○神奈川県警察マイクロフィルム文書取扱要領の制定について  各所属長あて 本部長  神奈川県警察マイクロフィルム文書取扱規程の制定に基づき、マイクロフィルムの撮影基準、撮影方法等規程の施行についての細目的な事項を別添のとおり定めたので、効果的な運用を図られたい。  神奈川県警察マイクロフィルム文書取扱要領 第1 趣旨  この要領は、神奈川県警察マイクロフィルム文書取扱規程(昭和54年神奈川県警察本部訓令第2号。以下「規程」という。)に基づき、マイクロフィルムの撮影基準、撮影方法等規程の施行について細目的な事項を定めるものとする。 第2 文書の整理の特例  規程第3条に規定するマイクロフィルムに撮影する文書の整理は、次のとおりとする。 (1) 年度別、所属別、予算科目別、事業別等マイクロフィルム化後、索引が効果的にできる方法で整理する。 (2) 撮影する文書等の各ページには、次に定める方法によつてナンバーリング等により文書番号を付するものとする。 ア 文書番号を付する箇所は、原則として各ページの右上端とする。 イ ページの数え方は、次のとおりとする。 (ア) 袋とじ及び折り込みページの場合は、1ページとする。 (イ) 両面(表、裏)使用の場合は、2ページとする。 第3 撮影文書の範囲  規程第4条に規定する文書をそのまま保存することが適当と認められる文書は、次のとおりとする。 (1) 色別が重要な要件である文書 (2) 厳格な撮影縮率が要求される図面 (3) マイクロフィルム化により合理的事務運営の効果が期待できない文書 第4 撮影基準等  規程第9条第1項第4号に規定するターゲット等の挿入方法及び規程第10条第1項に規定する撮影の基準は、次のとおりとする。 (1) フィルムの構成  別表第1のとおりとする。 (2) ターゲット等の様式及び用法  次に掲げるターゲット等を使用するものとする。 ア マイクロフィルム文書撮影依頼書(規程第1号様式)  原文書が正しく存在したことを証明するため、撮影する。 イ マイクロフィルム文書撮影・複製命令書(規程第2号様式)  原文書が適切な手続で撮影され、正しく存在したことを証明するため、撮影する。 ウ 試験標板(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会規格の解像力試験図表及びディジタル用試験標板をいう。)  フィルムが作製されたときの条件を示すため、撮影する。 エ 開始ターゲット(第1号様式)  撮影の開始及びフィルムの撮影一連番号(以下「リールNo.」という。)を示すため、撮影する。 オ 終了ターゲット(第2号様式)  撮影の終了を示すため、撮影する。 カ 件名ターゲット(第3号様式)  撮影内容を表示するため、本文の前に撮影する。  ロールフィルム1巻に2件以上の文書を撮影するときは、その都度、件名ターゲットをそう入し、その直前に約10センチメートルの空白を設ける。 キ 文書番号訂正ターゲット(第4号様式)  次に掲げる場合に用いる。 (ア) 撮影する文書の文書番号が重複している場合に、重複している番号に枝番号を付し、そのページを撮影する直前に訂正した旨を表示し、撮影する。 (イ) 撮影する文書の文書番号が欠けている場合に、当該箇所に欠番の旨を表示し、撮影する。 ク 訂正ターゲット(第5号様式)  次に掲げる場合に用いる。 (ア) 撮影中の誤りを取消し、再撮影をする場合に、再撮影を行う直前に取消し及び再撮影をする旨を表示し、撮影する。 (イ) 撮影中の誤りの取消しのみを行う場合に、誤りのあるページの直後に取り消した旨を表示し、撮影する。 ケ 説明ターゲット(第6号様式)  次に掲げる場合に用いる。 (ア) 撮影する文書の全般にわたり損傷、変質、不鮮明その他説明を要する事項がある場合は、件名ターゲットの次にその旨を表示し、撮影する。 (イ) 色別区分、損傷、分割撮影その他説明を要する事項がある場合は当該事項に係るページを撮影する直前に、ページの落丁がある場合は当該箇所にその旨を表示し、撮影する。 