別添3 認知機能検査進行要領 目次  1 検査に当たっての事前指示・・・1  2 検査結果等に関する説明・・・2  3 表紙の記載・・・3  4 手がかり再生の実施・・・4   (1) イラストの記憶・・・4   (2) 介入課題・・・5   (3) 自由回答・・・7   (4) 手がかり回答・・・8  5 時間の見当識の実施・・・9  6 検査用紙の回収から検査結果の通知 認知機能検査進行要領 1 検査に当たっての事前指示 【タブレットのよる検査】  タブレットによる検査を実施する場合の音声ガイダンスは、この進行要領に準拠すること。  なお、画面遷移に合わせた説明内容に変更することは差し支えない。 これから、検査を始めます。 私の声が聞こえますでしょうか。 聞こえた方は、手を挙げて教えてください。  注 聞こえていない者がいる場合には、補聴器等を着用させて再度確認し、着用しても十分に聞こえないようであれば、退室させること。    その他にも、受検困難者がいる場合は退室させること。 (以下の携帯電話・時計に関する説明については、事前に行っている場合は省略可。) 検査に当たって、まず、携帯電話をお持ちの方は、検査中に鳴らないようマナーモードにするか、電源を切って、カバンの中やポケットなどにしまってください。  注 携帯電話や時計が机の上等に置かれていないことを確認すること。 時計をしている方も、カバンの中やポケットなどにしまってください。 字の読み書きに眼鏡が必要な方は、出しておいてください。 【備考】  しまわせる説明の際に「時間についての質問があります。」など、しまう前に受検者が時間を覚えてしまうような説明は行わないこと。 それでは検査中の諸注意を行います。 問題用紙などは、指示があるまでめくらないでください。  注 「諸注意」を記載した資料を作成、掲示するなどして説明に活用すること。 回答中は、声を出さないようにしてください。 質問があったら、手を挙げてください。 回答中に書き損じがあったときは、二重線でこのように訂正してください。  注 掲示する「諸注意」に訂正例を記載すること。 よろしいですか。ご質問はありませんか。 2 検査結果等に関する説明  【備考】   認知機能検査を受検する高齢者の多くは、認知機能の低下も見られない優良運転者であることを十分に念頭に置き、実施に当たっては、長年の安全運転に敬意を表し、受検者それぞれの心情に配意しながら、その目的や必要性について丁寧な説明がなされるよう特段の配意をすること。   認知機能が低下した者には回答が困難な検査であることから、「誰でも簡単にできる。」等、受検者の心情を害する可能性のある説明は行わないこと。   検査目的・検査結果の取扱い等について、プロジェクタを使用するなど、可能であれば視覚的な教示も併せて行うこと。 それでは、本日の検査について御説明します。 この検査は安全な運転に必要な記憶力、判断力を確認するために行うものです。 検査の結果、「認知症のおそれがある」とされても、直ちに免許が取り消されることはありませんが、警察から連絡があり、お医者さんの診断を別に受けていただくことになります。 検査は、( )分ほどで終わります。  注 検査にかかる時間は、受検人数や採点時間を考慮し、実施機関の実情に合わせた所要時間を案内すること。 検査の結果は、検査が終わったら皆さんにお伝えします。  注 検査の結果を後日通知する場合には、「検査の結果は、後日通知されます。」などと説明すること。 また、警察に検査の結果を連絡します。  注 公安委員会において、直接実施する場合は、「また、警察に検査の結果を連絡します。」の部分を省略すること。 それ以外には、検査の結果を連絡することはありません。 検査用紙はお手元にありますか。  注 検査用紙をあらかじめ配布していない場合は、ここで配布すること。 3 表紙の記載 それでは、検査用紙への記入をしていただきます。 <検査用紙 表紙> 最初は、「名前」です。 ご自分のお名前を記入してください。 ふりがなはいりません。 間違えたときは、二重線で訂正して書き直してください。 消しゴムは使えません。  注 間違えた際のに二重線での訂正方法の説明は、諸注意を利用し、再度、受検者に理解しやすいように行うこと。 これからの検査で間違えた場合も、同じように書き直してください。 次は「生年月日」です。 ご自分の生年月日を記入してください。  注 自分の生年月日が分からない場合には、検査員が免許証等で確認の上、受検者に記入させること。 書けた方は、鉛筆を置いてください。  注 この段階で全員が記入したかどうかを確認すること。 これから検査を始めます。 各検査のはじめに、私から、検査について御説明します。 説明の後、皆さんに分からない点があるかどうか伺います。 なければ、検査を始めますが、私が指示するまで、用紙をめくらないようにお願いします。 答を書いているときは、声を出さないでください。 回答中、御質問があれば、静かに手を挙げてください。 御質問はありませんか。  注 受検者の様子を確認し、質問したいことがありそうな受検者に対しては、質問がないかどうか声をかけること。 4 手がかり再生の実施 【検査の目的】  手がかりをもとに記憶を再生する検査で、16枚の絵を記憶させ、一定の時間経過(介入課題)の後、どれだけ再生できる(記憶している)かの検査である。 (1) イラストの記憶 最初の検査を行います。 用紙は、指示があるまでめくらないでください。 【備考】  イラストが小さい、後方に座っている受検者が確認しにくいなどの対策のため補助者も検査員の進行に合わせて受検者の近くで同じイラストを掲示するなど、受検者がイラストを確認しやすくなるよう工夫すること。  