考えよう やって良いこと 悪いこと ネットの利用。これって、犯罪?(中・高校生用) 作:神奈川県警察本部少年育成課 小島久美子 絵:神奈川県警察本部少年育成課 平野洋子 【 はじめ 】 今日は、「考えよう。やって良いこと、悪いこと。ネットの利用。これって、犯罪?」と題し、皆さんと一緒に、携帯電話やパソコンを使ったインターネットの利用の問題について、考えていきたいと思います。 これから、携帯電話やゲーム機、パソコンを使った行動例から、問題を出します。 皆さんは、それぞれが 「悪くないこと」か、 「悪いこと」か、それとも 「悪いことの中でも犯罪になること」か どれに該当するかを判断したり、 「その場面に遭遇した人の気持ち」や 「自分だったらどうするか」 などについて、考えてください。 ※授業が始まる前に「やって良いことか、悪いことか、 判断する力を持つ」「他人の気持ちを考えて行動する」「悪いことはしない、悪いことに流されない、強い意思を持つ」の三枚を黒板に貼る。 それぞれの行動例が、犯罪に該当する場合は、法律名などについても、簡単に解説します。 皆さんは、この授業の後には、携帯電話やゲーム機、パソコンを使うときの注意点を理解して、「やって良いことか悪いことかを判断する力」が、しっかりと身につくと思います。また、「他人の気持ちを考えて行動する」思いやりの心や、「悪いことはしない、悪いことに流されない、強い意思を持つ」ことの大切さについても、再確認できると思います。 しっかりと勉強し、日々の行動の中で生かしていきましょう。 それでは、「考えよう。やって良いこと、悪いこと。ネットの利用。これって、犯罪?」の授業を始めます。 ※ 参加型で行うと効果的です。 ※ 指導者が、ランダムに二人位を指し回答を求める方法は、生徒にも緊張感が生まれ、集中が続きます。答えられない人には、「ちょっと、難しいかな。」などと声をかけ、打ち切りましょう。 ※ 全体に「答えてくれる人。」と挙手を求める方法は、学年が上がるほど、特定の生徒しか手を上げず、参加意識が弱まります。 【場面 1】 場面の説明 メールがきたので、確認すると、 「今すぐ、このメールを五人に転送しないと、あなたは犯人として報復されます。」というような内容だったので、友達五人に転送した。 質問 五人に転送したことは、「悪くないこと」「悪いこと」「悪いことの中でも犯罪になること」のどれに該当するでしょうか。 ○ 数名に聞く。又は、全員に挙手を求める。 解説 答えは、「悪いこと」です。 このようなメールは、チェーンメールと呼んでいますが、迷惑メールの一種です。メールを送られた人の気持ちを考えてみましょう。不安な気持ちになったり、迷惑にも感じるでしょう。 質問 では、このような、メールがきたときは、どうすれば良いでしょうか。 ○ 数名に聞く。 解説 転送してはいけません。自分のところで、止めて下さい。また、先生にも伝え、学校の中で、次々に転送されないよう、生徒全員に、注意を促してもらうことも、大切なことです。警察では、転送しなかったために、危害を加えられたという相談を受けたことはありません。また、インターネットの仕組み上、メールの送り主は、「メールの転送を誰が止めたか。」を知ることはできません。だから、転送しなくても大丈夫なのです。 他人に迷惑をかけないためにも、「やって良いことか、悪いことかを判断する力」を持ちましょう。 【指す】「やって良いことか、悪いことか、 判断する力を持つ」 このようなメールを受け取り、転送しないと不安だという人は、チェーンメールを受け取ってくれる転送先があります。 「チェーンメール転送先アドレス」を検索し、そこに送りましょう。 【場面 2】 問題です。 場面の説明 昨日のテレビで見たドラマが、とても面白く、友達に話をすると、「見損ねた。見たかった。」と残念がっていました。 丁度、そのドラマを録画していたので、友達が都合の良い時間に見れるように、ファイル共有ソフトに保管し、そのことを友達に教えてあげました。 問題 「ファイル共有ソフト」って、何だか分かりますか。 ○ 数名に聞く。 解説 ファイル共有ソフトというのは、インターネットを通じ、パソコンの利用者同士が、お互いの、さまざまなファイルを共有できるソフトです。つまり、それぞれ、個人が持っている情報をそこに保管することで、そのソフトの利用者が、見たり、取り込んだりできるものなのです。 問題 このように説明すると、ファイル共有ソフトは、とても、便利に感じますが、実は、大変な危険が潜んでいます。 どのような危険が潜んでいるのでしょうか。 ○ 数名に聞く。 解説 ファイル共有ソフトの利用から、コンピューターウィルスに感染することがあります。 【場面 3】 解説 コンピューターウイルスは、感染すると、直ぐに、そのパソコンを使えなくしてしまう場合があります。