○神奈川県警察マイクロフイルム文書取扱規程の制定について (昭和54年1月25日例規/神総発第13号)  各所属長あて 本部長  神奈川県警察における文書管理改善の一環として、マイクロフイルムシステムを導入することに伴い、この取扱いに関し、みだしの規程を制定し、昭和54年2月1日から施行することとしたので、次の点に留意し、効果的な運用を図られたい。 記 1 制定の趣旨  近年における警察事務の複雑多様化に伴う警察行政事務量の増大は、いきおい情報資料の発生数と保存文書の増大を招き、文書の保存スペースの問題、防災の問題、活用の問題等文書の管理面において行き詰まりを生じている現状にある。  このような点を改善するためマイクロフイルムシステムを導入して、文書をマイクロフイルム化することにより警察記録を正確かつ系統的に保存し、これを有効適切に活用して事務の能率化の促進と文書整理による勤務環境の改善を図ろうとするものである。 2 解釈及び運用上の留意事項  (1) 趣旨(第1条)関係    撮影を終了した文書は、原則として一定期間保存後廃棄することを前提としたシステムとしたので、マイクロフイルム文書を原文書と同様に取り扱うことについて明確に規定した。  (2) 用語の意義(第2条)関係    マイクロフイルム文書を保存と活用の二面性を持たせるため、文書から直接正写したものをマスターフイルム文書とし、それを複製したものを活用フイルム文書とした。  (3) 文書の整理の特例(第3条)関係    マイクロフイルム対象文書の撮影を容易にするため、対象文書を整理する場合は、撮影を考慮した整理ができるよう特例を定めた  (4) 撮影する文書の範囲(第4条)関係    マイクロフイルム化による経済性、能率性、証拠能力の保有等を考慮し、対象文書の範囲を概括的に定めた。したがつて、主管所属長は、対象文書をマイクロフイルムに撮影しようとするときは、担当者にマイクロフイルム主任とマイクロフイルム化が可能かどうかを事前に検討させ、また、併せてマイクロフイルム化した場合の経済性、能率性等を協議させた上、マイクロ化を決定するよう配意すること。  (5) マイクロフイルム主任等(第5条)関係    マイクロフイルム文書の作製過程上の責任を明確にするため、マイクロフイルム主任、マイクロフイルム文書証明者及びマイクロフイルム検査員を充て職として置くこととした。  (6) 文書の撮影依頼(第6条)関係   ア 原文書の存在を明確にするため、マイクロフイルム文書撮影依頼書により依頼することとした。   イ 神奈川県警察行政文書管理規程(昭和57年神奈川県警察本部訓令第12号)第29条第1項の規定に基づき引継ぎを行う行政文書のうち、保存期間が10年以上の文書は、原則として、引継手続を行う時に撮影を依頼すること。   ウ 撮影を依頼する場合には、目次、索引等を付するなど必要な整理をすることとした。この場合、撮影後の索引が容易になるようあらかじめマイクロフイルム主任と協議し、計画的に行うこと。  (7) 撮影の準備(第9条)関係    証明を有するものを撮影する場合、撮影文書の整理段階から打ち合わせ、手続面の厳格性を明確にし、証拠能力の保有について配慮した。  (8) 撮影の実施(第10条)関係   ア 撮影は、神奈川県警察本部庁舎の総務課マイクロフイルム室において行うものとする。   イ カメラによる撮影のほかにスキャナにより文書を読み取り、一時的に電子化してマイクロフイルムに記録する方法を採用した。この場合、電子化した文書を速やかにマイクロフイルムに記録すること及び当該文書に変更を加えないことを明示することにより、当該文書の改ざんの防止に配意した   ウ 証明を要するものを撮影する場合は、主管所属長の命ずる職員を立ち合わせ撮影の厳格性を明確にし、証拠能力の保有について配慮した。  (9) 再撮影の命令(第12条)関係    マイクロフイルム文書の検査を行つた結果、基準に適合しない場合、再撮影するわけであるが、撮影方法の誤り等ごく一部の修正で十分利用できるものについてまで、再撮影することは、経済性の問題があるので、修正部分のみを撮影したものを接合して措置できることとした。    この場合、証拠能力を保持させるため、接合部分に修正ターゲツトで説明するとともに、その状況をマイクロフイルム文書証明記録簿に記入し、修正手続を明確にした。  (10) 複製(第12条の2)関係     活用フイルム文書は、マスターフイルム文書の証明を行う前に複製すること。  (11) 証明の方法(第13条)関係     争訟に関係するおそれのあるもののうち、争訟に関係するおそれが特にあるものは、撮影する文書の範囲から除外したので、実際は、対象が少ないものと認められるが、これらのものについては、神奈川県庁で行われている証明方式により証拠能力を保有する措置をとることとした。  (12) 定期検査(第18条)関係     マイクロフイルムは、適正な保存管理を保持する限り半永久的に保存することが可能であることから定期的に検査を行い保存管理の適正化を図ることとした。  (13) マイクロフイルム文書の閲覧及び複写(第20条)関係     データーの組織相互間における相互利用を容易にするため、撮影依頼時に活用区分を明確にしたので、主管所属職員のみ閲覧以外の文書は、マイクロフイルム主任の承認を得れば、いつでも閲覧できるよう手続を簡略化した。  (14) 活用フイルム文書の利用等(第21条)関係     活用フイルム文書の貸出し及び返還の管理は、当該活用フイルム文書に係るマイクロフイルム文書撮影依頼書の活用フイルム文書の貸出し欄によつて行うこと。  (15) マイクロフイルム文書の廃棄(第23条)関係     保存期間を延長する場合の主管所属長の請求は、神奈川県警察ファイリングシステム実施要綱の制定について(平成12年12月18日 例規第55号、神総発第439号)第30条に規定する手続により行うこと。