○工事又は作業を行なう場合の道路の管理者と警察署長との協議に関する協定の締結について (昭和36年8月19日例規神交一発325号)  各所属長あて 本部長  神奈川県内の1級国道、2級国道及び県道並びに横浜市道、川崎市道、横須賀市道について、道路交通法第80条第2項の規定に基づく工事又は作業を行なう場合の道路の管理者と警察署長との協議に関する命令(昭和35年総理府、建設省令第2号)及び同協議命令の運用についての警察庁保安局長、建設省道路局長通達(昭和35年警察庁丙交発第45号、建設省道発第552号)の円滑な運用を図るため、このたび  建設省横浜国道工事事務所長  神奈川県知事  横浜市長  川崎市長  横須賀市長 と別添1のとおり「工事又は作業を行なう場合の道路の管理者と警察署長との協議に関する協定」を締結し9月1日から実施することとしたから、これが運用にあたつては、次の諸点に留意し遺憾のないようにされたい。  記 1 協定締結の趣旨  協定締結の趣旨は、前記命令(別添2)及び同運用通達(別添3)のみでは、警察署長及び道路の管理者の双方に解釈運用上意見の相違を生ずるおそれがあり「運用通達」も協議文書については、地方の実情に即した方法により様式化されることを希望しているので道路の管理者と細部の協定を行ない協議がより円滑に行なわれるようにしようとするものである。 2 運用上の留意点  (1) 従来、道路の管理者が行なう工事又は作業のうち請負工事の場合は、警察署長の許可対象として取扱つてきたが、今後はすべてこの協定により道路の管理者と協議することとなつたので、警察署長の許可対象である管路埋設工事、軌道工事等と明確に区別し取扱い上混同しないようせられたい。  (2) 第1条にいう交通規制とは、道路法第46条の規定による道路管理者の行なう交通規制及び公安委員会並びに警察署長の行なう交通規制を含むものである。  (3) 道路の管理者から送付される協議書の部数は、工事等の行なわれる場所が1警察署長の管轄区域内で交通規制を要しない場合は2通、交通規制を要する場合は3通、工事等の行なわれる場所が2以上の警察署長の管轄区域にわたるときは、前記部数のほかに工事等の行なわれる場所を管轄する警察署長の数を加えた数となつているが、これは1通を道路の管理者に対する回答(第3条第2項)1通を警察署の控とし、さらに交通規制を要するときは3通送付されるのでこの場合1通は本部への報告に用いるものとする。また工事等が2以上の警察署長の管轄区域にわたるため、それらの警察署長の数に該当するものとして送付を受けたものについては、それぞれ関係警察署長に送付し、協議のための内部協議等に用いるものとする。  (4) 第4条にいう供用を開始している道路とは、道路法第18条にいう道路の供用の開始ではなく、事実上の供用の開始をいう。すなわち道路の管理者において一般交通の用に供する旨の意思表示のあつた道路ということではなく、事実上一般交通の用に供されている道路ということである。  (5) 第4条第2項の「道路の管理者が道路を常時良好な状態に保持するため.........道路の通行を禁止し又は制限をする必要があると認められるものについては、3カ月を限度として一括協議するものとする。」とは道路の通行を禁止し又は制限をする必要のないものについては協議を要しないということを反面意味しているものであるから誤りのないようにせられたい。  なお通行を禁止し、又は制限をする必要のあるものでも同項ただし書に該当する場合には協議を要しないものとした。  「3カ月を限度として一括協議するものとする」とは運用通達4の一括協議を具体的に協定したもので、3カ月とした趣旨は、国及び地方公共団体の予算が4半期ごとに令達される関係から、それにあわせることが工事等の計画、執行等をされる道路の管理者、協議を受ける警察署長の双方にとり、運用上最も合理的であるので3カ月以内としたのである。  工事又は作業を行なう場合の道路の管理者と警察署長との協議に関する協定  神奈川県内の一級国道、二級国道及び県道並びに横浜市道、川崎市道、横須賀市道について、工事又は作業を行なう場合の道路の管理者と警察署長との協議に関する命令(昭和35年総理府、建設省令第2号。以下「協議命令」という。)及び協議命令の運用についての警察庁保安局長、建設省道路局長通達(昭和35年警察庁丙交発第45号、建設省道発第552号。)の円滑な運用を図るため、次のとおり協定する。  記 (文書による協議) 第1条 道路の管理者は、道路の維持、修繕その他の管理のため、道路において工事又は作業(請負にかかるものを含む。以下「工事等」という。)を行なおうとするときは、別記様式の道路工事等協議書(以下「協議書」という。)