい行動」をとりましょう。 また、友だちが、悪い行為をしているときは、 ・止める。 ・注意をする。 ・止めたり注意ができないときは、先生など大人に話して注意をしてもらう。 などの行動をとりましょう。 先生など大人に話すことは、いけないことではありません。 叩かれている人を助け、叩いた人にも、悪いことをしていたと気づかせることができるのです。 友だちに悪いことを繰り返させないため、大人に相談することも忘れないでください。 友だちが約束を破ったので、頭にきて、友だちを突き飛ばしました。 これはやって良いことでしょうか悪いことでしょうか。 【子どもたちに聞いてみる】 やってはいけない悪いことです。いくら相手が悪くても、相手に暴力を振るうことはしてはいけません。 では、こんなときはどうすれば良いですか? 【子どもたちに聞いてみる】 このようなときは、暴力を振るうのではなく、相手とちゃんと話をしましょう。 人に暴力を振るう行為は、暴行罪や傷害罪という犯罪になります。 暴力を振るった結果、相手がケガをしなかったときは暴行罪、ケガをしたときは傷害罪となります。 でも、相手に暴力を振るうという行為は変わりありません。 このような暴力を振るう行為は、ほとんどがその場の感情を抑えることができないでやってしまっています。 だから、もし自分が興奮をしてしまったときに相手に暴力を振るわないように、どうすれば冷静になれるかということは、常に自分で考えておくことが大切です。 「こぶしを強く握る」とか「相手を見ないようにする」、「その場を離れる」等自分なりの方法を考えておいてください。 ※拘留・・・軽い刑罰に対する刑の一つ。30日未満の日数に限って、刑務所にとどめおくこと。労役はさせない。 ※科料・・・軽い罪を犯した者に、罰として出させるお金。(千円以上一万円未満) 友だちと言い合いになり、腹が立ちました。 イライラした気持ちが治まらず、学校のロッカーを蹴飛ばして、扉をへこませました。 友だちが自分の悪口を言っていると知り、その友だちのノートを破きました。 約束を破った友だちの教科書に、マジックで「バカ!」と、いたずら書きをしました。 これは、やって良いことでしょうか。やってはいけない悪いことでしょうか。 【子どもたちに聞いてみる】 やってはいけない悪いことです。 友だちにムカッとしたり、先生にムカッとしたりしたら、何かを壊したりするのではなく、誰かと話してみましょう。 今日このあと、すごく腹の立つことがあったとします。あなたはどの大人だったら話をすることが出来ますか。 【子どもに考える間を与える】 この先生だったら話せるな、という先生を見つけておきましょう。 人の物を壊すという行為は、器物損壊罪になります。 他人の持ち物を破いたり、壊したり、汚したりすれば、持ち主は、いつものように使えなくなります。 やられた人の気持ちを考え、「自分がされたら嫌なこと」「人の心を傷つけるような行動」は、絶対にやめましょう。 「相手の気持ちを考えて行動する、思いやりの心」を持ちましょう。 では、ちょっと心の中で思い出してください この中にも人の悪口を言ったり、インターネットに悪口を書いたりすること、したことがある人も、されたことがある人もいるのではないでしょうか。 どんな気持ちにさせてしまったか、自分がどんな気持ちになったか頭の中で考えてください。 【子どもたちに考えさせる間を与える】 これは、絶対にやってはいけない悪いことです このように人の悪口を言ったり、インターネットに悪口を書く行為は、名誉棄損罪や侮辱罪になります。 そして、悪口を言ったり、書いたりすることで、相手の心を傷つけてしまったときは傷害罪になる場合もあります。 身体のケガも、心のケガも、ケガには違いありません。 言葉の暴力で人の心を傷つければそれは傷害罪になる可能性があります。 次に性的な問題について勉強します。 学校の教室や公園など、普段人が服を着ている所で、自分の裸を見せることはやって良いことでしょうかやってはいけない悪いことでしょうか。 【子どもたちに聞いてみる】 やってはいけない悪いことです。 普段人が服を着ている場所で自分の裸を見せる行為は、公然わいせつという犯罪になります。 たとえばすれ違いざまに、女子の胸をポンと叩いたり、エッチなことを言って相手を嫌な気持ちにさせることはやって良いことでしょうか。 やってはいけない悪いことでしょうか。 【子どもたちに聞いてみる】 やってはいけない悪いことです。 身体を触られた子は、とても嫌な気持ちになります。 ショックを受けたり、強い怒りを感じたり、外に出るのが怖くなる子もいます。 また、エッチなことを言って相手を嫌な気持ちにさせることも一緒です。 このような行為は、刑法の暴行罪や神奈川県迷惑行為防止条例の卑わい行為の禁止という犯罪になる場合があります。 