○神奈川県警察要保護者取扱規程(概要) (昭和35年10月4日神奈川県警察本部訓令第19号) 最終改正 令和4年3月3日神奈川県警察本部訓令第3号 神奈川県警察要保護者取扱規程を次のように定める。 神奈川県警察要保護者取扱規程 (趣旨) 第1条 この訓令は、警察官職務執行法(昭和23年法律第136号。以下「警職法」という。)及び酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律(昭和36年法律第103号。以下「酩酊者規制法」という。)に定めるもののほか、要保護者の保護の適正な実施に関し必要な事項を定めるものとする。 (用語の意義) 第2条 この訓令において使用する用語の意義は、警職法及び酩酊者規制法において使用する用語の例によるほか、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 (1) 要保護者 警職法第3条第1項に規定する者及び酩酊者規制法第3条第1項に規定する者をいう。 (2) 泥酔者 警職法第3条第1項第1号に掲げる者のうち、泥酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれのある者をいう。 (3) 酩酊者 酩酊者規制法第1条に規定する者で、かつ、同法第3条第1項の場合に該当するものをいう。 (処遇の適正) 第3条 要保護者の取扱いに当たつては、法令及び特に定めるところによるほか、この訓令に従い、その適正を期し、人権を侵害することのないように留意しなければならない。 (保護の責任等) 第4条 警察署長(以下「署長」という。)は、要保護者の取扱い及び保護室の管理運営について全般の指揮監督に当たり、その責に任ずるものとする。 2 副署長及び生活安全部の所掌に係る警察(以下「生活安全警察」という。)又は地域警察その他の警ら警察(以下「地域警察」という。)を担当する次長は、署長の命を受け、要保護者の取扱い及び保護室の管理運営(地域警察を担当する次長にあつては保護室の管理を除く。)について生活安全警察又は地域警察を担当する課長(以下「保護主任者」という。)以下の警察官を指揮監督し、署長を補佐するものとする。 3 次の表の左欄に掲げる保護主任者は、それぞれ同表の右欄に掲げる者の保護について署長を補佐し、保護に当たる警察官を指揮監督するとともに、要保護者の取扱いについて直接その責に任ずるものとする。 地域警察を担当する課長 泥酔者及び酩酊者 生活安全警察を担当する課長 泥酔者及び酩酊者以外の要保護者 4 保護主任者が不在の場合は、泥酔者及び酩酊者(以下「泥酔者等」という。)の保護にあつては地域警察幹部(地域警察幹部が不在の場合は当直主任)が、泥酔者等以外の保護にあつては当直主任又は署長の指定した者が、保護主任者がに代つてその職務を行うものとする。 5 生活安全警察を担当する課長は、保護室の管理についてその責を負うものとする。この場合において、第17条に規定する保護室の代用室の管理は、神奈川県警察庁内管理規程(昭和54年神奈川県警察本部訓令第15号)第5条に規定する各室管理者がその責を負うものとされていることから、第17条の規定により保護室の代用室を指定するときは、当該各室管理者と調整をとるものとする。 (取扱上の心構え) 第5条 警察官は、要保護者の取扱いに当たつては、次の各号に掲げる事項を遵守し、適正な取扱いをしなければならない。 (1) 要保護者の性格その他個々の態様に応じ、それにふさわしい処遇をするよう留意すること。 (2) 精神錯乱者又は泥酔者等の保護に当たつては、自殺、自傷等を防止するとともに、他の者に危害又は損害を及ぼすことのないように留意すること。 (3) 迷子、病人、負傷者等の保護に当たつては、その者の家族が観護する心情をもつて取り扱い、特に病人、負傷者等は速やかに医療の措置をとること。 (保護の着手) 第6条 警察官は、要保護者を発見したときは、その状態に応じてとりあえず必要な措置を講じ、速やかに保護主任者(保護主任者に代わつてその職務を行う者を含む。以下同じ。)のもとに同行し、保護を必要とする理由、観護上注意を要する事項等を報告し、保護主任者の指揮を受けなければならない。ただし、病人、負傷者、短時間内に家族、知人、その他の関係者に引渡しを行い得る者等については、保護主任者の指揮を受けて病院、交番、駐在所その他適当な場所で保護することができる。 (同行時の留意事項) 第7条 警察官は、前条の規定により要保護者を同行する場合において、要保護者が精神錯乱又は泥酔若しくは酩酊のため乱暴する者であるときは、必要に応じ、2人以上により、又は自動車を利用する等により危害防止に留意するものとする。 (事故及び危害の防止) 第8条 警察官は、精神錯乱者又は泥酔者等が乱暴し、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼす状況にある場合において、その危害を防止し、適切にその者を保護するために他の方法がないと認められるときは、真にやむを得ないと認められる限度で、その行動を抑止するための手段をとることができる。この場合において、警察官は、あらかじめ保護主任者の指揮を受けた上で当該手段をとらなければならない。 2 前項後段の場合において、緊急を要し、保護主任者の指揮を受けるいとまのないときは、必要な措置を講じた上で、事後速やかに保護主任者に報告し、その指揮を受けなければならない。 (保護主任者の措置) 第9条 保護主任者は、第6条本文の規定により報告を受け、その保護を必要と認めるときは、要保護者の身柄を受け取るとともに、要保護者の年齢、性別、健康状態、自殺のおそれの有無等個々の態様に応じて、その者の保護に当たる警察官を指定し、保護する場所の選定その他必要な事項について、これを指揮しなければならない。 (保護カード) 第10条 警察官は、要保護者を取り扱つたときは、その都度保護カード(Aカード)(第1号様式。以下「Aカード」という。)又は保護カード(Bカード)(第2号様式。以下「Bカード」という。)に必要事項を記入し、その状況を明らかにしておかなければならない。 2 Aカードは、要保護者を発見した警察官が作成し、保護主任者に提出するものとする。 3 Bカードは、保護室に保護する要保護者について保護主任者又はその指示を受けた者が作成するものとする。 (要保護者の身元の確認措置) 第11条 警察官は、要保護者がその住所若しくは居所及び氏名を申し立てることができない場合又は申立てをしても確認することができない場合において、ほかに方法がないと認められ、かつ、要保護者が拒まないときに限り、必要な限度において、要保護者の所持品等から身元を確認するための措置(以下「身元確認の措置」という。)をとることができる。 2 前項の規定による身元確認の措置は、保護主任者の指揮を受けた上で、保護の場所において行うものとする。 3 警察官は、要保護者から疾病、外傷等の有無その他の健康状態について聴取するなどして確認するとともに、その状況をAカードに記入して明らかにしておかなければならない。 4 要保護者が女子の場合において、身元確認の措置をとるときは、原則として、女性警察官が行うものとする。ただし、女性警察官が不在の場合において、緊急かつやむを得ないときは、保護主任者の指示の下、必要な限度において取扱警察官が当該措置をとることができる。 (危険物等の保管) 第12条 警察官は、要保護者を保護するに当たつては、その保護に必要な限度において、要保護者が自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれのある物(以下「危険物」という。)を所持しているかどうかを確かめ、これを発見したときは保管するものとする。ただし、警職法第3条第1項第2号に掲げる病人、負傷者等についての危険物の確認及び保管は、その者の承諾を得てから行わなければならない。 2 前項の措置をとる場合においては、現金、有価証券その他貴重品等(以下「金品」という。)で要保護者に所持させておくことにより、亡失又は破損するおそれのあるものについても、努めて保管するようにするものとする。 3 前2項の規定により危険物又は金品(以下「危険物等」という。)を保管する場合は、やむを得ないときを除いては、立会人を置き、その数量及び保管者名をAカードに記入し、その取扱状況を明確にしておかなければならない。 (保護の場所) 第13条 要保護者を保護する場所については、次の各号に掲げるとおりとする。 (1) 精神錯乱者又は泥酔者等で、かつ、乱暴し、若しくは騒ぎ、又は警察官の制止をきかずにふらつく者にあつては、保護室において保護すること。 (2) 前号に掲げる者以外にあつては、事務室その他観護上適当な場所において保護すること。この場合において、家族、知人その他責任ある身柄引取人が見つからない者で、かつ、精神錯乱者又は泥酔者等であるときは、その者の状況により保護室において保護することができる。 (観護勤務者) 第14条 保護室に保護した要保護者の観護は、保護主任者が指定した警察官が当たるものとする。 (保護室に保護する場合の措置) 第15条 保護主任者は、要保護者を保護室に保護しようとする場合は、危険物等を保管するとともに、Bカードにその旨を記入するものとする。 (嘱託保護の要請) 第16条 署長は、要保護者が精神錯乱等、泥酔若しくは酩酊のため乱暴する場合又は自傷若しくは他害のおそれがある場合であつて、保護室が設置されていないとき又は既に別の要保護者が収容されているため適正な保護に支障があるときは、他の署長が管理する保護室における保護(以下「嘱託保護」という。)