に必要な平面図その他の書類を添え、次の各号に掲げる区分に従い、これを当該工事等を行なおうとする場所を管轄する警察署長(以下「所轄警察署長」という。)に送付するものとする。 (1) 当該工事等の施行に際し交通規制を必要としない場合は、当該工事等に着手する5日前までに協議書(添付書類を含む。以下同じ。)2通 (2) 当該工事等の施行に際し、交通規制を必要とする場合は、当該工事等に着手する20日前までに協議書3通 2 前項の場合において、当該工事等に係る場所が2以上の警察署長の管轄にわたるときは、当該工事等に最初に着手しようとする場所の所轄警察署長に協議書を送付するものとする。この場合、送付する協議書の部数は、前項各号に掲げる部数に当該工事等に係る場所を管轄するその他の警察署の数を加えた部数とする。 (協議事項) 第2条 道路の管理者は、協議書において次の各号に定めるところにより、協議命令第1項各号に掲げる協議事項の内容を明らかにするものとする。 (1) 工事等の時期については、工事等を行なう期間及び時間を明らかにすること。 (2) 工事等の方法の概要については、時間的及び場所的の施行順序工事用資器材等の配置状況、保守施設の設置状況等のうち、交通の安全と円滑を図るために必要な事項を平面図その他の適当な図面で明らかにすること。 (3) 工事等を行なう場合における道路交通に対する措置については、道路の管理者の行なう通行の禁止又は制限の内容及びそれに伴う道路標識の設置、迂回路等、信号装置又は手旗等による交通整理の方法並びに警察官の配置についての要望等を明らかにするものとし、必要に応じて平面図その他の適当な図面でこれを明らかにすること。 (文書による回答) 第3条 協議書を受理した所轄警察署長は、当該協議書に掲げる工事等について、必要があると認める場合は、道路の管理者の説明を求めることができる。 2 所轄警察署長は、協議がととのつた場合は、交通上の意見又は要望事項等を協議書の所定の欄に記載し、すみやかに1通を道路の管理者に送付するものとする。 (協議の対象) 第4条 道路の管理者が、道路の新設又は改築のため道路において工事等を行なう場合においては、現に供用を開始している道路の部分についてのみ協議の対象とするものとする。 2 道路の管理者が道路を常時良好な状態に保持するため、日常の管理行為として行なう維持作業のうち、歩車道の局部的欠損部の修理、舗装道における目地及び亀裂の填充又は表面処理、砂利道における砂利等の補給、道路上におけるさく、駒止、地点標、道路標識、区画線の設置及び維持、その他これらに類する作業であつて、道路の通行を禁止し、又は制限する必要があると認められるものについては、3カ月を限度とし、一括協議するものとする。ただし、交通上支障がないと認められる場合又は交通上支障は認められるが、1車線以内の交通制限で1日以内に終了し、かつ、混雑等をさけ若しくは混雑を来たした場合、一時作業を中止する等の措置を講ずることのできる場合においては、協議を要しないものとする。 (口頭協議) 第5条 協議命令第3項の規定による口頭の協議を受けた警察署長は、すみやかに意見を表明するものとする。 (道路工事等を行なう場合における基準) 第6条 道路の管理者は、工事等を行なう場合は、別添道路の工事等と交通上の措置に関する一般的基準に従つて行ない、交通の安全と円滑を図るように努めるものとする。 (内容の変更) 第7条 協議成立後において協議内容を変更する必要が生じたときは、道路の管理者又は所轄警察署長は、すみやかに相手方にその旨を通知するとともに、変更に係る事項につき再協議するものとする。 (計画の連絡) 第8条 道路の工事等の計画は、その実施にあたつて、交通警察として執るべき措置に少なからざる影響を及ぼすものであるから、道路の管理者は、できるだけ早い時機にそれらの計画を所轄警察署長に連絡するよう努めるものとする。 (交通規制等についての協力) 第9条 道路工事等に伴う交通規制等について道路の管理者から、協力を求められたときは、所轄警察署長は、道路の管理者と一体となつて、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。 (協議内容の厳正な履行) 第10条 道路の管理者は、工事等の実施に当たつて協議内容の厳正な履行に努めなければならない。このため、直営工事等の場合の監督体制の確立強化に努めることはもちろん請負工事の場合についても協議内容を請負契約の条件とするとともに、請負業者に対する監督を強化し、当該事件の履行の確保に努めるものとする。 (協定の変更) 第11条 この協定の内容を変更する必要を生じたときは、協議するものとする。 (実施期日) 第12条 この協定は昭和36年9月1日から実施する。  上記協定締結の証として、本書6通を作成し、各1通を保有する。  昭和36年9月1日  協定者