コ 修正ターゲット(第7号様式)  撮影後の検査の結果、検査基準に適合しないため、修正事項を再撮影する場合、当該修正事項を撮影する前にその旨を表示し、撮影する。 (3) 一般文書は、原則としてハーフサイズで撮影するものとする。ただし、撮影する文書の大きさによりフルサイズ若しくはフルサイズとハーフサイズを併用し、又は分割して撮影することができる。 (4) フィルム1コマの大きさ ア フルサイズ  縦 15ミリメートル、横 21ミリメートル イ ハーフサイズ  縦 15ミリメートル、横 10.5ミリメートル (5) コマ間隔  原則として、1ミリメートルとする。 (6) プレスメント  別表第2のとおりとする。 (7) 図面の撮影 ア 復元又は拡大する場合の基準を明確にするため、図面、地図等を撮影するときは、原則としてスケール(着色、光沢のないもの)を同時に撮影する。 イ 図面、地図等の分割撮影は、次のとおりとする。 (ア) 分割撮影する場合は、分割基準線を引くものとし、図面内容の複雑な部分の分割は避けるものとする。 (イ) 分割基準線は、輪郭線から内側に約10ミリメートル、外側に約10ミリメートル引き、輪郭線のない場合は、紙の外縁から約20ミリメートルとする。 (ウ) 撮影は、分割基準線を約5ミリメートル超えて撮影する。 (エ) 分割撮影の場合の文書番号は、分割数にかかわらず、一つの番号とし、次のように表示する。 (例) (オ) 撮影は、分割像がフィルム上で正しく見られるようなプレスメントを用いる。 (8) 撮影縮率  撮影縮率は、原則として次の表によるものとする。 機器の種類 FMAC600D 撮影する文書の大きさ A2 縮率 1/35 撮影サイズ フルサイズ 用紙使用方向 横長使用 撮影する文書の大きさ A3 縮率 1/30 撮影サイズ フルサイズ 用紙使用方向 横長使用 撮影する文書の大きさ A4 縮率 1/25 撮影サイズ フルサイズ 用紙使用方向 横長使用 撮影する文書の大きさ A4 縮率 1/25 撮影サイズ ハーフサイズ 用紙使用方向 縦長横書き 撮影する文書の大きさ B4 縮率 1/25 撮影サイズ フルサイズ 用紙使用方向 横長横書き 撮影する文書の大きさ B5 縮率 1/25 撮影サイズ ハーフサイズ 用紙使用方向 縦長横書き 撮影する文書の大きさ B5 縮率 1/25 撮影サイズ フルサイズ 用紙使用方向 横長横書き 機器の種類 i9620 撮影する文書の大きさ A3以下 縮率 1/24 撮影サイズ シンプレックス撮影 撮影する文書の大きさ A4以下 縮率 1/40 撮影サイズ デュプレックス撮影 (9) 撮影縮率の誤差  撮影縮率の誤差は、フィルム上に表示された縮率に対しプラスマイナス3パーセント以内でなければならない。 (10) 解像力及び濃度  撮影の結果、マイクロフィルムの解像力及び濃度が第6の(3)及び(4)に示された数値に適合するように撮影しなければならない。 第5 現像 1 マイクロフィルムの現像は、定められた機器により、それぞれの処方により行わなければならない。 2 撮影後のマイクロフィルム文書を取り扱うときは、指あぶら等の付着を避けるため、清浄な手袋を着用しなければならない。 第6 撮影後の検査基準  規程第11条第1項に規定する撮影後の検査基準は、次のとおりとする。 (1) 外見の検査  マイクロフィルム文書の波打ち、損傷、き裂、膜面の変色等の有無について行う。 (2) 撮影方法の検査  マイクロフィルム文書に文書番号の順序の誤り、ターゲット等の用法及び記載の誤り、像の消失、重なり、焦点ボケその他の撮影上の誤り、異物の付着等の有無について行う。ただし、文書番号の順序の誤りにあつては、連続する2コマに限り許容する。 (3) 解像力の検査  1コマ中の解像力は、次のとおりとする。 ア カメラで撮影された第1代目フィルムは、4本×撮影縮率の分母/ミリメートル以上とする。 イ 活用フィルム文書は、第1代目の解像力の80パーセント以上とする。 (4) 濃度の検査 ア マイクロフィルム文書の1巻の初め、中央及び終わり3箇所のバックグランドについて濃度計により濃度を測定する。