別添2 (1) 人身安全関連事案(行方不明事案を除く。)の対処要領 ア 事案認知時の対応(三報制)  行方不明事案以外の人身安全関連事案を認知した場合は、原則として、次のとおり、三報制により、人身安全対策課長(初動対策係経由)に速報する。 (第一報)認知した時点で、判明している事項を電話報告 (第二報)当事者が現場等にいる段階で、初動対応として執る措置及び今後の方針等を電話報告 (第三報)人身安全関連事案初動対応チェック表及び人身安全関連事案速報等を作成し、初動対応の結果を報告 イ 警察署長への速報  アの速報と並行して署長に速報し、必要な指揮を受ける。 ウ 被害者やその親族等(以下「被害者等」という。)の保護等  被害者等に危害が加えられる危険性・切迫性が極めて高いと認められる場合は、被害者等を安全な場所に避難させる。 エ 加害者への措置  被害者等に危害が加えられる危険性・切迫性に応じて、あらゆる関係法令を適用し、積極的に検挙するなど、加害行為の防止を図る。  刑事事件としての立件が困難であると認められる場合であっても、被害者等に危害が及ぶおそれがある事案については、速やかに加害者に対する口頭指導を行う。 オ 積極的な事件化  被害者に被害の届出の意思がない場合であっても、被害の届出の働き掛け及び説得を行い、説得等にもかかわらず被害の届出をしない場合であっても、当事者双方の関係を考慮した上で、客観証拠があり、逮捕の必要性が認められる場合には、加害者の逮捕をはじめとした強制捜査を行うことを積極的に検討する。 カ 継続事案への適切な対応  人身安全関連事案は、事案認知から結了に至るまで長期化するものが多く、被害者等の保護等においても継続的な対応を要するものであることから、署長は本部対処体制と緊密に連携し、当該事案の継続的な管理を徹底する。  複数にわたる相談等がある事案については、単に被害者等に対する防犯指導や加害者に対する口頭指導を繰り返すなど漫然と従前の対応を踏襲したり、加害者に口頭指導を実施したこと等をもって安易に結了したりすることのないよう、関連のある複数の相談等を集約し、事態の全体像を掌握した上で危険性・切迫性を評価し、適切に対応する。 キ 報告  継続的に対処している事案について、被害者等に危害が加えられる危険性・切迫性が高まる可能性がある事象(以下「危険事象」という。)を新たに認知した場合は、三報制により人身安全対策課長(初動対策係経由)に速報する。 ク 結了の判断  継続的に対処している事案において、  1 一定期間、危険事象の発生がなく、危険性・切迫性がないと認められる事案  2 危険性・切迫性が低くなっており、かつ、被害者等が継続的な対処を求めていない事案  のいずれかに該当するものは、被害者等に対して、警察の対応を終了する旨を説明し、理解を得た上で、人身安全対策課長の指導・助言を受け、署長において結了の適否を判断する(注釈 県通達Aでは上記のとおりであるが、実際には、上記要件に明らかに該当すると署長が判断した場合は、本部人身安全対策課の指導・助言を受けずに署長の判断のみで事案結了の判断を行うことができる運用となっていた。)。 (2) 行方不明事案の対処要領 ア 行方不明者届の受理  行方不明者が行方不明となった時におけるその住所又は居所を管轄する署長は、然るべき者から行方不明者届があった場合は、当該行方不明者届を受理する。 イ 行方不明者に係る事項の報告  署長は、行方不明者届を受理したときは、速やかに、受理票に基づき本部長に報告する。  当該報告を受けた人身安全対策課長は、特異行方不明者(注釈 特異行方不明者の分類は次のとおり(行方不明者発見活動規則第2条第2項)。1 殺人、誘拐等の犯罪により、その生命又は身体に危険が生じているおそれがある者、2 少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者、3 行方不明となる直前の行動その他の事情に照らして、水難、交通事故その他の生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある者、4 遺書があること、平素の言動その他の事情に照らして、自殺のおそれがある者、5 精神障害の状態にあること、危険物を携帯していることその他の事情に照らして、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある者、6 病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの)該当性の判断や行方不明者発見活動等について、署長に対し、必要な指導・助言を行う。 ウ 特異行方不明者の判定  行方不明者届を受理した署長(以下「受理署長」という。)は、特異行方不明者の判定を行うに当たっては、警察署の取扱責任者(生活安全課長)から当該行方不明者が特異行方不明者に該当するかどうかについての意見を聴くとともに、行方不明者届を受理した後に取得した情報、調査結果、発見活動を通じて得られた情報等を総合的に勘案し、当該行方不明者が特異行方不明者に該当するか否かを判定する。  また、受理署長は、行方不明者が特異行方不明者に該当すると判定したとき等(注釈 特異行方不明者に該当すると判定した者がその後これに該当しないと判定したとき)は、速やかに、本部長に報告する。 エ 一般的な行方不明者の発見活動 職員は、警察活動を通じた行方不明者の発見活動を通じ、受理署長は、行方不明者に係る資料の公表、届出人に対する連絡、鑑識課長への連絡及び調査、迷い人についての確認等を通じ、行方不明者の発見活動に努める。 オ 特異行方不明者の発見活動  受理署長は、捜査を含めた適切な措置を迅速かつ的確にとるとともに、届出人その他関係者と適時連絡をとるよう努める。探索に当たっては、早期発見を念頭に迅速な活動を開始するとともに、事案の内容によって、職員の招集、本部の関係所属との連携その他探索に必要な措置を講ずる。 カ 行方不明者発見時の措置 受理署長は、行方不明者が発見されたとき、その死亡が確認されたとき等(注釈 その他行方不明者に係る記録を保管する必要がなくなったと認めるとき)は、速やかに本部長に報告する。   (3) 本部長への報告 ア 人身安全関連事案(行方不明事案を除く。)  社会的反響が大きい又は特に重要と認められるものについては、人身安全対策課長、生活安全部長を経て本部長に報告することとされ(注釈 処務規程第63条及び第65条)、本部長への報告の要否は、生活安全部長又は人身安全対策課長が判断することとされている(注釈 決裁規程第10条)。 イ 行方不明事案  (2)のとおり、署長は、行方不明者届を受理したとき、行方不明者が特異行方不明者に該当すると判定したとき、行方不明者が発見されたとき、その死亡が確認されたとき等は、速やかに、本部長に報告することとされている。  ただし、本部長報告事案のうち、特異行方不明者をはじめとする特異又は重要な行方不明者等に関する事務は生活安全部長までの報告(注釈 決裁規程第11条に基づき、特異又は重要な行方不明者等の手配及び保護に関する事務は、生活安全部長が専決することとされている。)、その他の行方不明者等に関する事務は人身安全対策課長までの報告で足りるとされており(注釈 決裁規程第12条に基づき、その他の行方不明者等の手配及び保護に関する事務は、人身安全対策課長が専決することとされている。)、生活安全部長又は人身安全対策課長が本部長への報告の要否を判断することとされている(注釈 決裁規程第10条)。 また、上記にかかわらず、 ○ 凶悪事件の被害者になるおそれがある特異行方不明者届出事案 ○ 社会的反響が大きいと認められる知名士等の行方不明者届出事案 については、例外なく本部長への報告を行うこととされている(注釈 処務規程第63条)。  以上のように、本部長への報告を行うべき事案の類型の整理が、分かりにくいものとなっていた。