施設占有者のしおり (落とし物・忘れ物を適正に取り扱うために) 令和7年11月 神奈川県警察本部 目次 第1章 このしおりの中で使われている用語の意味 1 第2章 はじめに 2  1 遺失物とは何か 2  2 拾得者の権利 2  3 施設内において物件を拾得したとき 2  4 施設占有者の主な手続き 6  5 特例施設占有者制度について 7 第3章 遺失物取扱いの流れ 8 第4章 施設占有者の取扱手順 9  1 確認(調査) 9  2 受付 9  3 掲示等 10  4 提出 10  5 返還 11  6 引渡し 12  7 遺失物管理ソフトについて 12  8 ご協力をいただきたい事項など 12   別表1 主な「法令の規定によりその所持が禁止されている物」 14   参考様式第1 拾得物件預り書 15   参考様式第2 拾得物件一覧簿 16   参考様式第3 提出書 17   参考様式第3 提出書(継続用紙) 18   参考様式第4 拾得物件返還申出書 19   記載例の想定 20   参考様式第1 拾得物件預り書(記載例) 21   参考様式第2 拾得物件一覧簿(記載例) 22   参考様式第3 提出書【一般人の拾得】(記載例) 23   参考様式第3 提出書【施設占有者の拾得】(記載例) 24   参考様式第4 拾得物件返還申出書(記載例) 25 第1章 このしおりの中で使われている用語の意味 物件  遺失物及び埋蔵物並びに準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜)をいいます。 拾得  物件の占有を始めること(埋蔵物及び他人の置き去った物にあっては、これを発見すること)をいいます。 拾得者  物件の拾得をした者をいいます。 遺失者  物件の占有をしていた者(他に所有者その他の当該物件の回復の請求権を有する者があるときは、その者を含む。)をいいます。 施設  建築物その他の施設(車両、船舶、航空機その他の移動施設を含む。)であって、その管理に当たる者が常駐するものをいいます。   建築物    土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有するもの(これに類する物を含む。)をいい、具体的には、駅、空港、百貨店、スーパーマーケットその他の商店、ホテル、旅館、娯楽施設、飲食店、官公庁施設、オフィスビル及び学校等が該当します。   移動施設    自力、他力を問わず、場所を移動する「施設」をいい、「車両」には、自動車、鉄道の用に供する車両及び軌道の用に供する車両等が該当します。   管理に当たる者    店員、駅員、職員及び警備員等、当該施設における人の出入り等の管理に係る職務に従事する者を広く含みます。   常駐    施設にいつでも所在していることをいいますが、巡回、配達、本社との連絡等によってたまたま「管理に当たる者」がその施設を不在にすることがあっても、当該施設は「管理に当たる者が常駐する」施設に該当します。    また、その施設を利用する者が利用可能な時間帯に「管理に当たる者」がいれば足りるので、24時間常駐していることまでは要しません。  施設占有者   施設の占有者(施設を自己のためにする意思を持って事実上支配していると認められる者)をいいます。 第2章 はじめに  この資料は、遺失物法に基づき、建物などの施設を管理する方(施設占有者)が落とし物を警察署に提出する場合や、お客様からの落とし物の届出があった場合など、必要な手続きについてまとめたものです。活用していただき、適切な取扱いをしていただきますようお願いします。 1 遺失物とは何か  遺失物とは他人が占有していた物であって、当該他人の意思に基づかず、かつ、奪取によらず、当該他人が占有を失ったものをいいます。例えば、持ち主が無意識のうちに落としてしまった「財布」や「携帯電話」、乗り物の中に置き忘れた「傘」などのことです。 2 拾得者の権利  物件を拾得した者には、   遺失者(=落とし主)が判明したときに、報労金(お礼)を受け取る権利   遺失者が判明しなかったときに、その物件を受け取る(所有権を取得する)権利   当該物件の交付(=施設占有者へ手渡すこと)及び保管に要した費用がある場合は、遺失者又は所有権を取得して当該物件を引き取る者に請求することができる権利  があります。 3 施設内において物件を拾得したとき  (1) 施設占有者が拾得したとき   施設占有者の代理人、使用人その他の従業者が、当該施設内で物件を拾得した場合には、速やかに、その物件を当該施設占有者に交付しなければなりません。(遺失物法(以下「法」と省略します。)