○被害者カウンセラーの運用について (平成17年9月12日 例規第50号 神務発第1785号) 最終改正 平成27年3月27日 例規第16号 神務発第419号  各所属長あて 本部長  このたび、被害者カウンセラーの運用について次のように定め、平成17年9月14日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。  記 1 趣旨  犯罪の被害者は、その犯罪による直接的な被害だけでなく、その結果として生じる精神的被害、経済的被害等多くの被害を受け、中でも精神的被害の問題は、極めて深刻であり、犯罪による著しいストレス障害を抱え、精神的な援助を必要としている被害者が数多く認められるところである。これらの状況を踏まえ、被害者の精神的被害の軽減及び回復を図るため、警務部警務課被害者支援室(以下「被害者支援室」という。)に被害者カウンセラーを置き、これらの被害者に対する支援に当たらせることとしたものである。 2 用語の意義 (1) 被害者  次の犯罪(未遂を含む。)により被害を受けた者及びその親族(遺族を含む。)で、精神的被害が大きいため被害者カウンセラーによる危機介入、カウンセリング等が必要であると認められる者をいう。 ア 身体犯 (ア) 殺人罪(刑法(明治40年法律第45号)第199条) (イ) 強姦(かん)罪(刑法第177条) (ウ) 強制わいせつ罪(刑法第176条) イ 交通事故事件 (ア) 死亡ひき逃げ事件(刑法第211条又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成25年法律第86号)第5条並びに道路交通法(昭和35年法律第105号)第72条第1項前段) (イ) 危険運転致死傷事件(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条及び第3条) ウ その他その態様から精神的被害が大きいと認められる犯罪 (2) 被害者カウンセラー  神奈川県警察の組織に関する規則(昭和44年神奈川県公安委員会規則第2号)第70条の2に規定する相談専門員及び同規則第70条の3に規定する心理員のうち被害者支援室に勤務する者をいう。 (3) 危機介入  犯罪被害後間もない時期に、被害者に付き添い、相談に応ずるなど、被害者の不安定な心理状態を可能な限り早く元の状態に戻すために行う初期的な対応をいう。 (4) カウンセリング  心理学等の専門的知識及び技能に基づき、被害者の悩み、不安等について話を聞き、助言を与えることにより、被害者の精神的被害の回復及び軽減を図る精神的支援活動をいう。 3 被害者カウンセラーの任務 (1) 被害者に対する危機介入を行うこと。 (2) 被害者に対するカウンセリングを行うこと。 (3) 警察職員に対し、被害者への対処方法等に関し、必要な助言、指導及び教養を行うこと。 (4) 被害者の支援に関する調査及び研究を行うこと。 (5) その他被害者の精神的支援に関すること。 4 被害者カウンセラーの運用 (1) 派遣要請 ア 事件の捜査を主管する警察本部の課長及び部の附置機関の長並びに警察署長(以下「事件主管所属長」という。)は、被害者を認知した場合は、被害者カウンセラー派遣要請書(第1号様式。以下「要請書」という。)により、警務部警務課長(以下「警務課長」という。)に被害者カウンセラーの派遣を要請するものとする。ただし、急を要する場合は、電話等により要請し、事後速やかに要請書を送付するものとする。 イ 被害者が神奈川県警察少年警察活動規程(平成9年神奈川県警察本部訓令第20号)第2条第9号に規定する被害少年に該当する場合は、同条第11号に規定する少年相談員による支援を優先するものとする。 (2) 派遣  警務課長は、(1)により派遣要請を受けた場合において必要と認めるときは、被害者カウンセラーを派遣するものとする。 (3) 活動内容 ア 被害者カウンセラーは、事前に捜査員及び被害者支援要員(以下「捜査員等」という。)から事件の概要及び被害者の状態に関する情報を入手して把握するとともに、被害者の状態に応じ、危機介入、カウンセリング等の必要な支援を行うものとする。 イ 被害者カウンセラーは、捜査員等に対し、危機介入、カウンセリング等の実施結果を伝えるとともに、捜査過程等における被害者の第二次的被害(警察の捜査活動等によって、被害者に更なる精神的被害等の負担をかけることをいう。)を防止するための必要な助言等を行うものとする。 (4) 報告等 ア 被害者カウンセラーは、被害者に対する危機介入、カウンセリング等を実施したときは、その結果を危機介入、カウンセリング等結果報告書(第2号様式。以下「報告書」という。)により警務課長に報告するものとする。この場合において、警務課長は、当該報告の内容に社会的反響が見込まれるなどの特異な事項が認められるときは、警察本部長に報告するものとする。 イ 警務課長は、アにより報告を受けたときは、必要に応じて報告書の写しを当該派遣要請を行った事件主管所属長に送付するなど、緊密な連携を図るものとする。 5 運用上の配意事項 (1) 事件主管所属長は、危機介入、カウンセリング等の重要性について部下職員に周知徹底するとともに、被害者カウンセラーの積極的な運用に配意すること。 (2) 被害者カウンセラーの派遣については、原則として通常勤務の時間(神奈川県警察処務規程(昭和44年神奈川県警察本部訓令第3号)第23条第1項第1号に規定する通常勤務者の勤務時間をいう。)内において行うこと。 (3) 危機介入は、可能な限り早い時期に実施する必要があることから、事件主管所属長は、被害者を認知後、速やかに被害者カウンセラーの派遣を要請すること。 (4) 事件主管所属長及び警務課長は、被害者カウンセラーによる危機介入、カウンセリング等が、被害者に精神的な負担をかけない環境で行われるよう、その実施場所の確保に配意すること。 (5) 事件主管所属長は、部下職員に被害者カウンセラーと緊密な連携を図らせ、被害者の適切な支援に努めること。 附則(平成19年9月13日例規第32号神交総発第696号) 附則(平成22年3月30日例規第17号神務発第480号) 附則(平成26年5月14日例規第26号神交総発第351号) 附則(平成27年3月27日例規第16号神務発第419号)