逆に、しばらくしてから、勝手に動き出し、何の操作もしていないのに、パソコンにメール登録してある友達に、ウィルス付きのメールを送って、友達のパソコンまで使えなくしてしまう場合もあります。また、自分の大切な情報が、勝手にインターネット上に流れてしまう場合があります。  以前は、技術を誇示するかのように、突然、パソコンが使えなくなるようなウイルスが主流でしたが、最近のウイルスは「見えない化」が進んでいて、  ・ウイルスに感染しているかどうか、見えない。  ・どの情報が盗まれたか、見えない。  ・どこに情報が流れているか、見えない。 という現状があります。  ファイル共有ソフトだけでなく、心当たりのないメールや、興味をそそる掲示板などにも、ウイルスが潜んでいることがあります。  自分の大切な情報が盗まれないよう、ファイル共有ソフトの利用や、知らないメールや掲示板へのアクセスには、十分、注意しましょう。 【場面 4】 問題 では、テレビでやったドラマをファイル共有ソフトに保管することは、「悪くないこと」「悪いこと」「悪いことの中でも、犯罪になること」のどれでしょうか。 ○ 数名に聞く。又は、全員に挙手を求める。 解説 答えは、著作権法違反という犯罪になります。 【示す】「著作権法違反」(親告罪) 理由は、映画や音楽のデータを保管すれば、コピーが繰り返され、作成者の権利が侵害されてしまうからです。 著作権法違反や肖像権を侵害しないために、他人が創作した作品、音楽、その他、アイドルの写真やキャラクターの写真などを勝手に公開することはやめましょう。 「やって良いことか、悪いことかを判断」し、正しい行動をとりましょう。 【指す】「やって良いことか、悪いことか、 判断する力を持つ」 【参考】 ・ 著作権法第一一九条第一項 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(以下、省略)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 著作権法第一一九条第一項 ・ 意匠権又は専用実施権を侵害した者(以下、省略)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 【場面 5】 問題です。 場面の説明 ふざけて、インターネットの掲示板に「明日、○○小学校で悪夢が。子どもを襲います。」と書き込みをした。 質問 書き込みを見た学校は、どのような対応をとるでしょうか。 ○ 数名に聞く。 解説 子どもの安全を守るため、警察に連絡をして、多くの警察官に警戒を頼むかもしれません。また、臨時休校を考えるかもしれません。 質問 では、このように書き込むことは、「悪くないこと」「悪いこと」「悪いことの中でも犯罪になること」のどれに該当するでしょうか。 ○ 数名に聞く。又は、全員に挙手を求める。 解説 答えは、「犯罪になること」です。 刑法の業務妨害罪、脅迫罪などの犯罪になります。 【示す】「業務妨害罪」「脅迫罪」 警察の業務や、学校の授業を妨害すると、業務妨害罪になります。個人名をあげて、脅かすような内容を書き込むと、脅迫罪になることがあります。犯罪になる場合は、警察が捜査をするので、書き込んだ人が分かります。そして、実際に、このような書き込みで、中学生や高校生も、警察に捕まっています。インターネットへの書き込みは、簡単にできる行為ですが、内容によっては、人を傷つけたり、たくさんの人に迷惑をかけ、犯罪になることがあります。 「書き込んでも良い内容か、悪い内容かを判断」し、正しい使い方をしょう。そして、「悪いことはしない、悪いことに流されない、強い意思」を持ちましょう。 【指す】「やって良いことか、悪いことか、判断する力を持つ」「悪いことはしない、悪いことに流されない、強い意思を持つ」 【参考】 ・ 業務妨害罪 刑法第二三三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 ・ 脅迫罪 刑法第二二二条第一項 生命、身体、自由、財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。 【場面 6】 問題です。 場面の説明 携帯電話から、出会い系サイトに「女子中学三年生です。三万円で援助交際します。メールください。」という意味の書き込みをしました。 質問 このように書き込むことは、「悪くないこと」「悪いこと」「悪いことの中でも犯罪になること」のどれに該当するでしょうか。 ○ 数名に聞く。又は、全員に挙手を求める。 解説 書き込む行為は、犯罪になります。 いわゆる、「出会い系サイト規制法」の「禁止誘引行為」という犯罪になります。 