を当該署長に要請することができる。 2 嘱託保護に係る手続は、別に定める。 (代用室の使用) 第17条 保護室が設置されていない警察署の長は、署内の構造、設備等を十分に勘案した上で、要保護者を保護することが適切と認められる場所を保護室の代用室(以下「代用室」という。)としてあらかじめ指定し、これを使用することができる。 2 第9条から第14条までの規定は、代用室の使用について準用する。 (事故発生時の措置) 第18条 警察官は、要保護者について異常を発見した場合その他緊急を要する場合は、必要な措置をとり、直ちにその状況を保護主任者を経て署長に報告しなければならない。 2 署長は、要保護者が自殺し、若しくは疾病等により死亡した場合又は要保護者の逃走等の事故その他の事故が発生した場合は、直ちに応急の措置をとり、その状況を生活安全部人身安全対策課長又は地域部地域総務課長を経て警察本部長に報告しなければならない。 (要保護者の身柄の措置等) 第19条 保護の措置をとつた場合においては、保護主任者は速やかに要保護者の家族、知人その他身柄引取人の有無を調査し、責任ある身柄引取人があるときは、これに通知し、要保護者を引き渡さなければならない。 2 前項の身柄引取人がいないときは、次の各号により措置しなければならない。 (1) 要保護者が病人、負傷者等である場合は、その者の保護を生活保護法(昭和25年法律第144号)第19条第1項、第2項若しくは第6項又は行旅病人及行旅死亡人取扱法(明治32年法律第93号)第2条第1項に規定する保護義務者に引き継ぐこと。 (2) 要保護者が迷子等である場合は、触法調査又はぐ犯調査に関する書類の様式を定める訓令(平成19年警察庁訓令第12号)に定める児童通告書により、児童相談所又は福祉事務所(保健福祉事務所を含む。)に通告すること。 (3) 要保護者が前各号に該当しない場合は、保護の必要がなくなつた後、速やかに保護解除の措置をとること。 3 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第23条に基づく通報は精神障害者(その疑いのある者)保護通報書(第3号様式)により、酩酊者規制法第7条に基づく通報はアルコール慢性中毒者(その疑いのある者)保護通報書(第4号様式)により、身柄引取人の有無にかかわらず、速やかに最寄りの保健所長(保健福祉事務所長を含む。)に対して行わなければならない。 4 保護責任者の行う保護解除の手続は、次の各号のとおり行うものとする。 (1) 保管した危険物等を確認の上、要保護者又は身柄引取人に返還し、その旨をAカードに記入し、明らかにしておくこと。 (2) 要保護者を身柄引取人に引渡した場合は当該身柄引取人の住所、職業、氏名及び要保護者との続柄を、官署に引き継いだ場合は官署名等をAカードに記入させ、その手続を明らかにしておくこと。 (保護期間の延長) 第20条 保護主任者は、要保護者を24時間を超えて保護する必要を認めたときは、署長の指揮を受け、あらかじめ所轄簡易裁判所の裁判官に対し、保護許可状請求書(第5号様式)により保護許可状の発付を請求しなければならない。 (裁判所に対する通知) 第21条 署長は、保護した要保護者の保護状況を毎週保護通知書(第6号様式)により、所轄簡易裁判所に通知しなければならない。 (この訓令の準用) 第22条 第3条から第12条まで及び第14条から第18条までの規定は、次の各号の場合に準用する。 (1) 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第33条の規定により、児童相談所長から児童の一時保護の委託を受けて保護室に一時保護する場合 (2) 少年法(昭和23年法律第168号)第13条第2項の規定により、同行状を執行する場合、又は少年院法(平成26年法律第58号)第89条第2項若しくは第90条第5項若しくは少年鑑別所法(平成26年法律第59号)第78条第2項若しくは第79条第5項の規定により、連れ戻すべき者を連れ戻す場合において、やむを得ない事情により保護室に仮に収容する場合 (3) 売春防止法(昭和31年法律第118号)第22条第3項若しくは第27条第6項の規定により収容状若しくは再収容状を執行する場合、又は婦人補導院法(昭和33年法律第17号)第16条第1項若しくは第3項の規定により、婦人補導院からの逃走者を連れ戻し、若しくは連戻し収容状を執行する場合において、やむを得ない事情により保護室に一時収容する場合 (4) 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成15年法律第110号)第75条第2項の規定により対象者を、又は同法第99条第4項後段の規定により無断退去者を保護室に保護する場合 (5) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第39条第2項の規定により無断退去者を保護室に保護する場合 附則 1 この訓令は、昭和35年11月1日から施行する。 