神少育発第65号
令和2年3月10日

本部各部長 警察学校長 各市警察部長 方面本部長 組織犯罪対策本部長 運転免許本部長 各所属長 殿

警察本部長

学校警察連携制度の運用について(通達)
 学校警察連携制度は、児童・生徒の非行防止、犯罪被害防止及び健全育成を目的とする制度で、県内全ての教育委員会並びに県私立小学校協会、県私立中学高等学校協会及び横浜国立大学教育学部と協定を締結し、「学校警察連携制度の運用について」(平成31年3月20日神少育発第66号)により運用してきたところであるが、引き続き、次のとおり行うこととするので、部下職員に周知徹底し、実効ある運用に努められたい。
記
1 目的
  学校警察連携制度は、教育委員会等と警察本部が締結した協定に基づき、相互に児童・生徒の個人情報を提供し、緊密に連携して指導に活用することにより、児童・生徒の非行防止、犯罪被害防止及び健全育成を図ることを目的とする。
2 運用の基本
  学校警察連携制度の運用に当たっては、学校と警察が連携して個々の児童・生徒の問題行動や犯罪被害に対する立ち直り支援活動等を実施することを基本とする。
  なお、犯罪捜査に関する情報の取扱いは、学校警察連携制度の対象外であり、明確に区別して取り扱うものとする。
3 学校警察連携制度の対象となる学校
  学校警察連携制度の対象となる学校(以下「対象校」という。)は、別表に定めるとおりとする。
  なお、私立の小学校、中学校及び高等学校の賛同校については、別途連絡する。
4 学校警察連携主任者
  警察署に学校警察連携主任者(以下「連携主任者」という。)を置き、生活安全課長(二課制の警察署にあっては生活安全第一課長)をもって充てる。
  連携主任者は、警察署長の指揮を受け、学校警察連携制度を適切に運用するとともに、同制度に係る児童・生徒の個人情報の適正な管理を行うものとする。
5 警察から対象校への情報提供
 (1) 情報提供を行う事案
   警察署長は、別表に掲げる事案(以下「対象事案」という。)について、当該対象事案に係る対象校との連携を必要と認めた場合に情報提供を行うこと。
 (2) 情報提供の方法
   連携主任者は、警察署長の指揮を受け、対象事案に係る対象校の校長又は校長が指定する者に、別記様式「児童・生徒の健全育成を推進する連絡票」(以下「連絡票」という。)により情報提供を行うこと。
 (3) 情報提供の時期
   連携主任者は、対象事案を認知した際は、原則として速やかに情報提供を行うものとする。ただし、逮捕又は身柄付通告した事案で、共犯者が逃走中であるなどの場合は、捜査等に支障がなくなった後に情報提供を行うこと。
6 対象校からの情報提供に基づく対応
 (1) 情報提供が行われる事案
   対象事案について、当該対象事案に係る対象校の校長が警察との連携を必要と認めた場合に情報提供が行われる。
 (2) 連携のための協議及び支援活動
   対象校から情報提供を受けた場合は、対象校及び保護者等と協議の上、積極的に支援活動を行うこと。また、情報提供を受けた事案の態様に応じて、少年サポートチーム活動、保護者、地域ボランティア等が一体となった支援活動についても配慮すること。
 (3) 犯罪被害防止活動の推進
   児童・生徒の犯罪被害に関する情報については、対象校等と連携した被害防止対策を推進するほか、児童・生徒に対する継続的な支援についても配慮すること。
 (4) 犯罪捜査に関する留意事項
   協定に基づき支援・指導を行っていた児童・生徒の犯罪行為が発覚し、犯罪捜査を行う場合は、協定に基づき収集した個人情報の証拠資料としての利用は行わないものとし、必要に応じ、改めて法令に基づく証拠化措置を講ずること。
7 連絡票
 (1) 作成要領
   別添「児童・生徒の健全育成を推進する連絡票の作成要領」に従い作成すること。
 (2) 指導・支援状況の記録化
   対象校から情報提供を受け、招致指導等を行う場合は、招致した日時、場所、指導内容等を記録(任意様式)し、連絡票とともに保管すること。
 (3) 保存期間等
  ア 連絡票は、会計年度ごとに整理・保管するものとし、保存期間は1年(作成日の属する年度の翌年度末まで)とする。
  イ 連携主任者は、連絡票の保存期間が満了したときは、細断するなど復元不能な方法により速やかに廃棄すること。
8 少年育成課への連絡
 (1) 対象校に情報提供を行う場合は、あらかじめ生活安全部少年育成課(以下「少年育成課」という。)に連絡の上、作成した連絡票の内容確認を受けること。
 (2) 対象校から情報提供を受けた場合は、署長決裁を受けた連絡票(写し)を重要文書扱いの逓送により少年育成課へ速やかに送付すること。
 (3) 対象校が遠隔地である等の理由により、自署において対象校に連絡票を交付することが困難な場合は、少年育成課に連絡の上、対象校の所在地を管轄する警察署に連絡票の交付を依頼すること。
9 留意事項
 (1) 秘密の保持の徹底
   連絡票は、施錠することのできるロッカー等に保管し、情報の保護を徹底し、秘密の保持に努めること。
   また、対象校との連絡票の授受は、必ず手渡しで行うこと。
 (2) 警察署間の連携
   警察署長は、管轄の内外を問わず、学校と連携した支援・指導が必要な対象校の児童・生徒を取り扱った際は、対象校への積極的な情報提供を行うとともに、関係する警察署との連携に配慮すること。
 (3) 少年相談・保護センターとの連携
   連絡票に基づく児童・生徒の支援・指導に当たっては、少年相談・保護センターと緊密な連携を図ること。

別表、別記様式については省略

別添(7(1)関係)
児童・生徒の健全育成を推進する連絡票の作成要領
1 作成枚数
  児童・生徒ごとに、1人1枚作成する。
2 発信年月日時欄
  連絡票を発信した日時を記載する。ただし、連絡票の交付前に口頭で発信した場合は口頭で発信した日時を記載する(後に連絡票を発出した日時ではないので注意すること。)。
3 発信者欄及び受信者欄
  警察署長及び学校長の職名及び氏名を記載する。
4 児童・生徒欄
   該当する児童・生徒について、項目ごとに記載すること。
5 事案の概要欄
  事案の概要を六何の原則で簡潔に記載することとし、共犯者名、被害者名は記載しないこと。現場の住所についても、番地・店名等は不要であり、○○町所在の公園、○○町路上などと記載すること。
  また、警察が行った措置状況を「○年○月○日、当該生徒を逮捕した。」等と簡記すること。
6 学校が行った指導欄
  対象校側で記載するものであり、警察側での記載は必要ない。
7 関係当事者への連絡状況欄
  本人及び保護者に対し、対象校へ連絡する旨を告げた状況(通知月日時分、通知方法、通知先、通知者階級・氏名)を記載すること。その他参考となる事項については、備考欄に記載すること。
  また、被害者の名前等の情報を提供する場合は、被害者から同意を得る必要があり、同意を得た場合は備考欄にその旨を記載すること。