○神奈川県警察特別救助隊の編成及び運用要綱の制定について (平成6年8月30日例規第58号/神備発第335号) 各所属長あて 本部長 この度、別添「神奈川県警察特別救助隊の編成及び運用要綱」を制定し、平成6年9月1日から施行することとしたので、真に実効のあがるよう効果的な運用に努められたい。 おって、次の例規通達は、廃止する。 1 神奈川県警察特別救助隊の編成及び運用要綱の制定について(昭和50年5月15日 例規、神備発第170号) 2 神奈川県警察機動隊航空救助隊設置要綱の制定について(昭和42年8月1日 例規、神備発第237号)                     記 第1 制定の趣旨  各種の災害又は突発重大事故発生時における人命救助及び捜索活動(以下「救助活動等」という。)のための特別救助隊の運用は、「神奈川県警察特別救助隊の編成及び運用要綱」に基づき行ってきたところであるが、警察署特別救助隊の部隊編成及び運用については実情にそぐわない面が生じてきたこと、第一機動隊及び第二機動隊(以下「県機動隊」という。)の山岳救助隊及び潜水救助隊についてはこれを定めた規程がなく、事実上の部隊として運用してきたことなどから、特別救助隊をレスキュー隊に、山岳救助隊をレンジャー隊に、潜水救助隊をスクーバ隊に部隊名称をそれぞれ改めて県機動隊のみに編成することとし、三部隊を統合した運用要綱を制定して、救助活動等の適正かつ効果的な運用を図ることとしたものである。  なお、県機動隊の機能別部隊である航空救助隊は、地域部に「機動警ら班」が設置され、警察航空機による救助活動等を行っていることから、その編成の必要性が認められないため、廃止することとした。 第2 制定の要点 1 レスキュー隊、レンジャー隊及びスクーバ隊を総称して神奈川県警察特別救助隊(以下「特別救助隊」という。)とし、県機動隊の各隊に編成することとした。 2 特別救助隊の隊員は、県機動隊長が指定することとした。 3 特別救助隊の出動対象事案を定めた。 4 特別救助隊は、警備部長の命により出動することとした。 5 特別救助隊は、人の生命、身体等に危険が及ぶ災害又は事故の発生場所を管轄する警察署長(以下「管轄警察署長」という。)の指揮下において、任務を遂行することとした。 6 管轄警察署長は、関係機関との連絡及び調整に当たることとした。 第3 特別救助隊の性格  特別救助隊は、人の生命、身体等に危険が及ぶ災害又は事故(以下「災害等」という。)が発生した場合において、特殊な技術と装備資器材を活用した被災者又は事故者の迅速、的確な救助、災害等の拡大防止及び各種捜索活動を行うことを任務とするものであり、その性格は、県機動隊の機能別部隊である。 別添  神奈川県警察特別救助隊の編成及び運用要綱 (趣旨) 第1条 この要綱は、神奈川県警察特別救助隊(以下「特別救助隊」という。)の編成及び運用について必要な事項を定めるものとする。 (任務) 第2条 特別救助隊は、人の生命、身体等に危険が及ぶ災害又は事故(以下「災害等」という。)が発生した場合において、特殊な技術と装備資器材(車両を含む。以下同じ。)を活用した被災者又は事故者(以下「被災者等」という。)の迅速、的確な救助、災害等の拡大防止及び各種捜索活動(以下「救助活動等」という。)を行うことを任務とする。 (編成) 第3条 特別救助隊は、第一機動隊及び第二機動隊(以下「県機動隊」という。)に編成し、その種別は、レスキュー隊、レンジャー隊及びスクーバ隊とする。 2 特別救助隊の編成基準は、別表第1のとおりとする。 (隊員の指定) 第4条 特別救助隊の隊員は、身体強健で、人格及び識見に優れた県機動隊の隊員のうち、次の各号に掲げる要件を満たし、かつ、別途定める体力基準に該当する者の中から県機動隊長が指定するものとする。 (1) 中隊長 部隊指揮能力に優れている警部の階級にある警察官 (2) 小隊長 警部又は警部補の階級にある警察官 (3) 分隊長 警部補又は巡査部長の階級にある警察官 (4) 分隊員 巡査部長又は巡査の階級にある警察官 (運用) 第5条 特別救助隊は、それぞれの固有編成の単位で運用するものとする。ただし、出動対象事案の規模及び態様に応じ、連合編成又は合同編成による運用を図ることができるものとする。 (出動対象事案) 第6条 特別救助隊の出動対象事案は、別表第2に掲げるとおりとする。 2 特別救助隊は、前項に掲げる出動対象事案以外の場合であっても、警備部長が警察業務の遂行上必要があると認めるときは、出動するものとする。 (出動要請) 第7条 警察本部の課長、室長及び部の附置機関の長(県機動隊長を除く。)並びに警察署長は、特別救助隊の出動を要請する必要があると認めるときは、警備部長(警備課経由)に対し、特別救助隊の待機又は出動を要請するものとする。 2 前項に規定する要請は、無線、電話等により災害等の概要、要請部隊の種別及び規模、集結の時間、場所及び順路その他特に留意すべき事項を明示して行うものとする。 (出動) 第8条 特別救助隊は、警備部長の命により出動するものとする。 2 警備部長は、特別救助隊の活動に警察用船舶の運用を必要と認めるときは、地域部長と協議し、運用を図るものとする。 (部隊の指揮) 第9条 特別救助隊は、災害等の発生場所を管轄する警察署長(以下「管轄警察署長」という。)の指揮下において、任務を遂行するものとする。 (救助の心構え) 第10条 特別救助隊の指揮官及び隊員は、別表第3に掲げる救助の心構えを遵守し、救助活動等を安全かつ的確に行うよう務めなければならない。 (関係機関との連絡及び調整) 第11条 管轄警察署長は、災害等の現場において、救助活動等が迅速かつ円滑に行えるよう、関係機関との連絡及び調整に当たるものとする。 (報告) 第12条 県機動隊長は、特別救助隊の隊員を指定したときは、警備部長(警備課経由)に報告するものとする。 2 県機動隊長は、特別救助隊が出動した場合は、当該出動終了後速やかに、その結果を警備部長(警備課経由)に報告するものとする。 3 管轄警察署長は、活動中に事故が発生した場合は、警備部長(警備課経由)に速報するものとする。 (教育訓練及び装備資器材の整備) 第13条 県機動隊長は、随時、隊員の教育訓練を行い技術の向上を図るとともに、装備資器材の整備点検を実施して、救助活動等が安全かつ円滑に行われるよう努めなければならない。