○公用文における漢字使用等について (平成22年12月24日例規第37号/神総発第344号)  各所属長あて 本部長  このたび、常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)が告示されたことに伴い、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安が示された。これにより政府は、別添のとおり公用文における漢字使用等について(平成22年内閣訓令第1号)を制定し、国の各行政機関が作成する公用文における漢字使用等の基準を定めた。  これに伴い、神奈川県警察が作成する公用文における漢字使用等についても、国が定める基準と同様の取扱いをするので、事務処理上誤りのないようにされたい。  おって、公用文における漢字使用等について(昭和57年3月2日 例規、神総発第18号)は、廃止する。 別添 内閣訓令第1号 各行政機関 公用文における漢字使用等について  政府は、本日、内閣告示第2号をもって、「常用漢字表」を告示した。  今後、各行政機関が作成する公用文における漢字使用等については、別紙によるものとする。  なお、昭和56年内閣訓令第1号は、廃止する。  平成22年11月30日 内閣総理大臣 菅 直人 公用文における漢字使用等について 1 漢字使用について (1) 公用文における漢字使用は、「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)の本表及び付表(表の見方及び使い方を含む。)によるものとする。  なお、字体については通用字体を用いるものとする。 (2) 「常用漢字表」の本表に掲げる音訓によって語を書き表すに当たっては、次の事項に留意する。 ア 次のような代名詞は、原則として、漢字で書く。 例  俺 彼 誰 何 僕 私 我々 イ 次のような副詞及び連体詞は、原則として、漢字で書く。 例 (副詞) 余り 至って 大いに 恐らく 概して 必ず 必ずしも 辛うじて 極めて 殊に 更に 実に 少なくとも 少し 既に 全て 切に 大して 絶えず 互いに 直ちに 例えば 次いで 努めて 常に 特に 突然 初めて 果たして 甚だ 再び 全く 無論 最も 専ら 僅か 割に (連体詞) 明くる 大きな 来る 去る 小さな 我が(国)  ただし、次のような副詞は、原則として、仮名で書く。 例 かなり ふと やはり よほど ウ 次の接頭語は、その接頭語が付く語を漢字で書く場合は、原則として、漢字で書き、その接頭語が付く語を仮名で書く場合は、原則として、仮名で書く。 例 御案内(御+案内) 御挨拶(御+挨拶) ごもっとも(ご+もっとも) エ 次のような接尾語は、原則として、仮名で書く。 例 げ(惜しげもなく) ども(私ども) ぶる(偉ぶる) み(弱み) め(少なめ) オ 次のような接続詞は、原則として、仮名で書く。 例 おって かつ したがって ただし ついては ところが ところで また ゆえに  ただし、次の4語は、原則として、漢字で書く。 及び 並びに 又は 若しくは カ 助動詞及び助詞は、仮名で書く。 例 ない(現地には、行かない。) ようだ(それ以外に方法がないようだ。) ぐらい(二十歳ぐらいの人) だけ(調査しただけである。) ほど(三日ほど経過した。) キ 次のような語句を、( )の中に示した例のように用いるときは、原則として、仮名で書く。 例 ある(その点に問題がある。) いる(ここに関係者がいる。) こと(許可しないことがある。) できる(だれでも利用ができる。) とおり(次のとおりである。) とき(事故のときは連絡する。) ところ(現在のところ差し支えない。) とも(説明するとともに意見を聞く。) ない(欠点がない。) なる(合計すると1万円になる。) ほか(そのほか…、特別の場合を除くほか…) もの(正しいものと認める。) ゆえ(一部の反対のゆえにはかどらない。) わけ(賛成するわけにはいかない。) ・・・かもしれない(間違いかもしれない。) ・・・てあげる(図書を貸してあげる。) ・・・ていく(負担が増えていく。) ・・・ていただく(報告していただく。) ・・・ておく(通知しておく。) ・・・てください(問題点を話してください。) ・・・てくる(寒くなってくる。) ・・・てしまう(書いてしまう。) ・・・てみる(見てみる。) ・・・てよい(連絡してよい。) ・・・にすぎない(調査だけにすぎない。) ・・・について(これについて考慮する。) 2 送り仮名の付け方について (1) 公用文における送り仮名の付け方は、原則として、「送り仮名の付け方」(昭和48年内閣告示第2号)の本文の通則1から通則6までの「本則」・「例外」、通則7及び「付表の語」(1のなお書きを除く。)によるものとする。ただし、複合の語(「送り仮名の付け方」の本文の通則7を適用する語を除く。)のうち、活用のない語であって読み間違えるおそれのない語については、「送り仮名の付け方」の本文の通則6の「許容」を適用して送り仮名を省くものとする。  なお、これに該当する語は、次のとおりとする。 明渡し 預り金 言渡し 入替え 植付け 魚釣用具 受入れ 受皿 受持ち 受渡し 渦巻 打合せ 打合せ会 打切り 内払 移替え 埋立て 売上げ 売惜しみ 売出し 売場 売払い 売渡し 売行き 縁組 追越し 置場 贈物 帯留 折詰 買上げ 買入れ 買受け 買換え 買占め 買取り 買戻し 買物 書換え 格付 掛金 貸切り 貸金 貸越し 貸倒れ 貸出し 貸付け 借入れ 借受け 借換え 刈取り 缶切 期限付 切上げ 切替え 切下げ 切捨て 切土 切取り 切離し 靴下留 組合せ 組入れ 組替え 組立て くみ取便所 繰上げ 繰入れ 繰替え 繰越し 繰下げ 繰延べ 繰戻し 差押え 差止め 差引き 差戻し 砂糖漬 下請 締切り 条件付 仕分 据置き 据付け 捨場 座込み 栓抜 備置き 備付け 染物 田植 立会い 立入り 立替え 立札 月掛 付添い 月払 積卸し 積替え 積込み 積出し 積立て 積付け 釣合い 釣鐘 釣銭 釣針 手続 問合せ 届出 取上げ 取扱い 取卸し 取替え 取決め 取崩し 取消し 取壊し 取下げ 取締り 取調べ 取立て 取次ぎ 取付け 取戻し 投売り 抜取り 飲物 乗換え 乗組み 話合い 払込み 払下げ 払出し 払戻し 払渡し 払渡済み 貼付け 引上げ 引揚げ 引受け 引起し 引換え 引込み 引下げ 引締め 引継ぎ 引取り 引渡し 日雇 歩留り 船着場 不払 賦払 振出し 前払 巻付け 巻取り 見合せ 見積り 見習 未払 申合せ 申合せ事項 申入れ 申込み 申立て 申出 持家 持込み 持分 元請 戻入れ 催物 盛土 焼付け 雇入れ 雇主 譲受け 譲渡し 呼出し 読替え 割当て 割増し 割戻し (2) (1)にかかわらず、必要と認める場合は、「送り仮名の付け方」の本文の通則2、通則4及び通則6((1)のただし書の適用がある場合を除く。)の「許容」並びに「付表の語」の1のなお書きを適用して差し支えない。 3 その他 (1) 1及び2は、固有名詞を対象とするものではない。 (2) 専門用語又は特殊用語を書き表す場合など、特別な漢字使用等を必要とする場合には、1及び2によらなくてもよい。 (3) 専門用語等で読みにくいと思われるような場合は、必要に応じて、振り仮名を用いる等、適切な配慮をするものとする。 4 法令における取扱い  法令における漢字使用等については、別途、内閣法制局からの通知による。