○自動車運送事業の免許申請事案等の調査の際における公安委員会等の意見書の提出について (昭和40年8月31日例規神交一発第366号)  各所属長あて 本部長  道路運送法(昭和26年法律第183号)第3条に規定する自動車運送事業の免許等の申請事案の調査の際における公安委員会等の意見書の提出については、昭和30年12月24日付神交発第370号、昭和37年6月25日付神交一発第308号等の各関係通達により処理してきたところであるが、このたび運輸事務次官、警察庁次長覚書の改正に伴い、東京陸運局長、神奈川県公安委員会了解事項および神奈川県陸運事務所長、神奈川県警察本部交通部長協定を別添2、3のとおり改正するとともに、あわせて関係通達を整理統合して事務の適正と事務能率の向上を図ることとしたので、運用に遺憾のないようされたい。  なお、昭和30年12月24日付神交発第370号「路線を定める自動車運送事業の免許申請事案の調査の際における意見徴取等に関する協定に伴う調査の取扱いについて」、昭和37年6月25日付神交一発第308号「一般乗合旅客、一般貸切旅客、一般乗用及び特定旅客自動車並びに許可を得て使用する自家用自動車の車庫の新設、移転の際に警察署長が交付する交通保安上の意見書の取扱いについて」は、昭和40年8月31日をもつて廃止する。  記 1 改正の要点 (1) 運輸事務次官・警察庁次長覚書(以下「覚書」という。) ア 旧覚書では、路線貨物自動車運送事業について第1項(意見の聴取)の適用がなく、第5項(運行に関する協議および連絡)により意見の聴取を行なうこととし、その手続きは、別途通達で定められていたが、新覚書では一般乗合旅客自動車運送事業と同様覚書第1条の規定により意見の聴取を行なうこととなつた。 イ 路線が広域にわたる事案については、管区警察局長または警察庁交通局長が意見書を提出することとなつた。 ウ 事業計画の変更の申請事案のうち、停留所の新設等交通の安全と円滑に関して重大な関係があるものについては、免許の申請事案の調査の際に準じて公安委員会の意見を聴取することとなつた。 エ 旧覚書では、公安委員会が提出することができる意見は、交通安全上のものに限られていたが、新覚書では、交通の円滑に関しても意見を提出することができることとなつた。 (2) 東京陸運局長・神奈川県公安委員会了解事項(以下「了解事項」という。) ア 旧覚書では、免許申請事案等の調査の際は意見聴取を行なうこととし、その範囲等の細部については、陸運局長と公安委員会とが協議して定めることとされていたため、交換文書は、陸運局長・公安委員会協定となつていたが、新覚書では、陸運局長と公安委員会とは意見聴取を行なわない事案について協議することとなつたため、覚書の運用に関する了解事項となり、意見聴取を行なわない免許申請事案について規定した。 イ 覚書第6条(連絡の保持)の規定により、陸運事務所長から公安委員会へ連絡すべき事項を明確にした。 (3) 陸運事務所長・交通部長協定(以下「協定」という。) ア 覚書の改正に伴い、路線を定める自動車運送事業にかかる車庫、営業所、荷扱所もしくは停留所の新設またはこれらの位置の変更の認可申請事案の調査の際における意見の聴取は、覚書第4条の規定により公安委員会に対して行なうことと規定されたため削除した。 イ 旧協定では、事業計画の変更の認可申請事案の調査の際に限り意見を聴取することと規定されていたが、新協定では、期間限定免許路線にかかる本免許申請事案または後願免許申請事案の調査の場合であつても、協定第1項第1号該当事案については、交通部長の意見を聴取することとなつた。 ウ 旧協定では、運行回数の増加に関する事業計画の変更の認可申請事案の調査の際における意見の聴取は、別に定める自動車発着場、事業所または道路にかかる運行回数の増加について意見を聴取することと規定されていたが、新協定では、協定でその範囲を明確にした。 エ 意見書の提出は、第2項(警察署長の意見聴取)の場合をのぞきすべて交通部長が行なうこととし、提出意見のせい一を図ることとした。 オ 旧協定では、車庫の新設にかかる免許申請事案の調査の際における意見の聴取は、すべての車庫について行なうことと規定されていたが、新協定では、格納自動車が2台以上のものに限り意見を聴取することとなつた。 カ 旧協定では、事業計画の変更の申請事案について各別の覚書が交換されていたが、新協定ではこれを統合し、単一の協定とした。 2 事務の処理 (1) 意見の提出を求められた際における調査は、「協定」第2項の場合を除き、すべて本部(交通第一課)において行なうものとする。 (2) 調査にあつてはつぎの点に留意すること。 ア 関係警察署と連絡を密にし、必要に応じ共同調査を行なうこと。 イ 実地踏査による綿密な調査を行ない具体的に検討すること。 ウ 調査は単に交通の安全と円滑を図る見地からだけで判断して行なうことなく、特に路線を定める自動車運送事業については、当該道路に路線を設定した場合に得られる公共の利益を考慮して慎重に判断すること。 (3) 一般乗合旅客自動車運送事業については、その公共性を考慮し、必要に応じ関連道路に対する交通規制の実施または変更の措置を行なう等交通需要の充足について配意すること。 (4) 路線バスの運行系統、運行回数、駅前広場等の発着場における運行状況等の各種資料を整備して、その実体のは握につとめること。 (5) つぎに掲げる場合には、本部(交通第一課)にりん議してその指示をうけること。 ア 一般乗合旅客自動車運送事業について、運行路線(系統)の変更等を必要とする道路使用(道路管理者からの協議を含む。)の許可または交通の制限もしくは禁止を行なう場合 イ 停留所の位置の変更を必要とする信号機または横断歩道を設置する場合 ウ 交通の安全と円滑を図る見地から停留所の位置の変更、運行系統の変更等事業計画の変更を自動車運送事業者に要望する場合 エ 自動車運送事業者からの申請に基づき意見書等を交付する場合