第4条)   なお、この場合、施設占有者が拾得者とみなされます。  (2) 一般の人が拾得したとき   施設内において、その施設占有者又は管理に当たる者以外の者が物件を拾得したときは、速やかにその物件を施設占有者に交付しなければなりません。(法第4条)   なお、拾得者が拾得の時から24時間以内に施設占有者に交付しなかった場合は、拾得物件に関する一切の権利を失います。(法第34条)   また、このとき拾得者から請求があった場合、施設占有者は、    物件の種類及び特徴    物件の交付を受けた日時    施設の名称及び所在地並びに施設占有者の氏名   を記載した書面を交付しなければなりません。(法第14条)   拾得者から書面交付の請求があったにもかかわらず、当該書面を交付しなかったり、虚偽の記載をした書面を交付すると罰せられます。(法第42条)  遺失者が判明しない場合、拾得物件は誰のもの?   警察署長が提出を受けてから法定の保管期間(3か月)を経過しても遺失者が判明しないときは、拾得者(一般の人が拾得した場合はその一般の人、施設占有者が拾得した場合は施設占有者)がその所有権を取得することとなります。(民法第240条)   ただし、一般の人が、施設内で拾得した時から24時間以内に施設占有者に交付できずに拾得物件に関する一切の権利を失った場合、又は当該拾得物件について一切の権利を放棄した場合は、施設占有者がその所有権を取得できます。(法第33条)  遺失者が支払う報労金(お礼)   物件の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格の百分の五(5%)以上、百分の二十(20%)以下に相当する額の報労金(お礼)を拾得者に支払わなければなりません。   ただし、当該拾得物件が「一般の人が施設内で拾得した物件」だった場合は、前記の報労金を一般の人と施設占有者に対して、二分の一ずつ支払うことになります。(法第28条)  物件の提出等に要した費用   一般の人が拾得した物件を、施設占有者へ交付するために要した費用(運搬費、交通費等)    施設占有者が拾得し、又は交付を受けた物件を警察署長に提出するために要した費用(運搬費、交通費等)    拾得者(一般の人)が施設占有者に交付するまでの間、保管に要した費用    施設占有者が拾得し、又は交付を受けた後、物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出するまでの間、保管に要した費用   を物件の返還を受ける遺失者又は当該物件の所有権を取得して引き取る者に請求することができます。(法第27条)  遺失物法(抜粋)  (費用の負担)   第二十七条 物件の提出、交付及び保管に要した費用(誤って他人の物を占有した者が要した費用を除く。)は、当該物件の返還を受ける遺失者又は民法第二百四十条(第三条において準用する場合を含む。以下同じ。)若しくは第二百四十一条の規定若しくは第三十二条第一項の規定により当該物件の所有権を取得してこれを引き取る者の負担とする。   2 前項の費用については、民法第二百九十五条から第三百二条までの規定を適用する。  (報労金)   第二十八条 物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項若しくは第二項又は第二十条第一項若しくは第二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。   2 前項の遺失者は、当該物件の交付を受けた施設占有者があるときは、同項の規定にかかわらず、拾得者及び当該施設占有者に対し、それぞれ同項に規定する額の二分の一の額の報労金を支払わなければならない。   3 国、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立 行政法人をいう。)その他の公法人は、前二項の報労金を請求することができない。  (費用及び報労金の請求権の期間の制限)   第二十九条 第二十七条第一項の費用及び前条第一項又は第二項の報労金は、物件が遺失者に返還された後一箇月を経過したときは、請求することができない。  (拾得者等の費用償還義務の免除)   第三十条 拾得者(民法第二百四十一条ただし書に規定する他人を含む。)は、あらかじめ警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)に申告して物件に関する一切の権利を放棄し、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。  (遺失者の費用償還義務等の免除)   第三十一条 遺失者は、物件についてその有する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務及び第二十八条第一項又は第二項の報労金を支払う義務を免れることができる。  (遺失者の権利放棄による拾得者の所有権取得等)   第三十二条 すべての遺失者が物件についてその有する権利を放棄したときは、拾得者が当該物件の所有権を取得する。ただし、民法第二百四十一条ただし書に規定する埋蔵物については、同条ただし書の規定の例による。   2 前項の規定により物件の所有権を取得する者は、その取得する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。  (施設占有者の権利取得等)   第三十三条 第四条第二項に規定する拾得者が、その交付をした物件について第三十条若しくは前条第二項の規定により権利を放棄したとき又は次条第三号に該当して同条の規定により権利を失ったときは、当該交付を受けた施設占有者を拾得者とみなして、民法第二百四十条の規定並びに第三十条並びに前条第一項本文及び第二項の規定を適用する。この場合において、第三十条中「警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)」とあるのは、「警察署長」とする。  (費用請求権等の喪失)   第三十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、その拾得をし、又は交付を受けた物件について、第二十七条第一項の費用及び第二十八条第一項又は第二項の報労金を請求する権利並びに民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する権利を失う。   一 拾得をした物件又は交付を受けた物件を横領したことにより処罰された者   二 拾得の日から一週間以内に第四条第一項の規定による提出をしなかった拾得者(同条第二項に規定する拾得者及び自ら拾得をした施設占有者を除く。)   三 拾得の時から二十四時間以内に交付をしなかった第四条第二項に規定する拾得者   四 交付を受け、又は自ら拾得をした日から一週間以内に第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった施設占有者(特例施設占有者を除く。)   五 交付を受け、又は自ら拾得をした日から二週間以内(第四条第一項ただし書及び第十三条第一項ただし書に規定する物件並びに第十七条前段の政令で定める高額な物件にあっては、一週間以内)に第四条第一項又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった特例施設占有者(第十七条前段の規定によりその提出をしないことができる場合を除く。)  (所有権を取得することができない物件)   第三十五条 次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定にかかわらず、所有権を取得することができない。   一 法令の規定によりその所持が禁止されている物(法令の規定による許可その他の処分により所持することができる物であって政令で定めるものを除く。)   二 個人の身分若しくは地位又は個人の一身に専属する権利を証する文書、図画又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)   三 個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録   四 遺失者又はその関係者と認められる個人の住所又は連絡先が記録された文書、図画又は電磁的記録   五 個人情報データベース等(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五 十七号)第二条第二項に規定する個人情報データベース等をいう。)が記録された文書、図画又は電磁的記録(広く一般に流通している文書、図画及び電磁的記録を除く。)  (拾得者等の所有権の喪失)   第三十六条 民法第二百四十条若しくは第二百四十一条の規定又は第三十二条第一項の規定により物件の所有権を取得した者は、当該取得の日から二箇月以内に当該物件を警察署長又は特例施設占有者から引き取らないときは、その所有権を失う。 4 施設占有者の主な手続き  (1) 物件の交付を受け、又は自ら拾得した施設占有者は、速やかに、遺失者へ返還し、又は警察署長に提出しなければなりません。