○交番・駐在所連絡協議会実施要綱の制定について (平成7年6月12日例規第24号/神地総発第286号/神地指発第131号) 改正 平成9年9月9日例規第41号神務発第1211号    平成13年3月16日例規第12号神務発第107号神地指発第47号神指発第211号    平成18年3月24日例規第20号神務発第548号    平成28年12月13日例規第52号神地指発第305号 各所属長あて 本部長  このたび、交番・駐在所連絡協議会実施要綱(以下「要綱」という。)を制定し、平成7年7月1日から施行することとしたので、次の点に留意し、効果的な運用に努められたい。 記 1 制定の趣旨   交番・駐在所が地域における「生活安全センター」として、地域の安全と平穏の確保に当たるためには、地域住民等の意見、要望の的確な把握がその前提によらなければならない。   したがって、地域社会における身近な問題の提示及び地域住民等との検討、協議の場として、交番・駐在所連絡協議会(以下「連絡協議会」という。)を明確に位置付け、その活動を一層効果的に推進していく必要がある。   このため、要綱により連絡協議会の設置、運用等に関する規定の整備を図ることとしたものである。 2 解釈及び運用上の留意事項  (1) 連絡協議会の目的(第2条関係)    連絡協議会の位置付けを、所管区内の住民等の意見、要望等を広く聴取して相互に検討、協議することにより安全で平穏な地域社会の実現を図ろうとするものと明確にしたものである。    なお、住民「等」とは、地域住民に限らず、所管区内の事業所、所管区に関係する公的機関、団体等に勤務する者なども含むという趣旨である。  (2) 連絡協議会の設置及び組織(第3条関係)   ア 連絡協議会の設置(第3条第1項関係)     連絡協議会については、地域社会の一体性及び共同性に着目して設置することが望ましい。したがって、原則として、交番及び駐在所(以下「交番等」という。)のそれぞれの所管区を単位として設置し、地域社会の多様な意見、要望等をきめ細かく把握して、所管区活動に反映することとしたものである。    「原則として」とは、地域社会の成立状況によっては、第4条第1項で規定する単位連絡協議会を設置することが適切と認められる場合があることを考慮したものである。   イ 連絡協議会の組織    (ア) 委員の選定(第3条第3項関係)      広く地域住民等からの意見、要望等を聴取するためには、委員を特定の者に限定せず、職業、年齢、性別等を考慮して幅広く選定する必要がある。      選定する人数については、連絡協議会の円滑な運営と会議の効果等を勘案して、選定するものとするが、所管区の実情や交番等の勤務体制に応じて、おおむね10名程度による運営とする。      また、連絡協議会の効果的な運営を図るためには、地域住民、ボランティア団体、自治体等との連携が不可欠であるので、委員のうちおおむね半数程度は、コミュニティー・リーダーとしての影響力等を考慮し、次に掲げる者の中から選定するように配意すること。     a 自治会、町内会等地域自治組織の役員     b 防犯協会、交通安全協会、ボランティア団体等の公益的な活動を行う団体の関係者     c 自治体又は公的機関の職員    (イ) 委員の任期(第3条第5項関係)      委員の任期を定めることにより、連絡協議会の活性化を図る趣旨である。 委員の再任については、これを妨げるものではないが、特定の者に長期間依存することのないように常に連絡協議会の新陳代謝に配意すること。    (ウ) 運営担当者等(第3条第6項、第7項、第8項関係)      連絡協議会は、所管区責任に基づき交番等の勤務員全員が一体となって運営に当たることが不可欠であり、また、総括的な責任者を置くことによって対外的な窓口を一本化し、連絡協議会の円滑な運営を図る必要がある。      運営責任者については、交番所長又はブロック長を、交番所長又はブロック長の配置のない地域にあっては、関係する交番の勤務員の中から適任者を、駐在所にあっては勤務員を指定することとなる。      なお、第4条第1項で規定する単位連絡協議会として複数の所管区を統合して連絡協議会を設置する場合には、連絡協議会を構成するそれぞれの所管区の勤務員全員が運営担当者となることとなる。  (3) 単位連絡協議会(第4条関係)    地域の特性によっては、所管区を分割した連絡協議会の設置又は複数の所管区を統合した地域を単位とする連絡協議会の設置がより適切と認められる場合があることを想定したものであり、第3条第1項で規定する連絡協議会の特例である。    第4条第1項の「地域の特性に応じ」とは、地域の一体性、共同性に着目して、第3条の連絡協議会を設置することの例外として、地域としてのまとまりを尊重する趣旨によるものである。    