2 神奈川県警察要保護者取扱規程(昭和34年神奈川県警察本部訓令第23号)は廃止する。 附則(昭和36年7月1日神奈川県警察本部訓令第15号) この訓令は、昭和36年7月1日から施行する。 附則(昭和43年3月31日神奈川県警察本部訓令第5号) この訓令は、昭和43年4月1日から施行する。 附則(昭和44年3月31日神奈川県警察本部訓令第4号) この訓令は、昭和44年4月1日から施行する。 附則(昭和45年4月1日神奈川県警察本部訓令第4号) この訓令は、昭和45年4月1日から施行する。 附則(昭和48年4月1日神奈川県警察本部訓令第6号) この訓令は、昭和48年4月1日から施行する。 附則(昭和53年3月24日神奈川県警察本部訓令第7号)抄 1 この訓令は、昭和53年3月24日から施行する〔後略〕。 附則(昭和54年2月27日神奈川県警察本部訓令第5号) この訓令は、昭和54年3月1日から施行する。 附則(昭和55年3月31日神奈川県警察本部訓令第3号) この訓令は、昭和55年4月1日から施行する。 附則(昭和57年12月21日神奈川県警察本部訓令第13号) この訓令は、昭和58年1月1日から施行する。 附則(昭和59年3月19日神奈川県警察本部訓令第10号)抄 1 この訓令は、昭和59年4月1日から施行する。 附則(昭和62年2月20日神奈川県警察本部訓令第2号) この訓令は、昭和62年2月20日から施行する。 附則(昭和63年6月29日神奈川県警察本部訓令第7号) この訓令は、昭和63年7月1日から施行する。 附則(平成元年3月22日神奈川県警察本部訓令第5号) この訓令は、平成元年4月1日から施行し、平成元年1月8日から適用する。 附則(平成4年7月8日神奈川県警察本部訓令第30号) この訓令は、平成4年7月8日から施行する。 附則(平成4年10月6日神奈川県警察本部訓令第33号) この訓令は、平成4年10月8日から施行する。 附則(平成6年11月1日神奈川県警察本部訓令第25号) 1 この訓令は、平成6年11月6日から施行する。 2 改正前の様式に基づいて作成した用紙は、なお当分の間、必要な調整をして使用することができる。 附則(平成7年3月24日神奈川県警察本部訓令第3号) 1 この訓令は、平成7年4月1日から施行する。 2 改正前の様式に基づいて作成した用紙は、なお当分の間、必要な調整をして使用することができる。 附則(平成7年11月20日神奈川県警察本部訓令第19号) この訓令は、公布の日から施行する。 附則(平成9年9月9日神奈川県警察本部訓令第19号) 1 この訓令は、平成9年9月11日から施行する。 2 改正前の様式に基づいて作成した用紙等は、なお当分の間、必要な調整をして使用することができる。 附則(平成11年3月31日神奈川県警察本部訓令第7号) この訓令は、平成11年4月1日から施行する。 附則(平成12年12月25日神奈川県警察本部訓令第29号) この訓令は、平成13年1月1日から施行する。 附則(平成18年3月3日神奈川県警察本部訓令第5号) この訓令は、平成18年4月1日から施行する。 附則(平成19年5月30日神奈川県警察本部訓令第14号) この訓令は、平成19年6月1日から施行する。 附則(平成20年3月13日神奈川県警察本部訓令第3号) この訓令は、平成20年4月1日から施行する。 附則(平成26年3月28日神奈川県警察本部訓令第8号) この訓令は、平成26年4月1日から施行する。 附則(平成28年3月4日神奈川県警察本部訓令第2号) 1 この訓令は、平成28年4月1日から施行する。 2 改正前の様式に基づいて作成した用紙は、なお当分の間、必要な調整をして使用することができる。 附則(平成28年5月31日神奈川県警察本部訓令第14号) この訓令は、平成28年6月1日から施行する。 附則(平成29年3月31日神奈川県警察本部訓令第10号) この訓令は、平成29年4月1日から施行する。 附則(令和元年6月17日神奈川県警察本部訓令第9号) 1 この訓令は、令和元年7月1日から施行する。 2 改正前の様式に基づいて作成した用紙は、なお当分の間、必要な調整をして使用することができる。 附則(令和3年9月17日神奈川県警察本部訓令第16号) 1 この訓令は、令和3年9月17日から施行する。 2 改正前の様式に基づいて作成した用紙は、なお当分の間、必要な調整をして使用することができる。 附則(令和4年3月3日神奈川県警察本部訓令第3号) この訓令は、令和4年4月1日から施行する。