(法第4条、第13条)   なお、交付を受けた日を除き1週間以内に警察署長に提出しなかった場合は、拾得物に関する一切の権利を失いますので、注意してください。(法第34条)  (2) 一般の人から、交付を受けた物件又は施設占有者が自ら拾得した物件が「法令の規定によりその所持が禁止されている物」又は「盗まれた物件(=犯罪の犯人が占有していたと認められる物件)」であることが判明したときは、直ちに警察署長に通報し、その措置を照会してください。(法第4条、第13条)    なお、主な「法令の規定によりその所持が禁止されている物」は別表1にあるとおりですから参考にしてください。  (3) 不特定かつ多数の者が利用する施設の施設占有者は、交付を受け、又は自ら拾得した物件の種類及び特徴並びに拾得の日時及び場所を、当該物件の遺失者が判明するまでの間、又は当該物件を警察署長に提出するまでの間、その施設を利用する者の見やすい場所に掲示しなければなりません。ただし、同じ内容を記載した書面をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、掲示に代えることができます。(法第16条) 5 特例施設占有者制度について  一定の公共交通機関及び百貨店、遊園地その他不特定多数の者が利用する施設のうち、その取扱件数が多数に上り、また拾得物件を適切に保管するための施設及び人員を有する施設占有者で、当該施設占有者の申請に基づき、神奈川県公安委員会から指定を受けた施設占有者を『特例施設占有者』といい、施設占有者と特例施設占有者における主な取扱いの相違点は次のとおりです。(法第17条ほか)  特例施設占有者は、   警察署長に提出(届出)するまでの期間が2週間になります。   拾得物件を自ら保管することができるようになります。   自ら保管した拾得物件のうち、傘や衣類など大量・安価な物件等は、公告してから2週間以内に落とし主が見つからない場合は売却、廃棄その他の処分をすることができます。    ※ 「法令の規定によりその所持が禁止されている物」、「犯罪の犯人が占有していたと認められる物件」及び「高額な物件(10万円以上の現金など、政令で定められているもの。)」については、提出するまでの期間が1週間となり、自ら保管することができません。  なお、これら特例施設占有者制度に関する詳細については、神奈川県警察のホームページ又は最寄りの警察署にお問い合わせください。 第3章 遺失物取扱いの流れ ※各項目の詳細については第4章を参照してください (チャート図:省略) 第4章 施設占有者の取扱手順 1 確認(調査)  (1) 物件の交付を受けたときは、まず自分が管理する施設内で拾得されたものかどうかを確かめてください。  (2) 一般の人が拾得した場合、拾得した時から24時間以内の交付であるかどうかを確かめてください。もし拾得した時から24時間を経過しているときは、特別な事情がない限り、拾得者はその物件に関する一切の権利を失うこととなります。   なお、この場合は、施設占有者が拾得者と見なされ、一切の権利を失うのは、拾得者だけであり、施設占有者の権利は留保されています。  (3) 一般の人が拾得した場合で、24時間以内に交付されたものであっても、拾得者が拾得物件に関する一切の権利を放棄したときは、前記(2)と同様の扱いとなります。 2 受付  (1) 内容の確認と記録   交付された拾得物件は、必ず拾得者の立ち会いの上でその内容を確認するようにしてください。また、その内容について記録をしてください。  (2) 手続きの説明と権利確認   拾得者に対して、    遺失者が判明したら遺失者に返還すること。    遺失者が判明しない場合は、(何日分かを取りまとめて)警察署長に提出すること。   を説明した上で、    遺失者(=落とし主)が判明したときに、報労金(お礼)を受け取る権利    遺失者が判明しなかったときに、その物件を受け取る(所有権を取得する)権利    当該物件の交付(=施設占有者へ手渡すこと)及び保管に要した費用がある場合は、遺失者又は所有権を取得して当該物件を引き取る者に請求することができる権利   があることを説明し、それぞれ個別に権利取得の意思があるかどうかを確認してください。もし、放棄する旨の申告があった場合は、それを明らかにしておいてください。   なお、拾得者が権利をその場でどうしても決められない場合は、後で考えて決めることができます。  (3) 氏名等告知の同意   拾得者に対して、遺失者から求めがあったときに、拾得者の氏名及び住所を遺失者に告知してよいかを確認してください。権利と同様に、後で考えて決めることができます。  (4) 書面の交付   拾得者から請求があった場合、施設占有者は、    物件の種類及び特徴    物件の交付を受けた日時    施設の名称及び所在地、施設占有者の氏名   を記載した書面(参考様式第1)を交付しなければなりませんが、請求がない場合でも、交付を希望するか否か意思を確認し、権利の有る拾得者には、できるだけ書面を交付するようにしてください。   この書面の交付は、拾得者の権利の有無には関係しません。例えば、一切の権利を放棄した拾得者であっても、求めがあれば必ず交付する必要があります。 3 掲示等  (1) 施設占有者は、交付を受け、又は自ら拾得した物件の種類及び特徴並びに拾得の日時及び場所を、当該物件の遺失者が判明するまでの間、又は当該物件を警察署長に提出するまでの間、その施設を利用する者の見やすい場所に掲示しなければなりません。   なお、掲示すべき内容を記載した書面(参考様式第2)をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、掲示に代えることができます。  (2) 真の遺失者を判断するために、遺失者しか知り得ない情報(例:詳細な拾得場所、状況、物件の詳細な特徴、記載してある住所など)を掲示又は掲載しないように注意してください。 4 提出  (1) 施設占有者は、掲示等をしても遺失者が判明しないときは、    物件の種類及び特徴    拾得の日時及び場所    物件の交付を受けた日時    拾得者の氏名等及び電話番号その他の連絡先    施設占有者及び拾得者の費用請求権等の有無    氏名等告知の同意の有無   を記載した提出書(参考様式第3)に物件を添えて警察署長に提出してください。また、一般の人の拾得に係るもののうち、有権とその他のものはそれぞれ別葉としてください。   なお、交付を受け、又は自ら拾得した日から1週間以内に警察署長に提出しないと、当該物件に関する一切の権利を失いますので注意してください。  (2) 警察署長に提出して受理されると、「拾得物件預り書」が交付されます。   なお、一般の人が拾得し、当該物件のいずれかの権利を有している場合で、法定の保管期間内(3か月)に遺失者が判明しないときは、警察署長が拾得者へ権利を取得した旨等を通知します。当該拾得物件預り書が拾得者へ交付されている場合は前記の通知に代えることができるため、施設占有者から拾得者へ当該拾得物件預り書を交付している場合は、警察署長からの通知を省略することがあります。  (3) 警察署長に提出する書類のうち、提出書については、電磁的記録媒体による提出が可能です。例えば、これまで手書きで整理されていた提出書を所定の書式で電磁的記録媒体に記録していただければ、電磁的記録媒体で提出していただくことができます。 5 返還  警察署長に提出した後、遺失者が判明して施設占有者に返還の申し出があったときは、遺失者の利便を図るため、「拾得物件返還申出書」(参考様式第4)を遺失者に交付し、下記の内容を伝え、提出した警察署へ行くように案内してください。  警察署の取扱い窓口について   警察署における拾得物件の取扱いは「会計課」で行っています。「拾得物件返還申出書」が交付されたら、速やかに警察署の会計課に連絡をしてください。    受付時間 月曜日から金曜日(祝日、振替休日、年末年始の休日を除く。)         午前9時から正午、午後1時から午後4時まで    遺失者本人が受け取る場合は、次のものを持参してください。     住所、氏名等を確認できる身分証明書、運転免許証等    遺失者の代理人が受け取る場合は、次のものを持参してください。     委任状・代理人の住所、氏名等を確認できる身分証明書、運転免許証等 6 引渡し  (1) 警察署長が提出を受理し、公告してから3か月を経過しても遺失者が判明しない拾得物件のうち、占有者が拾得者としての権利を有しているものについては、施設占有者に引渡します。拾得物件を提出した際に警察署長から交付された「拾得物件預り書」の受領欄に所在地、名称等を記載したものを、提出した警察署の会計課に物件引取期間内に持参し、手続きしてください。  (2) 一般の人が拾得した物件で、所有権を取得する権利を有している場合は、当該拾得物件の引渡しは、警察署長が直接行いますので、施設占有者では手続き不要です。 7 遺失物管理ソフトについて  (1) 機能概要   遺失物を管理するためのパソコンソフト(遺失物管理ソフト)を無償で配付しております。    物件が交付されたとき、このソフトを利用してその情報を入力すれば、受付時に必要な書類(拾得物件預り書、拾得物件一覧簿)や、警察署長に提出する際の書類と前記4(3)の電磁的記録媒体で提出する際のデータを自動的に作成することができ大変便利です。