○交通規制検討委員会制度の実施について (昭和40年5月17日例規/神交一発第213号)  各所属長あて 本部長  最近ますます複雑困難の度を加える交通事情に対処し、交通の安全と円滑を図るには、交通の事情に即した合理的な交通規制を行う必要があり、各位においても、かねてから合理的な交通規制の実施に努められているところである。  しかし、交通規制は、道路利用者の日常生活等に大きな影響を及ぼす場合が少なくないので、関係者の意向が反映しない規制は、県民の協力が得られず規制の効果を上げることはできない。したがつて交通規制の実施に当たつては、地域住民その他一般の動向を把握し、その意向が十分反映されるような措置を講ずることが必要である。  このような観点から今後の交通規制の実施にあたつては、次の要領により交通規則に関する検討委員会を設け、交通規制の効果的な実施を図るよう特段の努力をいたされたい。  交通規制検討委員会実施要領 第1 趣旨  現下の交通情勢に対処し交通の安全と円滑を確保するため、交通の実態に即応した合理的な交通規制を行うことは、交通警察に課された重要な責務であるが、交通規制は道路利用者が納得し自主的に守られるものであることが必要である。特に一方通行、右左折禁止、駐車禁止等は、道路利用者の日常生活、商業活動、公共交通等に大きな影響を与えるため、関係者の意向を反映しない規制は道路利用者の協力が得られず規制効果を上げることはできない。  したがつて交通規制の実施に当たつては、地域住民その他一般の動向を把握し、その意向を十分反映させ、その理解と協力により交通規制の効果的推進を図ろうとするものである。 第2 組織  交通規制検討委員会(以下「検討委員会」という。)は、次に掲げる機関又は団体の代表者等で必要と認められる者その他各警察署において特に必要と認める者により組織するものとする。 1 道路管理者 2 消防署 3 地区交通安全協会 4 自動車及び運輸関係団体 5 工場事業者団体 6 小中高等学校 7 地元商店会及び町内会 8 交通指導員 第3 会議 1 交通規制の実施に当たり、当該実施計画が県民の日常生活等に大きな影響を及ぼすおそれがある場合その他住民等の意見を聴取する必要があると認める場合は、検討委員会を開催し、その意見を聴取するものとする。ただし、規制の種別、規模等により全構成員の協議を要しないと認められるときは、一部の機関又は団体の代表者により会議を開催し意見を聴取するものとする。 2 交通規制の実施により影響を受ける地域住民等に対し、実施計画に係る説明会等を行い意見を聴取する場合は、当該検討委員会の開催に代えることができる。 第4 運営 1 検討委員会の組織構成員が各階層を網羅しているため、交通規制の実施について意見の一致を得ることが難しく、また実情と掛け離れた協議がなされるおそれも考えられるので、警察は事前に交通量、交通事故の発生状況その他道路状況等について綿密な基礎調査を行い、その資料を提供し妥当な協議がなされるよう努めること。 2 交通規制の実施にあたつては、総合的見地に立つて判断し、実施した場合の効果がその短所を補つて余りあるとき、つまり実施することが一般公共の利益により貢献するものであるときは、一部の利害にとらわれず実施すべきものであるが、交通規制は多かれ少なかれ一般道路利用者に対し不便なり不自由を与えることとなるため、すべての関係者を十分満足させることは困難であり、規制の種類、規模等によつては利害関係者から多くの反対意見があることも考えられる。反対意見が出た場合には、その意見が客観的に妥当性のあるものであるときは、謙虚に反省し必要な改善を加え、またこれが単に無理解に基づくものであつたり自己本位のものであるときは規制の必要性を誠意をもつて説明し、できる限り多くの納得と協力を得られるようつとめること。 第5 隣接署との協議  主要道路に関する規制で隣接警察署に影響を及ぼすおそれがあるときは、相互に密接な連絡を保ち、必要により合同会議を開催し意見の調整を図ること。 第6 その他  検定委員会に係る交通規制を上申する場合には、上申書の摘要欄にそのてん末を簡記すること。