ただし、必要があると認めるときは、検査箇所を増やすものとする。 イ アのほか、必要があると認めるときは、マイクロフィルム文書について、濃度計によりフィルムベースの濃度及びかぶり濃度を測定する。 ウ 測定上の数値は、原則として次の条件を満たすものでなければならない。 (ア) アの測定に係るもの a 文書(設計図面を除く。)  0.7から1.3まで(証明を要しないものは、0.6から1.4までに限り許容する。) b 設計図面  0.9から1.2まで (イ) イの測定に係るもの  フィルムベースの濃度及びかぶり濃度の合計0.3以下 (5) 残留銀塩試験及び残留ハイポ試験  公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が定める現像処理後のマイクロフィルム検査基準に基づいて試験を行わなければならない。 第7 マスターフィルム文書証明書のはり付け方法  規程第13条第2項に規定するマスターフィルム文書証明書のはり付け方法は、当該マイクロフィルム文書の終了ターゲットの後方約50センチメートルの箇所に、当該マスターフィルム文書証明書を重ね、次の図のように2か所に穴をあけ、これに強じんな帯封を2本上下に通し、のりではり合わせ、マイクロフィルム文書証明者印により契印するものとする。 第8 整理  規程第17条第2項に規定するマスターフィルム文書の整理分類は、次のとおりとする。 (1) 原文書の所管所属の略名、処理済み年、保存期間、リールNo.及び文書名をフィルム収納箱に表示し、所属別に分類して保存する。 (2) 主管所属の略名は、神奈川県警察行政文書管理規程(昭和57年神奈川県警察本部訓令第12号)第20条第1号に規定する所属の文書記号を用いる。 (3) 文書の処理済み年の年号の記号は、次のとおりとする。  平成―H  昭和―S  大正―T  明治―M (4) 文書の処理済み年は、アラビア数字で表示する。 (5) 文書の保存期間の表示は、次のとおりとする。  30―30年保存文書  10―10年保存文書 (6) 整理記入例は、次のとおりとする。  総務部総務課主管の30年保存の文書で、平成10年処理済み、200番目に撮影されたもの 第9 定期検査の基準  規程第18条第1項に規定する基準は、次のとおりとする。 (1) 撮影後4月を経過する日の属する月に行う検査  マイクロフィルム文書の損傷、膜面の変色及び粘着その他異常の有無について行う。 (2) 毎年10月に行う検査  マイクロフィルム保管室の各トレーの前部、中部及び後部から任意に5パーセントに相当するマスターフィルム文書を抽出して行う。この場合において、前号の基準に適合しないものを発見したときは、その状態により関連するマスターフィルム文書を検査しなければならない。 第10 接合  マイクロフィルム文書の修正部分の接合は、保存上マイクロフィルム文書に影響を与えない方法で行わなければならない。 第11 マスターフィルム文書管理上の留意事項  マイクロフィルム主任は、マイクロフィルム保管室内の相対湿度を適正に維持するため、必要があると認めるときは、マイクロフィルム保管室の所定のトレーに乾燥剤を入れること。この場合において、乾燥剤の有効限界に留意すること。 第12 基準不適合マイクロフィルム文書の廃棄  規程第23条第3項の規定は、第6に規定する撮影後の検査の基準又は第9に規定する定期検査の基準により検査した結果、当該基準に適合しないマイクロフィルム文書の廃棄に準用する。 第13 閲覧者等の注意事項 1 閲覧等を終了した職員は、マイクロフィルム文書を収納箱に納めるときは、フィルムを巻き締め、及びその先端を強く引いてはならない。 2 閲覧しようとする職員は、所定の場所で閲覧するとともにその取扱いに当たつては、マイクロフィルム主任の指示に従わなければならない。 3 閲覧者は、マイクロフィルム文書を取り扱う場合、マイクロフィルム文書に指あぶら等の付着を避けるため、清浄な手袋を着用しなければならない。  附則(略) 別表第1(第4関係) 別表第2(第4関係) 様式(略)