【示す】 「出会い系サイト規制法違反」 援助交際などするつもりはなく、「何件のメールが返ってくるか。」と、好奇心から書き込んだだけでも、書き込む行為自体が違反行為なので、警察に捕まります。 実際に、多くの中学生や高校生が警察に捕まっています。男女別では、女子が多いのですが、男子も捕まっています。 出会い系サイトの利用者は、性交渉を目的にしている人も多く、言葉巧みに近づいてきます。 「やって良いことか、悪いことかを判断」し、正しい行動をとりましょう。 そして、好奇心や興味だけで行動せず、「悪いことはしない、悪いことに流されない、強い意思」を持ちましょう。 【指す】 「やって良いことか、悪いことか、 判断する力を持つ」「悪いことはしない、悪いことに流されない、強い意思を持つ」 【参考】 ・ インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(いわゆる「出会い系サイト規制法」)第六条 何人も、インターネット異性紹介事業を利用して、次に掲げる行為をしてはならない。 ・ 禁止誘引行為 いわゆる「出会い系サイト規制法」第六条四号 対償を受けることを示して、人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること。(百万円以下の罰金に処する。) 【場面 7】 問題です。 場面の説明 友達関係でモメてしまい、自分のプロフに悩みを書き込んだところ、一六歳の女子高生という人が親身になってアドバイスをしてくれて、救われる思いがしました。その人とは、アイドルの話でも盛り上がり、意気投合しました。友達関係のことで、もっと、相談に乗って欲しいと思っていたとき、「住んでいるところも近いし、日曜日に会って、ゆっくり話をしよう。」と誘われました。 質問 皆さんだったら、こういうとき、どうしますか。 ○ 数名に聞く。 質問 では、その人と会うことは、「悪くないこと」「悪いこと」「悪いことの中でも犯罪になること」のどれに該当するでしょうか。 ○ 数名に聞く。又は、全員に挙手を求める。 【場面 8】 では、説明をする前に、もう一問、質問します。 場面の説明 「会おう。」という誘いを断ったところ、「こんなに、心配しているのに、断るなんて酷い。自分を信じてくれないなら、今までの話をネットでバラすよ。」などとこれまで、その人には、自分が友達に嫌われているのではないかという不安や、自分は努力しているのに、友達は分かってくれないことへの不満など、細かいことまで相談していました。だから、その内容がバレたら、余計に、友達関係がこじれてしまい、学校にも行きづらくなるので、バラされるのだけは困ると思いました。 質問 皆さんだったら、こういうとき、どうしますか。 ○ 数名に聞く。 解説 ネットで知り合った人とは、絶対に会ってはいけません。会うことは、「悪いこと」です。このような場合、警察に「脅かされている。」と相談するのも、一つの方法です。 【場面 9】 解説 ネットの世界では、二五歳の男性が「自分は一六歳の女子高校生です。」と、年齢や性別を偽って書き込んでも分かりません。そして、会ってから、「嘘をついていたけれど、本当に心配していたんだ。」などと言い、断りづらい雰囲気を作られ、性的な被害を受けるという事案が、実際に、とても多く起きています。 また、ネットで知り合った人に会い、トラブルに巻き込まれ、殺されたという事件も、全国的に見ると起きています。 ネットの世界は、バーチャル世界、つまり、仮の世界です。相手が良い人か悪い人かは、書き込みの内容だけでは分かりません。良い人も大勢いますが、悪い人は、何を考え、たくらんでいるか分かりません。だから、ネツトで知り合った人とは、絶対に会ってはいけないし、書き込む内容にも、気をつけなくてはならないのです。 警察は、訴えがあれば、捜査をして、相手を捕まえますが、被害を受けた人は、心や身体に深く傷が残り、人間不信に陥ってしまうこともあります。また、被害を受けたことすら、誰にも言えずに自分だけで抱えこみ、苦しんでいる人もいます。 そのときだけでなく、後から起こるトラブルのことも想像し、「書き込んでも良い内容か、悪い内容か」「やっても良い行動か、悪い行動か」その都度、しっかり判断しましょう。 【指す】 「やって良いことか、悪いことか、 判断する力を持つ」 【場面 10】 質問 では、悩みがあるときは、どうすれば良いのでしょうか。 ○ 数名に聞く。 解説 悩みのあるときや、辛いことがあるときは、一人きりで悩んだり、苦しんだりせず、周りの誰かに相談しましょう。ただし、ネット上での相手の話は、参考程度にとどめましょう。また、ネット上の相手に、自分や周りの人のプライバシーに係る内容を伝えることは、絶対にやめましょう。 