神奈川の警察 Kanagawa Prefectural Police 2024 県民の 安全安心を 守る 〈 特集 〉神奈川県警察創立150年 表紙の写真は昭和24年に撮影された、当時の寿警察署の若い警察官です。 〈特集〉神奈川県警察創立150年 ー写真で見る古の県警察ー ○警察本署 明治7年6月、現在の横浜地方裁判所と横浜公園の中間の場所に、当時、邏卒(らそつ)と呼ばれた、警察官の総合拠点として設けられました。 ○明治時代の警察官の制服姿の写真 ○県会議事堂 各府県に警察本署長(現在の警察本部長相当)が置かれることとなり、組織の整備の推進とともに、警察の担う業務比重が重くなり、明治17年3月1日、県庁敷地内に建設された「県会議事堂」内に場所を移し、「警察本署」として警察本部の機能を持つこととなりました。 ○明治から大正時代にかけて着用されていた警視の正装です。天皇陛下との謁見や、国家行事への参加などに用いられたもので、金モールの肩章や各種の勲功章等を装着した様子は、カイゼル髭と相まって、威厳に溢れています。 ○県庁前での総合点検(昭和13年10月) 現在でも、警察署ごとに装備品や車両などの点検を行っていますが、当時は、このように大規模に行われていました。また、パトカーなどの車両はまだ無かったので、騎馬隊が整列して点検を受けています。 ○戦後の昭和27年頃のパトロールの様子です。警察官が米軍人とともに、伊勢佐木町5丁目付近を見回っているところです。 ○昭和23年から続いた「国家地方警察と自治体警察」の2本立ての体制が、昭和29年7月1日、新警察法の施行に伴って統一され、現在の形の「神奈川県警察」が発足しました。この写真は、新たに庁舎に掲げる看板を、制作している様子です。 ○昭和31年7月創立2周年記念として車両を連ねてのパレードが行われました。先頭を走るジープには、「神奈川1号」と表記されています。 ○上の写真の、車列でのパレードから5年経った昭和36年末、日本初の、県警によるビューグル隊(金管楽器や打楽器を演奏して行進を行う)が誕生し、パレードはNHKで放映され、全国に紹介されました。 ○昭和39年7月、新警察法施行後、初めて採用された婦人警察官です。着用しているのは、当時の夏の制服です。 ○昭和40年12月、全国で初めて採用されたスポーツカータイプのパトカーです。 ○昭和40年代後半頃の通信指令室。当時は、1日に約400件の110番を受理していました。現在は約3,000件と7倍ほどに増加しています。 一部写真提供:神奈川新聞社 神奈川県警察は、今までも、これからも、県民の皆様の安全安心を守って参ります。 総務部・サイバーセキュリティ対策本部 ○広報県民課 ・警察広報の推進 ー伝統を守りつつ新たな手法を求めてー  広報県民課では、皆様に、警察の業務に親しんでいただくための警察広報活動を行っています。警察活動を取材しての部外広報誌の作成、常に新たな情報を正確にお伝えするホームページの管理、また、多くの小学生や一般の皆様に、警察本部庁舎や警察官の業務をご説明する見学案内業務、更に、県警公式YouTubeや公式InstagramなどのSNSによる情報発信施策、音楽隊の演奏活動などを通じて、広く警察活動についての発信を行っています。  今年は、県警察創設150年に当たり、年間を通じて県警察の歴史なども御紹介してまいります。  昭和46年5月22日 県警音楽隊初の定期演奏会を開催した当時の写真  SNS施策の一つであるInstagramとYouTubeの二次元コード ○サイバーセキュリティ対策本部 ・サイバー空間における犯罪被害を防ぐ  皆様の生活に欠かすことのできないサイバー空間では、偽ショッピングサイトによる詐欺などの様々なサイバー犯罪が発生しています。  こうしたサイバー犯罪の被害を防止するため、サイバーセキュリティ対策本部では、企業に対するセミナーや、小中高校における防犯教室の開催、様々なイベントの場やデジタルサイネージの活用を通じ、県民の皆様への啓発活動を推進しています。 警務部 ○採用センター ・未来の治安を担う優秀な人材を求めて  警務課採用センターでは、各警察署・機動隊・音楽隊・科学捜査研究所等と連携し、警察官や警察職員を目指している皆さんに、より興味を深めていただけるよう、様々な職業体験を行っています。  対面のほか、オンラインによる業務説明会も行っており、遠方にお住いの方でも参加することが可能です。  災害現場で活動した機動隊員が、仕事のやりがいを説明します。模擬現場での様々な装備資機材を体験することができます。  楽器演奏経験者からの「音楽隊員と一緒に合奏してみたい」とのニーズに応え、合奏が実現しました。 ○被害者支援室 ・被害者の視点を大切に ー傷ついた心に寄り添うー  犯罪被害者や、そのご家族を支援するための各種活動、そして、これらの方々を支える地域社会をつくるための広報・啓発活動を行っています。  犯罪被害者や、そのご家族を支援するため、県、県警、神奈川被害者支援センターの三者が一体となり、ニーズに沿い、途切れなくきめ細かな支援活動を進め、被害者の抱える問題の解決に努めています。 生活安全部 ○生活安全総務課 ・特殊詐欺被害防止対策の推進  「常時留守番電話に設定」「迷惑電話防止機能付き電話機の活用」を呼びかけ、デモ機による迷惑電話防止機能の使用体験を行うイベントブースの写真  令和5年中、神奈川県内における特殊詐欺の発生件数は2,024件、金額にして約45億7,000万(暫定値)もの被害が発生しました。  犯人からの「騙しの電話」のほとんどが、家庭の固定電話にかかってきていることから、「犯人と電話で話さない」ことが何よりの被害防止方策であり、具体策として、県民の皆様に向け、「留守番電話の常時設定」や「迷惑電話防止機能付き電話機の普及促進」等に関する取組を推進しています。 ○少年育成課 ・薬物乱用防止対策の推進  警察に出向中の教諭による薬物乱用防止講話の写真  イベントでの薬物乱用防止広報車による展示の写真  令和5年中、県内で薬物事犯により検挙された少年は97人で、近年は高水準で推移しています。  また、検挙された少年のうち、「大麻取締法違反」が78人と全体の80.4%を占め、少年による大麻乱用が社会問題になるなど、少年を取り巻く環境は依然として憂慮すべき状況にあります。  県警察では、県内の学校等において、警察官等による講話や、薬物の標本・パネル・啓発DVDなどの資料を展示する薬物乱用防止広報車による広報啓発活動を行っています。  少年育成課公式X(旧Twitter)@KPP_ikusei ・子供の安全対策の推進 地域の大人の協力で、見守りの空白地帯をなくそう ー「ながら見守り」の普及促進ー  水やりをしながら・ランニングをしながら・犬の散歩をしながら・買い物をしながら・ウォーキングしながら  登下校中の児童の安全を守るためには、地道に活動されている防犯ボランティア団体の活動と併せて、見守りの空白地帯を少しでも減らすことが必要とされています。  そのため、生活安全総務課では、住民の皆様が犬の散歩、花の水やり等の日常生活や、平素からの事業活動を行いながら、児童の見守り活動等を行っていただく「ながら見守り」の普及促進に努めています。  この活動は、特別な時間の捻出や準備を必要とせず、地域住民の皆様に、気軽に「ながら見守り」に参加していただくことで、子供たちの環境が、より安全で安心なものになることを目指しています。  「できる時に できることを できる人が できるところで 危険なく」 何の決まり事もないのが、「ながら見守り」です。 ・自分の身を守ることの大切さを知ってほしい ~「こども警察手帳」の制作 ~  子供の自主防犯意識の高揚等を目的として、実際の警察手帳をもとに、記章などをイラストにしたペーパークラフト「こども警察手帳」を制作しました。  「こども警察手帳」の中には、「こども警察あんぜん隊」の名刺や、防犯・交通安全に関する知識の習得に役立つカード等が入るようになっており、カードを見ることで子供自身の防犯意識が高まることに加え、家族や地域の方々に、子供が自ら防犯・交通安全に関するカードを見せて注意喚起を行うことで、大人と子供の交流による、学びの相乗効果を得てほしいとの願いを込めて作成しました。  「こども警察手帳」は、神奈川県警察のホームページから直接印刷していただくかダウンロードし、御家庭、学校等、その他の様々な場所で、幅広く御活用ください。 地域部 ○鉄道警察隊 ・鉄道利用者の安全安心を守る  新幹線に警乗し、不審者や不審物件などがないかを確認する鉄道警察隊員の写真  鉄道警察隊は、駅施設等の警戒のほか、運行中の電車に乗車し、痴漢や盗撮等の各種犯罪や近年発生した鉄道利用者を狙った凶悪事件に対する警戒活動を強化しています。  また、鉄道会社との協力体制を構築し、防犯キャンペーンなども合同で行うことにより、駅利用者等の防犯意識の向上につながる効果的な広報を心掛けるなど、鉄道利用者の安心のため、昼夜を問わない活動に取り組んでいます。 ○通信指令課 ・一秒でも早い現場臨場のために  令和5年中、県内では106万6,000件、約29.5秒に1件の割合で110番通報がありました。  通信指令室では、事件事故の現場にいち早く警察官を派遣するため、迅速的確な110番の受理と無線指令に努めています。 ○地域総務課 ・海と山の安全を守るために  横浜港における水難救助訓練の様子の写真  山の斜面における要救助者の搬送訓練の様子の写真  地域総務課では、山や海、湖などを管轄に持つ警察署を対象にした救助訓練の実施や、実際の遭難事案に際しての救助活動の連絡調整など、様々な活動を行っています。  また、当県の豊かな自然を安全に楽しんでいただけるよう、各警察署と協力しての各種啓発活動や、登山届を手軽に作成・提出できる、登山アプリを提供する企業との協定締結など、総合的な対策を実施しています。 ・交番統合後の治安を守る「アクティブ交番」  地域の方に親しみを持っていただくため、愛称を付けています。写真は、旭区の花にちなんだ旭署の「あさがお号」です。  管内の小学校から協力をいただき、児童の声で「特殊詐欺防止」や「交通事故防止」の呼びかけを吹き込んでもらい、パトロール時に広報するなど活用しています。  落とし物の届出や、各種相談に対応しています。  通学路における、児童の見守り活動も行っています。  県警察では、平成31年3月、「神奈川県警察交番等整備基本計画」を策定し、令和2年度から交番統合を進めています。  交番統合後の治安対策として、交番機能とパトカーの機動力を兼ね備えた「アクティブ交番」を30台導入(令和6年4月1日現在)し、統合した地域の駅前、公園、商業施設等で、落とし物や事件・事故等の受理、警察相談への対応、児童の見守り活動などを行っているほか、機動力を発揮してのパトロールも実施しています。 刑事部 ○捜査第三課 ・「増える空き家」を狙う侵入盗事件被疑者を検挙する  総務省が実施している空き家に関する調査では、神奈川県内の空き家は約48万戸であり、東京都、大阪府に次いで、全国で3番目の多さです。  神奈川県下の空き家を対象とした侵入窃盗事件の認知件数は、令和元年・203件、2年・245件、3年・212件、4年・258件、そして5年・721件(暫定数値)と、急増しています。  捜査第三課では、これらの事件を敢行した来日外国人による三つの犯罪グループを検挙し、事件の全容解明に向けた捜査を強力に推進しています。 ○国際捜査課 ・在留外国人の安全対策  県内各地で行っている在留外国人向けの防犯講話の写真  国際捜査課では、国際犯罪組織の実態を解明し、組織の壊滅に向けた捜査を推進するとともに、県内各地で外国人に対して防犯講話等を行うなど、在留外国人の安全の確保に向けた各種施策を推進しています。  昨年は、中国公安局や大使館職員等をかたった詐欺事件が多発しており、当課では中国語の防犯チラシを作成し、日本語学校等で配布するなどの注意喚起活動を行いました。 ○機動捜査隊 ・機動力を活かした刑事集団  機動捜査隊は、多様化する犯罪に即応し、県内全域における各種事件の初動捜査や、重要事件の追跡捜査を担っています。  また、警察署との連携による「だまされた振り作戦」により、特殊詐欺の「受け子」などの検挙活動も積極的に推進しています。 ○科学捜査研究所 ・正確な鑑定で捜査を支援する  車底部の鑑定の様子の写真  科学捜査研究所は、現場に残された資料を、DNA、銃器、薬物・毒物、交通工学、文書、心理、などの広範にわたる各分野のスペシャリストが鑑定し、捜査の裏付けや現場の捜査活動を支援しています。 ○鑑識課 ・証拠を探せ!  鑑識課では、各種犯罪現場において採取した、指紋・足跡、DNA型資料などの証拠資料を駆使した鑑定を行うほか、警察犬や似顔絵などを活用し事件の早期解決を目指します。 ○薬物銃器対策課 ・薬物末端乱用者の検挙と薬物犯罪組織の壊滅  覚醒剤、大麻、麻薬等の違法薬物の密売や密輸入は、暴力団や外国人犯罪組織の資金源となっています。  薬物銃器対策課では、需要の根絶と供給の遮断を両軸に、末端乱用者の徹底検挙と密売組織の壊滅のため、関係機関と連携した水際対策を強化しています。 交通部 ○交通総務課 ・「交通事故の根絶」に取り組む   2つの重点対策 自転車その他の小型モビリティ対策  高校生主体の産学官連携による交通安全啓発創作パンお披露目式の写真  電動キックボードのシェアリング事業者との協定締結式の写真  自転車は、運転免許を必要とせず、地球に優しい便利なモビリティとして、子供から高齢者まで幅広い年齢層に利用されていることから、県警察では、自転車利用者の心身の発達段階やライフステージに応じた、段階的かつ体系的な自転車交通安全教育を行うなど、関係機関・団体と連携し、全ての年齢層に対して自転車の交通ルールの周知を図っています。  