また、遺失物に関する電話等での問い合わせ時には、記名や物品名で検索できるなど、遺失物の適正な取扱いと関係事務の合理化を図ることができますので、ぜひご利用ください。  (2) 入手方法   神奈川県警察のホームページ(下記のURL)からダウンロードできますので、ぜひご利用ください。    https://www.police.pref.kanagawa.jp/tetsuzuki/otoshimono/mesa1904.html 8 ご協力をいただきたい事項など  (1) 遺失物の取扱いが常時ある施設占有者は、遺失物の取扱いに関する問い合わせに対応する窓口を整備してください。  (2) 拾得者に対して、権利、氏名等告知の同意などを必ず説明するとともに、後日のトラブルを防止するためにも、できるだけ書面を交付してください。    なお、施設占有者は、拾得者から求めがあるのに書面を交付しないと、罰則を受けることとなりますので、遺失物の取扱窓口には必ず備え付けるよう注意してください。  (3) 施設占有者は、他人の物件を一時預かることになりますので、保管場所の確保、保管責任者の指定、毀損、紛失等の防止など、適正な保管を心がけてください。  (4) 施設占有者においても、遺失者への返還に努めてください。例えば、自社の会員カード等遺失者に連絡ができるものは、極力連絡してください。 (5) 施設占有者において遺失者に返還をする際は、返還を求める者から、     氏名等を証するに足りる書面の提示を受ける。     当該物件の種類及び特徴、遺失日時、場所を確認して、自所の記録と照合する。   などをよく確認してください。   なお、返還の申し出があった物件の拾得者が一般の人であり、権利を有している場合は、遺失者は拾得者及び施設占有者に対し、拾得物件の価格の百分の二・五(2.5%)から百分の十(10%)までの範囲の額の報労金(お礼)をそれぞれに支払う義務並びに提出、交付及び保管に要した費用を負担する義務があることを説明してください。(施設占有者が報労金を受け取る権利を放棄した場合でも拾得者が受け取ることのできる報労金の割合は変わりません。)  (6) 一定期間内(施設占有者が警察署長に提出する期限まで)に遺失者が判明しなかった場合は、速やかに警察署長に提出してください。   また、毎週曜日を決めて警察署に届けるなどの工夫をして、むやみに自所で長期間保管することのないよう、その手続きを明確にしておいてください。  (7) 拾得物件を提出する際には、遺失物管理ソフトを利用していただき、電磁的記録媒体による提出にご協力ください。  (8) 拾得物件の取扱いが多い施設占有者は、「特例施設占有者制度」をご検討ください。 別表1 主な「法令の規定によりその所持が禁止されている物」  所持許可等の法律の根拠  所持許可等の資格要件等(抜粋)  銃砲・刀剣類   所持許可等の法律の根拠    銃砲刀剣類所持等取締法     第3条(所持の禁止)     第4条(許可)     第14条(登録)   所持許可等の資格要件等(抜粋)    第4条各号に該当する場合に限られ、18歳に満たない者、精神障害者、アルコールや覚醒剤等の中毒者、住居の定まらない者等でないこと。    (第5条・第5条の2)  麻薬   所持許可等の法律の根拠    麻薬及び向精神薬取締法     第12条(禁止行為)     第28条(所持)   所持許可等の資格要件等(抜粋)    免許を持つ麻薬取扱者、麻薬診療施設の開設者、麻薬研究施設の設置者等に限られる。    (第3条)  あへん   所持許可等の法律の根拠    あへん法    第8条(所持の禁止)   所持許可等の資格要件等(抜粋)    許可を受けた、けし耕作者、免許を持つ麻薬製造業者、麻薬研究施設の設置者等に限られる。    (第8条)  覚醒剤   所持許可等の法律の根拠    覚醒剤取締法    第14条(所持の禁止)   所持許可等の資格要件等(抜粋)    指定を受けた覚醒剤製造業者、覚醒剤施用機関の開設者・管理者、医師等に限られる。    (第14条)  火薬・爆薬   所持許可等の法律の根拠    火薬類取締法    第21条(所持者の範囲)   所持許可等の資格要件等(抜粋)    製造、販売、譲渡には許可を要する。    (第3条・第5条・第17条)  毒物・劇物   所持許可等の法律の根拠    毒物及び劇物取締法    第3条(禁止規定)   所持許可等の資格要件等(抜粋)    登録を受けた業者、許可を受けた特定毒物研究者等に限られる。    (第3条・第3条の2) 様式・記載例  省略