悩みがあるとき、仲の良い友達に相談する人が多いと思いますが、解決の糸口が見つからないときは、おうちの人や先生、専門の相談機関など、信頼できる大人を頼って下さい。教育委員会や役所、警察など、公的機関が行っている電話相談は、匿名で相談することもできます。そこには、きっと、分かってくれる人がいるはずです。 大人は、皆さんが、元気に健やかに生活することを一番に願っています。辛いときは、決して、一人では、抱え込まないで下さい。 【場面 11】 問題です。 場面の説明 ちょっと、気になる広告があったので、一回だけクリックしたら、いきなり「会員登録が完了しました。登録料として、三万円を振り込んでください。」と、料金を請求されました。でも、そんなに、お金はないし、親に相談したら怒られると思い、支払いをしないことにしました。 問題 料金を請求されているのに、支払わないことは、「悪くないこと」「悪いこと」「悪いことの中でも犯罪になること」のどれに該当するでしょうか。 ○ 数名に聞く。又は、全員に挙手を求める。 問題 では、何度も請求されたが無視を続けていたところ、「振り込まなければ、法的手段をとります。その場合、手数料五万円を加算します。」とメールが届きました。このようなとき、皆さんだったら、どうしますか。 ○ 数名に聞く。 解説 これは、ワンクリック詐欺と呼ばれている犯罪です。料金を支払わないことは、「悪くないこと」で、「正しい行為」です。 架空請求やワンクリック詐欺に遭ったときは、絶対に支払ってはいけません。脅迫的な文章になってきたり、裁判所や弁護士を装うこともありますが、無視をすることが大切です。心配なときは、警察や消費生活センターに相談しましょう。 また、携帯電話番号など、個人情報を知らせることも、やってはいけません。新たな架空請求を招くことになります。 問題 何回かクリックしてしまい、更に、相手方に、個人情報を知らせたことで、裁判所や弁護士から郵便物が届きました。 このようなとき、皆さんだったら、どうしますか。 ○ 数名に聞く。 【場面 12】 解説 裁判所や弁護士から郵便物が届いたときは、大人に相談しましょう。 正規の支払督促が送られてきたり、相手方が少額訴訟制度を利用し、こちら側が出頭に応じないことで、相手方の訴えが認められ、支払いを命じられる場合があります。 このようなトラブルに巻き込まれないために、興味があっても、あやしいサイトや広告にクリックしない自制心、つまり、我慢する力が大切です。「アクセスしても大丈夫なサイトか、そうでないサイトか判断する力」を持ち、「興味本位でアクセスしない、強い意思」を持ちましょう。 【指す】 「やって良いことか、悪いことか、 判断する力を持つ」「悪いことはしない、悪いことに流されない、強い意思を持つ」 【参考】 ・ 少額訴訟制度 金額が六十万円以下の金銭の支払いを求める訴えについて、その額に見合った少ない費用と時間で紛争を解決する訴訟制度です。通常の裁判と違い、手間をかけずに迅速に裁判ができ、弁護士に依頼する必要もありません。各地の簡易裁判所で裁判が行われており、原則として、その日のうちに審理を終え、判決が出されます。 【場面 13】 では、ネットではなく、携帯を使った写メの問題です。 場面の説明 休み時間、ふざけていたとき、一人が、同級生のズボンを引っ張りおろしました。「やめてくれよ。」と言われましたが「良いじゃないか。せっかくだから、写メ、撮らせろよ。」と言い、嫌がっていましたが、遊びの延長で、同級生の下半身の写真を撮影し、携帯電話のメモリーに保存しました。 問題 これは、「悪くないこと」「悪いこと」「悪いことの中でも犯罪になること」のどれに該当するでしょうか。 ○ 数名に聞く。又は、全員に挙手を求める。 解説 答えは、「犯罪になること」です。 無理やり、恥ずかしい姿にさせられているので、写メで撮影しなくても、刑法の「強要罪」という犯罪になります。また、写メで撮影した行為は、いわゆる「児童買春、児童ポルノ法違反」の「児童ポルノ製造」という犯罪になることがあります。男女に関係なく、中学生の、何も身につけていない裸をケータイやデジカメ、ゲーム機などで撮影し、その画像を保存することは、児童買春、児童ポルノ法違反になることがあります。無理やりではなくても、同じです。 【示す】 「強要罪」「児童買春・児童ポルノ法違反」 問題 では、この場合、写メを撮られた人は、どのような気持ちかを考えてみましょう。 ○ 数名に聞く。 解説 友達の中には、とても嫌な思いをしていても、その場の雰囲気を壊さないため、我慢をして笑っている人がいます。行動する前に、「自分がされて嫌なことではないか。」と、自分に置き換えて考えてみましょう。 もし、その画像が、インターネット上に流れてしまえば、コピーが繰り返され、消去が難しくなり、友達は、生涯、その画像に怯えることにもなりかねません。 