また、特定小型原動機付自転車が関わる交通事故を未然に抑止するため、SNS等による情報発信を行うとともに、関連事業者等と連携を強化し、特定小型原動機付自転車をはじめとした新たな小型モビリティの基本的な交通ルールの普及徹底を図るなど、交通事故防止活動を推進しています。  二輪車交通事故防止対策  静岡県警との合同による二輪車事故防止キャンペーンの写真  二輪車の引込み式交通安全教育の写真  県警察では、二輪車を通勤・通学や業務で使用する若者から中高年までの全てのライダーを対象とし、二輪車安全運転講習や引込み式交通安全教育等を行っています。  「二輪車は車体が小さいので実際よりも遠くに見える」ことなどの、二輪車の特性等について広く周知し、二輪車の交通事故防止に向けた取組を推進しています。 ○運転教育課 ・病気、身体の障がい等をお持ちの方々からの相談に親身に対応  運転免許センターの安全運転相談室では、病気、身体の障がい等をお持ちの方の運転免許の取得、運転免許をお持ちの方の運転の継続、運転免許証の返納等に関して、相談を受け付けております。  免許制度や身体機能についての専門知識を生かし、悩みを抱えるご本人やそのご家族のお話を伺い、安全運転に向けた親身なアドバイスを行っております。 ・高齢者講習等のスムーズな受講のために  高齢者の方が運転免許を更新する場合は、70歳以上の方は高齢者講習を、75歳以上の方はこれに加え認知機能検査や運転技能検査を受ける必要があります。  高齢者講習等は、運転免許センターや自動車教習所等で受講することができますが、お住まいの地域によっては、実施機関の数が少なく、混雑している場合がありますので、早めの予約をおすすめしています。 ・運転免許センターでの講習・検査又は運転免許センターから県内各所へ出張しての講習・検査を希望される方は、下記までご相談ください。  〇 神奈川県警察運転免許センター高齢者講習等予約専用ダイヤル0570-050-504 (ナビダイヤル)  受付時間 平日 午前9時から午後4時までFAX 045-366-5640  ※ 自動車教習所等での受講を希望される方は、自動車教習所等に直接お問合せください。 警備部 ○公安第二課 ・要人警護の万全を期す ー「警衛警護室」の設置ー  要人警護訓練の写真  令和4年7月、奈良市内において安倍晋三元内閣総理大臣が街頭遊説中に銃撃を受け、殺害されるという重大事案が発生しました。  警察庁をはじめ神奈川県警察においても当該事案を重く受け止め、公安第二課警衛係と警護係を発展的に解消し、令和5年4月1日、「警衛警護室」を新設しました。  警衛警護室では、「主催者又は管理者と緊密に連携した警護の実施」や「聴衆の安全確保」などを推進することにより、警護の万全を期しています。 ○外事第二課 ・テロリズム対策を強力に推進する  県警察では、県民の皆様の安全安心な生活を脅かすテロの未然防止及びテロへの対処体制の強化のため、情報収集・分析、水際対策、警戒警備、事態対処、官民連携といった各種対策を強力に推進しています。  国内への違法な侵入者を水際で取り押さえる訓練の写真 ○危機管理対策課 ・被災者の救助に都道府県の境なし  崩れた建物の中に閉じ込められた被災者の救助に当たる隊員の写真  余震で警報が鳴り、たびたび作業が中断となる状況の写真  令和6年1月1日、能登半島地震が発生し、当県警察の広域緊急援助隊(警備部隊)は直ちに出動し、余震等により二次災害の恐れがある極めて危険な状況の中、救出救助活動に従事しました。  また、生活安全、地域、刑事、交通部隊も出動し、県警察が一丸となって被災者支援等に当たりました ○公安第一課 ・オウム真理教による凶悪事件を風化させない  オウム真理教は、麻原彰晃こと松本智津夫が確立した教義に基づき、松本サリン事件(平成6年6月27日)や地下鉄サリン事件(平成7年3月20日)等、数々の凶悪事件を起こし、多くの犠牲者を出した教団です。  教団は、依然として松本や同人の説く教義を存立の基盤としつつ、「Aleph(アレフ)」、「ひかりの輪」などを名のって活動を継続し、様々な手法で新規信者の獲得を図っています。  警察では、教団の勧誘対象となりやすい若い世代に対し、様々な機会を捉え、教団の現状等の広報活動を実施しています。  オウム真理教事件の風化防止を呼び掛けるポスターの写真 裏表紙 - いままでも、そしてこれからも安心して暮らせる地域社会を目指して - 編集・発行 神奈川県警察本部 総務部 広報県民課 TEL 045 (211 )1212 (代表) ホームページアドレス https://www. police.pref.kanagawa.jp