○原動機を用いる身体障害者用の車に係る事務取扱要領の制定について (平成5年4月1日例規第22号/神交規発第125号) 改正 平成11年3月30日例規第11号神総発第72号 平成20年11月28日例規第51号神務発第2303号 平成27年4月21日例規第19号神交規発第551号 令和元年6月17日例規第16号神総発第114号 令和3年9月17日例規第43号神務発第909号 令和5年3月30日例規第20号神交総発第261号 各所属長あて 本部長  この度、別添「原動機を用いる身体障害者用の車いすに係る事務取扱要領」を次のように制定し、平成5年4月1日から施行することとしたから、運用上誤りのないようにされたい。  記 1 制定の趣旨  一定の基準を満たす電動車いすについては、これを通行させている者を運用上歩行者として取り扱ってきたところであるが、道路交通法の一部を改正する法律(平成4年法律第43号)及び道路交通法施行規則の一部を改正する総理府令(平成4年総理府令第45号)により、身体障害者用の車いすの定義が定められ、道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号)第1条の2で定める基準を満たす原動機を用いる身体障害者用の車いすを通行させている者が、歩行者として取り扱われることが道路交通法第2条第1項第9号、第10号及び第11号の3並びに第3項第1号の規定により明確にされるとともに、原動機を用いる身体障害者用の車いすに係る警察署長の確認の制度及び型式認定の制度が新設されたことから、本要領を制定し事務取扱いの適正を図るものである。 2 制定の要点  (1) 警察署長が行う確認の要領について定めた。  (2) 確認証の記載事項の変更届出があった場合の取扱いについて定めた。  (3) 確認証の再交付について定めた。  (4) 交付を受けた確認証の携帯について定めた。  (5) 確認証の返納について定めた。  (6) 確認申請等に係る書類の保管及び確認証の交付状況等の報告について定めた。  (7) 原動機を用いる身体障害者用の車いすの型式認定制度の周知その他の留意事項について定めた。 3 運用上の留意点  (1) 警察署長の確認の手続について  警察署長の確認の手続については、法令に何ら規定されていないことから、この要領で定める様式の申請書の使用、確認証の携帯、確認証の返納には法的拘束力はないので十分配慮する。  (2) 確認及び書類の交付について  車いすの利用者等から確認申請、確認証の記載事項変更及び再交付の申請があった場合は、直ちに書類の審査及び実地調査を行い、可能な限り即時に確認証の交付を行う。  (3) 疑義の生じた車いすの取扱いについて  原動機を用いる車いすの取扱いについて疑義が生じた場合、又は交通事故の当事者等として取り扱った場合等は、本部主管課等に通報し慎重に取り扱う。    原動機を用いる身体障害者用の車に係る事務取扱要領 第1 趣旨 本要領は、道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号。以下「府令」という。)第1条の5第2項の規定に基づき、警察署長が行う確認その他原動機を用いる身体障害者用の車に係る事務取扱いについて必要な事項を定めるものとする。 第2 警察署長の確認 警察署長は、その管轄する区域内に住所地を有する者で、かつ、身体の状況により、府令第1条の5第1項第1号に定める車体の大きさの基準(以下「車体の大きさの基準」という。)を超える大きさの身体障害者用の車(以下「基準外の車」という。)を利用したい者(以下「利用者」という。)から、これを利用することがやむを得ないことについて確認の申請があった場合は、次のとおり手続をするものとする。 1 確認要領 (1) 市町村長からの通知を受けた場合 ア 通知書の受理及び審査 利用者の住所地を管轄する警察署長(以下「所轄警察署長」という。)は、市町村長から、基準外の車の購入に要した費用を身体障害者(児)に対し、補装具費として支給することを決定した旨の通知を通知書(別添)により受けた場合は、当該通知書に更生医療の支給若しくは補装具の交付若しくは修理の決定通知に係る書類又は補装具の交付若しくは修理に係る書類の写しが添付されていることを確認する。 イ 確認証の作成及び送付 (ア) 所轄警察署長は、アの規定により通知を受けた場合において、当該通知に係る基準外の車を利用することがやむを得ないことを確認したときは、確認証(第1号様式)を作成し、警察署ごとの一連番号を付して市町村長に送付する。 (イ) 確認証を送付した場合は、確認証発給簿(第2号様式。以下「発給簿」という。)に必要事項を記入し、送付状況を明確にする。 (2) 身体障害者用の車の利用者等からの申請を受けた場合 ア 申請の受理 所轄警察署長は、利用者又は当該利用者から依頼を受けた者(以下「依頼を受けた者」という。)から当該利用者が基準外の車を利用することがやむを得ないことについて確認申請書(第3号様式)により確認を求められた場合は、これを受理する。 イ 審査方法 所轄警察署長は、確認申請書を受理したときは、利用者が身体の状況により車体の大きさの基準に適合した身体障害者用の車を用いることができないことから、申請に係る基準外の車を用いることがやむを得ないと認められるか否かについて、直ちに利用者及び当該基準外の車を実地に調査する。ただし、確認申請書に次の書類が添付されている場合には、実地調査に代えて書面審査により判断できる。 (ア) 身体の状態により利用者が当該基準外の車を用いることがやむを得ないことを証明する医師、更生相談所長その他身体の状態を判断することができる者の作成した書類 (イ) 申請に係る基準外の車を製作し、又は販売する者が作成した当該基準外の車の大きさ(長さ、幅及び高さ)を証明する書類 ウ 確認証の作成及び交付 (ア) 所轄警察署長は、イの規定による審査の結果、利用者が基準外の車を用いることがやむを得ないと認めたときは、確認証を作成し、利用者又は依頼を受けた者に対し、直ちに確認証を交付する。 (イ) 確認証を交付する場合は、確認証に警察署ごとの一連番号を付し、発給簿に必要事項を記入すること。 2 確認証の記載事項の変更 (1) 所轄警察署長は、利用者又は依頼を受けた者から確認証の記載事項に変更が生じた旨の届出を受けた場合は、確認証記載事項変更届(第4号様式)の提出を求め、変更事項を確認の上、当該確認証に変更事項を記載するとともに、変更事項を記載した箇所に警察署長印(神奈川県警察公印規程(昭和55年神奈川県警察本部訓令第12号)別表に掲げるものをいう。)を押印する。 (2) 確認証を交付する場合は、発給簿に変更に係る事項に記載し、その状況を明らかにする。 3 確認証の再交付 (1) 所轄警察署長は、利用者又は依頼を受けた者から確認証を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損した旨の届出を受けた場合は、確認申請書、確認証再交付申請書(第5号様式)及び当該申請に係る確認証(当該確認証を亡失し、又は滅失した場合にあっては、その事実を証するに足りる書類)の提出を求め、事実関係を審査する。 (2) 審査の結果、再交付を認める場合は、確認証を作成し、新たに警察署の一連番号を付して利用者又は依頼を受けた者に対し、直ちに交付する。 (3) 再交付手続は、第2の1(2)ウ(イ)に準じて行う。 4 確認証の携帯 利用者が確認に係る身体障害者用の車を道路において利用する場合には、確認証を携帯するよう指導する。 5 確認証の返納 (1) 所轄警察署長は、確認を受けた者が、次のいずれかに該当することとなったときは、速やかに確認証(イの場合にあっては発見した確認証)を返納させる。 ア 確認に係る身体障害者用の車を利用しなくなったとき又は利用する必要がなくなったとき。 イ 確認証の再交付を受けた後において亡失した確認証を発見したとき。 (2) 確認証の返納を受理した場合は、確認証返納届受理書(第6号様式)に必要事項を記載するとともに、発給簿の備考欄に返納事実を記載し明確にする。 6 確認申請書等の保管 通知書、確認申請書等及びその添付書類は、警察署保管とし、発給簿との整合性を図り、神奈川県警察ファイリングシステム実施要綱の制定について(平成12年12月18日 例規第55号、神総発第439号)の定めるところにより、適切に保管する。 7 発給警察署長以外の警察署長の措置 (1) 確認証を発給した警察署長(以下「発給警察署長」という。)以外の警察署長が、記載事項の変更の届出、再交付の申請又は返納の届出(以下「届出等」という。)を受けた場合は、発給警察署長にその内容を通知するとともに、2から5までに定めるところにより、それぞれの届出等に係る手続を速やかに行う。 (2) (1)の規定による通知を受けた発給警察署長は、通知に係る確認証に関する発給簿に当該通知内容を記載し、その事実を明確にする。 8 報告 確認証の交付及び返納の取扱い状況は、各年別に確認証交付・返納状況報告書(第7号様式)に記載し、翌年の1月10日までに警察本部長(交通部交通規制課長(以下「交通規制課長」という。)経由)に報告する。 第3 その他の留意事項 1 原動機を用いる身体障害者用の車に係る交通事故があった場合の措置 原動機を用いる身体障害者用の車に係る交通事故があった場合においては、警察本部長(交通規制課長経由)に報告するとともに、当該身体障害者用の車が府令第1条の5で定める基準に適合しているものであるかどうかについて厳正に調査を行う。 2 基準外の車(第2に規定する警察署長の確認を受けた身体障害者用の車を当該確認に係る利用者以外の者が利用する場合を含む。)は、自動車又は原動機付自転車に該当することとなるが、このような原動機を用いる身体障害者用の車を通行させている者を発見した場合には、直ちに検挙することなく、指導によって是正措置を講じる。 3 原動機を用いる身体障害者用の車が、府令第1条の5第1項で定める基準に適合する限り、当該身体障害者用の車を通行させている者が身体障害者でない場合であっても歩行者として扱うこととなる。 4 第2の1の規定による申請を受けた基準外身体障害者用の車について、利用者が当該基準外身体障害者用の車を利用することがやむを得ないとは認められない場合又は府令第1条の5第1項第2号に定める車体の構造の基準に該当しない等の理由により確認することができないと認められる場合には、交通規制課長と協議の上、措置する。 附則(平成11年3月30日例規第11号神総発第72号) 附則(平成20年11月28日例規第51号神務発第2303号) 附則(平成27年4月21日例規第19号神交規発第551号) 附則(令和元年6月17日例規第16号神総発第114号) 附則(令和3年9月17日例規第43号神務発第909号) 附則(令和5年3月30日例規第20号神交総発第261号)