「その行為が、相手を傷つけることにならないか。」「やって良いことか、悪いことかを判断する力」を持ち、「相手の気持ち」つまり「他人の気持ちを考えて行動する」ことができる、思いやりの心を持ちましょう。 【指す】 「やって良いことか、悪いことか、 判断する力を持つ」「他人の気持ちを考えて行動する」 【参考】 ・ 強要罪 刑法第二二三条第一項 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し外を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。 ・ 児童ポルノ製造 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律第七条第三項 前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第一項(三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金)と同様とする。 【場面 14】 問題です。 問題 ここでは、正しく健やかに成長していると信じていた自分の子どもが、警察に捕まるような犯罪を犯したと知ったときの、親の気持ちを考えてみましょう。警察から連絡を受けた親は、どのような気持ちになるでしょうか。 ○ 数名に聞く。 解説 お父さん、お母さんは、皆さんが、立派な大人に成長するよう、心から願っています。だから、ときには、厳しく叱ることがあると思います。そして、これまで、一生懸命に育ててきた自分の子どもを「良い子だ。」と信じています。その信じていた我が子が、警察に捕まるような犯罪を犯していたと知ったときは、とても残念で悲しい思いをします。 問題 自分が悪いことをしたことで、親が、悲しんだり、心を痛めたとしたら、悲しませた本人は、どのような気持になるでしょうか。 ○ 数名に聞く。 解説 きっと、自分自身の行為について、後悔することになると思います。 携帯電話やゲーム機、パソコンは、とても便利で、手軽に使えますが、軽はずみな使い方をすると、危険なワナにはまって被害者となったり、書き込む内容によって、加害者になることもあるということが、理解できたと思います。 皆さんの親は、みなさんの、安全、安心のために、ケータイを持たせている。間違った使い方はしないと信じ、ゲーム機、パソコンを使わせている。そして、「自分の子どもは、親の信頼を裏切るような行為は絶対にしないと、信じている。」ということを忘れないで下さい。「親の気持ちを考えて行動する」ことのできる、優しい心を持ちましょう。 【指す】 「他人の気持ちを考えて行動する」 【まとめ】 皆さん、どうでしたか。 今日は、携帯電話やゲーム機、パソコンを使うときの注意点について学びました。携帯電話やゲーム機、パソコンは、とても便利ですが、いろいろなルールやマナーを守ることは大切なことです。それから、相手方の信頼度を見極めることも重要です。 ネットへの書き込みは、全て、情報の発信であり、そこには、発信者としての責任が伴います。ネット利用者としての責任を自覚し、「やって良いことか、悪いことかを判断する力」を身につけ、正しい使い方をしましょう。 【指す】 「やって良いことか、悪いことか、 判断する力を持つ」 また、この勉強を通して、おうちの人や友達など、「他人の気持ちを考えて行動する」思いやりの心、優しい心の大切さについて、再確認ができたと思います。 「他人の気持ちを考えて行動する」 悪いことをしそうになったとき、悪い方向に流されそうになったときは、一旦、立ち止まり、もし、自分が悪いことをしたらどうなるか、次のことを想像してみましょう。 ・ もし、自分が相手の立場だったら、どのような思いをするのだろうか。 ・ おうちの人は、どのような気持ちになるだろうか。 ・ 友達は、自分のことをどのように思うだろうか。 まわりの人に、つらい思いや悲しい思いをさせないためにも、自分を大切にするためにも、「悪いことはしない、悪いことに流されない、強い意思」を持ち、自分自身をコントロールして下さい。 「悪いことはしない、悪いことに流されない、強い意思を持つ」 三つの大切なこと ・ やって良いことか、悪いことかを判断する力を持つ。 ・ 他人の気持ちを考えて行動する。 ・ 悪いことはしない、悪いことに流されない、強い意思を持つ。 これらは、人として、とても大切なことです。 「考える力」「思いやりの心」「意思の強さ」をしっかり身につけ、素敵な大人に成長して欲しいと願っています。 【はじめの画面に戻る】 それでは、これで、「考えよう。やって良いこと、悪いこと。ネットの利用。これって、犯罪?」の授業をお終いにします。 おしまい