したがって、実務上交番等のブロック運用を行っているからといって、安易にそのブロック単位で単位連絡協議会を設けるのではなく、現実にそのような連絡協議会については、交番等の各所管区を単位とした連絡協議会に改変するように努めること。  (4) 職種等連絡協議会(第4条関係)    第3条第1項による所管区を単位とした連絡協議会及び第4条第1項による単位連絡協議会のみではその目的を十分に達成し難い場合、目的等を限定した連絡協議会を別に設置することができるという趣旨である。    「目的等を限定した」とは、所管区の実情に応じて、必要に応じ次のような連絡協議会を設置することとしたものである。   ア 住民の入れ替わりが激しい団地、アパート、マンション等における防犯指導等を推進するため、これらの管理者による連絡協議会   イ 総合的な繁華街・歓楽街対策を推進するため、これら地域の商店の経営者や雑居ビルの管理者等による連絡協議会   ウ 外国人居住者等の保護対策を推進するため、外国人居住者等による連絡協議会  (5) 既存の連絡協議会の見直し    既存の連絡協議会を整理し、統合するなど運用の見直しを行うような場合には、あらかじめ委員等に十分その趣旨を説明し、理解と協力が得られるように配意すること。  (6) 会議の開催(第6条関係)   ア 定期会議の開催(第6条第2項関係)     定期会議は、警察活動の重点及び地域の行事等を勘案し、所管区の実情に応じて効果的な時機を選定し、あらかじめ年間計画を策定するなどにより年に1回以上開催するものとする。   イ 臨時会議の開催(第6条第3項関係)     地域で犯罪等が連続的に発生し、地域住民等に不安が生じている場合などは、情報の正確な伝達、緊急時における連絡方法の確立、必要な協力要請等を行い、地域住民等の不安感の解消に努めるほか、地域住民等とともに対策を検討及び協議し、その結果を警察活動に反映するなど、連絡協議会の効果的な開催に努めること。   ウ 会議の参加者(第6条第4項関係)     会議の参加者については、地域警察活動を効果的に推進するためには、委員のみならず、広く地域住民等の参画を得た開催が望ましいことから、その議題等に応じて委員以外の地域住民等、自治体、ボランティア団体等の関係者の参加を求めて、会議を開催することとしたものである。     なお、委員以外の者に会議への参加を要請する場合には、警察署地域警察幹部と検討し、会議の議題にふさわしい者を選考することとし、例えば、次に掲げる者の参加を求め、適宜地域住民等の参画を得て、効果的な会議の開催に努めることとする。    (ア) 地域で児童対象の声掛け事案が連続的に発生しているような場合には、学校関係者、PTA等 (イ) 犯罪等の未然防止については、対象地区の自治会役員や住民等    (ウ) 高齢者の安全対策等については、自治体及びボランティア団体の関係者等  (7) 連絡協議事項(第7条関係)    連絡協議会の会議においては、警察からの連絡、地域住民等の意見、要望等の聴取のみに終わることなく、相互に必要な検討、協議を通じて地域住民等とともに地域における問題への対応策を見いだすことが必要である。    連絡協議事項としては、地域住民等に身近な犯罪等の防止、その他地域住民等の生活の安全と平穏に関する問題を挙げているが、地域住民等からの意見、要望等を踏まえ、交番等の活動状況、地域住民等に身近な事件、事故等の発生状況及び高齢者の安全対策等について、具体的な議題を決めて、協議、検討すること。    また、連絡協議会の開催に当たっては、広報紙、統計資料等の効果的な活用に配意するほか、意見、要望等の措置状況については、速やかに参加者に連絡するとともに、当該措置を実施するため時間を要するような問題等については、計画的に推進するなど、適切な処理が行われるように配意すること。  (8) 留意事項(第8条関係)    連絡協議会は、交番等の勤務員が所管区責任に基づいて運営するものであるが、効果的かつ適切な運営を図るためには、警察署及び警察本部の支援活動が不可欠である。このため、警察署長及び地域部長においても、その推進状況を具体的に把握して、必要な支援措置及び指導を行うとともに、関係機関及び関係部門との連絡調整等については、警察署地域警察幹部が積極的に行うなど支援体制の確立を図る必要がある。また、連絡協議会の運営を通じて、交番等の勤務員の自主性、積極性、創造性の伸長と問題解決能力の涵(かん)養が図られ、個々の地域警察官の実務能力が向上するよう指導すること。 ○交番・駐在所連絡協議会実施要綱(別添) (平成7年6月12日例規第24号/神地総発第286号/神地指発第131号) 改正 平成9年9月9日例規第41号神務発第1211号    平成13年3月16日例規第12号神務発第107号神地指発第47号神指発第211号    平成18年3月24日例規第20号神務発第548号    平成28年12月13日例規第52号神地指発第305号 (趣旨) 第1条 この要綱は、交番・駐在所連絡協議会(以下「連絡協議会」という。)を効果的に推進するため、必要な事項を定めるものとする。 (連絡協議会の目的) 第2条 連絡協議会は、交番又は駐在所(以下「交番等」という。)の所管区において、地域住民等の日常生活に身近な犯罪、事故、災害(以下「犯罪等」という。)の未然防止、被害の拡大防止及び回復を図り、並びに的確な検挙活動等を行うため、所管区内の地域住民等の意見、要望等を広く聴取して相互に検討、協議し、警察と地域住民等が相互に協力し、もって安全で平穏な地域社会の実現を図ろうとするものである。 (連絡協議会の設置及び組織) 第3条 連絡協議会は、原則として交番等の各所管区を単位として設置するものとする。 2 連絡協議会は、委員及び運営担当者(以下「構成員」という。)をもって構成するものとする。 3 委員は、地域の実情に精通し、かつ、所管区内の住民等からの信望が厚い者の中から、職業、年齢、性別等を考慮して、幅広く選定ものとする。 4 委員の選定に際しては、他部門と緊密に連携して総合的に決定するものとする。 5 委員の任期はおおむね2年とし、再任を妨げないものとする。 6 運営担当者は、連絡協議会を設置した所管区の勤務員全員をもって充てることとする。また、警察署長は、交番所長、ブロック長等を運営責任者として指定するものとする。 7 運営担当者は、随時委員その他の参加者を訪問し、必要事項の連絡に当たるものとする。 8 運営責任者は、連絡協議会を主宰し、会議の円滑な運営と活性化に努めるものとする。 (単位連絡協議会) 第4条 前条第1項の規定にかかわらず、地域の特性に応じ、所管区を分割して、又は複数の所管区を統合して連絡協議会を設置することがより適切と認められる場合は、当該分割し又は統合する地域を単位とする連絡協議会を設置することができるものとする。 2 前条第2項から第8項までの規定は、前項の連絡協議会について準用するものとする。 (職種等連絡協議会) 第5条 所管区等を単位とせず、職種、地区等に着目して連絡協議会を設置することが効果的と認められる場合は、第3条第1項又は前条第1項の連絡協議会のほか、目的等を限定した連絡協議会を別途設置することができるものとする。 2 第3条第2項から第8項までの規定は、前項の連絡協議会について準用するものとする。この場合において、同条第3項中「職業、年齢、性別等を考慮して、幅広く」とあるのは、「その目的等に則して」と読み替えるものとする。 (会議の開催) 第6条 連絡協議会(第4条第1項又は前条第1項に定める連絡協議会を含む。以下同じ。)の会議は、定期会議及び臨時会議とする。 2 定期会議は、年1回以上開催するものとする。 3 臨時会議は、地域で犯罪等が連続的に発生し、地域住民等に不安が生じている場合などに、随時開催するものとする。 4 会議は、委員のほか、会議の議題に応じて、随時地域住民及び地域の機関・団体の関係者等の参画を得て開催するものとする。 5 会議の開催に当たっては、関係部門の協力を得るものとする。 (連絡協議事項) 第7条 連絡協議会は、地域住民等に身近な犯罪等の防止その他地域住民等の生活の安全と平穏に関する問題について連絡をするとともに、意見、要望を聴いて相互に必要な検討、協議を行うものとする。 (留意事項) 第8条 連絡協議会の開催に当たっては、次の各号に掲げる点に配意して、真に実効が上がるよう努めるものとする。  (1) 警察署地域警察幹部は、連絡協議会の趣旨、目的、実施要領等について、勤務員に事前に十分な指導教養を実施するほか、会議内容及び推進状況を把握し、必要に応じて、関係機関との連絡調整をし、具体的な支援を行うこと。  (2) 前号に定めるもののほか、警察署長は、必要な場合には関係部門の幹部等を会議に参加させ又は支援させるなど、組織的かつ適切な運営に努めること。  (3) 警察本部地域部長は、各警察署における推進状況を把握するとともに、必要な指導を行うこと。 (カードの作成) 第9条 警察署長は、連絡協議会を設置したときは、交番・駐在所連絡協議会設置カード(第1号様式)を2部作成し、警察署及び交番等に保管するものとする。 (報告) 第10条 運営責任者は、連絡協議会を開催したときは、交番・駐在所連絡協議会開催結果報告書(第2号様式)を作成し、警察署長に報告するものとする。 2 警察署長は、連絡協議会を設置又は開催したときは、その翌月の5日までに警察本部長に報告するものとする。