遊びや悪ふざけでも、人を恥ずかしい気持ちにさせることはやらないようにしましょう。 相手に暴力を振るったり、脅したりして相手の胸などを触ることも、絶対にやってはいけない悪いことです。 このように、相手を怖がらせたりして無理やり胸などを触る行為は、強制わいせつという犯罪になります。 友だちの裸の写真を撮ることはやって良いことでしょうか、それともやってはいけない悪いことでしょうか。 【子どもに聞いてみる】 やってはいけない悪いことです。 遊びやいたずら、悪ふざけで友だちの裸の写真を撮影してしまう人がいますが、このような行為は、例え相手が同意をしていたとしても、児童買春、児童ポルノ法違反という犯罪になります。 この法律では18歳未満の児童の裸の写真を撮影すること、裸の写真をインターネット上にのせたりすることを禁止しています。 また、状況によっては、刑法の強制わいせつ罪や強要罪という犯罪になることもあります。 今まで、いろんな犯罪について勉強をしてきました。 では、犯罪を犯したらどうなりますか。 そうですね、警察に捕まります。 警察は、悪いことをした人を捕まえるところです。 悪いことをした人は大人でも子どもでも捕まります。 もし、子どもの皆さんが犯罪を犯して警察に捕まったら、皆さんのおうちの人が警察に呼ばれます。 おうちの人は、皆さんが嘘をついたり、約束を守らなかったときなどは、叱ったり、注意をすると思います。 それは、「良い子に育って欲しい。」と願い、注意をしているのです。 そして、おうちの人は、みなさんのことを「良い子だ。」と信じています。 それなのに、警察に捕まるような犯罪を犯していたと知ったときは、とても残念で、悲しい思いをします。 自分のことで、おうちの人が、悲しんだり、心を痛めてもいいですか。 おうちの人を裏切る行為はしない、「家族を思いやる心」を持ちましょう。 そして、犯罪を犯せば逮捕されることもあります。 そして、警察は捕まえて終わりではなく、その後は厳しい取り調べをします。 警察に捕まって一番嫌な思いをするのは誰ですか? そうです、捕まった人自身です。 だから、皆さんがこんな風に嫌な思いをしないために、そして自分を大切にするために大事なことが「ルールを守る」ということです。 今日は、いろいろな行動が、「やってはいけない悪いこと」であったり、「犯罪になる」ということを学んだので、皆さんは、「やって良いことか、悪いことかを考え、判断する力」が、しっかり、身についたと思います。 私たちの暮らす社会の中には、沢山の法律やルール、マナーがあります。 その法律やルール、マナーをみんなが守るからこそ、誰もが、安全、安心で気持ちよく生活ができるのだということを忘れないでください。 ルールを守ることで、自分を大切にすること、大切な人を守ることができるのです。 皆さんならもう大丈夫だと思いますが、こんなことはしていませんか? このような行為は、一つ一つは些細なことで、それ自体すぐには犯罪とはなりませんが、ルール違反を続けてしまうと、「ドロボウ」や「暴力行為」、「性的な、エッチな問題」に発展してしまうかもしれません。 自分の問題として考え、これからの自分に生かしてください。 自分を大切にするために、三つの大切なことについてお話します。 ・やって良いことか、悪いことかを考え、正しい行動をとる。これに必要なことは、「考える力」です。 ・他人の気持ちを考えて行動する。 これは、「思いやりの心」です。 ・悪いことはしない、悪いことに流されない、強い心を持つ。 これは、「心の強さ(意思の強さ)」です。 これらは、人として、とても大切なことです。しっかり身につけ、素敵な大人に成長して欲しいと願っています。 悪いことをしそうになったとき、悪い方向に流されそうになったときは、悪いことをする前に、一旦、立ち止まりましょう。 そして、もし、自分が悪いことをしたらどうなるか、次のことを想像してみましょう。 ・もし、自分が相手の立場だったら、どのような思いをするのだろうか。 ・おうちの人は、被害者に対して、どのような思いで謝るのだろうか。 ・友だちは、自分のことをどのように思うだろうか。 周りの人に、つらい思いや悲しい思いをさせないためにも、「悪いことはしない、悪いことに流されない、強い意思」を持ち、自分を大切にしてください。 もし、困ったことがあったり、いつもと違う状況になって不安を感じたら、迷わずおうちの人や学校の先生方に相談してください。 たくさんの大人がみなさんを見守っていますので、困ったことがあればすぐに大人に相談をするようにしてください。 もし、友達が相談できずに困っていたら、被害や危険がもっと大きくなる前に、一緒に大人のところへ相談に行ってあげてください。 今日の勉強はこれで終わりにします。