ラミネート加工しているものは光の反射で絵が見にくくなる場合もあるので掲示方法に注意すること。 これから、いくつかの絵を御覧いただきます。 一度に4つの絵です。 それが何度か続きます。 絵を覚えるためのヒントもお出しします。 ヒントを手がかりに、覚えるようにしてください。  注 この検査は、記憶させるときの手がかりと記憶を再生するときの手がかりが同じであることを前提とした検査であることから、最初に与える手がかりは必ず本要領に記載のとおりのものとすること。 絵が見にくい場合は、手を挙げてお知らせください。 御質問はありませんか。 (イラストを掲示し、別添2に従い実施する。) (イラストを隠す。) 【備考】  別添2のパターンA、パターンB、パターンC、パターンDのうち任意の1パターンのイラストを、受検者全員が見やすいように示し、パターンに応じ、別紙に示す順序で行う。  時間は1枚につきおおむね1分で行う。 いかがでしたか。 後で、何の絵があったのかをお答えいただきますので、よく覚えておいてください。 (2) 介入課題 【検査の目的】  手がかり再生の出題から回答までに一定時間を空けることが目的の課題である。 それでは、別の課題を行います。 用紙をめくってください。 「問題用紙1」です。 <検査用紙 問題用紙1> これから、たくさん数字が書かれた表が出ます。 私が指示した数字に、斜線を引いていただきます。 例えば、  「1と4」に斜線を引いてください と言ったときは、表の中から「1と4」の数字を見つけて、一番上の行の左から順番に、見つけただけ斜線を引いてください。 【備考】  回答時間が長くなると手がかり再生の回答に影響を及ぼすことから、時間は正確に計測し、介入課題の時間を厳守すること。 御質問はありませんか。 それでは、問題用紙をめくってください。 数字がたくさんある「回答用紙1」です。 <検査用紙 回答用紙1> 行は、なるべくとばさないように、お気をつけください。 それでは、「〇と〇」に斜線を引いていただきます。  注 1回目は、2つの数字を指定する。    受検者が理解しやすいようにホワイトボードを利用して削除する数字「1、4」等と書いても構わない。    削除する数字は、その都度変更して行う。 鉛筆を持って、始めてください。 (ストップウォッチで30秒間計測)  注 時間を厳守し、回答用紙1の記載が30秒以内にできない場合であっても、次に進むこと。 やめてください。 鉛筆を置いてください。 次は、「〇と〇と〇」に斜線を引いていただきます。  注 2回目は、1回目で使用した用紙に1回目で指定した数字以外の3つの数字を指定して行う。 鉛筆を持って、同じ用紙の、左上の矢印のところから、始めてください。 (ストップウォッチで30秒間計測) やめてください。 鉛筆を置いてください。 (3) 自由回答 【検査の目的】  1回目は、手がかりなしで再生を実施し、記憶力を検査する。 それでは、用紙をめくってください。 「問題用紙2」です。 <検査用紙 問題用紙2> 少し前に、何枚かの絵を御覧いただきました。 何が描かれていたのかをよく思い出して、できるだけ、全部書いてください。 回答の順番は問いません。 思い出した順で結構です。 「漢字」でも「カタカナ」でも「ひらがな」でも構いません。 間違えた場合は、二重線で訂正してください。 御質問はありませんか。 それでは、用紙をめくってください。 「回答用紙2」です。 <検査用紙 回答用紙2> 鉛筆を持って、始めてください。 (ストップウォッチで3分間間計測) 【備考】  受検者から、手がかり再生の自由回答の記載中に質問があっても、「動物」「体の一部」などのヒントを言わず、「先ほどお見せした絵について回答を書いてください。」と説明すること。 やめてください。 鉛筆を置いてください。 (4) 手がかり回答 【検査の目的】  2回目は、手がかりをもとに再生を実施し、記憶力を検査する。 それでは、用紙をめくってください。 「問題用紙3」です。 <検査用紙 問題用紙3> 今度は、回答用紙にヒントが書かれています。 それを手がかりに、もう一度、何が描かれていたのかをよく思い出して、できるだけ全部書いてください。 それぞれのヒントに対して、回答は一つだけです。 二つ以上は書かないでください。 「漢字」でも「カタカナ」でも「ひらがな」でも構いません。 間違えた場合は、二重線で訂正してください。 御質問はありませんか。 それでは、用紙をめくってください。 「回答用紙3」です。 <検査用紙 回答用紙3> 鉛筆を持って、始めてください。 (ストップウォッチで3分間計測) やめてください。 鉛筆を置いてください。 5 時間の見当識の実施 【検査の目的】  現在の自己及び自己がおかれている状況についての認識を見当識といい、時間の見当識は、受検者が自らおかれている時を正しく認識しているかについての検査である。 最後の検査を始めます。 用紙をめくってください。 「問題用紙4」です。 <検査用紙 問題用紙4>  注 各受検者の用紙を確認 この検査には、5つの質問があります。 左側に質問が書かれています。 【備考】  時間の見当識の検査を説明する際、回答用紙4を受検者に提示して説明しないこと。 それぞれの質問に対する答を右側の回答欄に記入してください。 よく分からない場合でも、できるだけ何らかの答を記入してください。 空欄とならないようにしてください。  注 空欄の場合には誤答として評価され、総合点に影響することから、分からない場合にも、できるだけ記入させること。    この場合、空欄がある受検者に対しては、個別に指示することはせず、受検者全員に対する説明として回答の記載を促すこと。 質問の中に「何年(なんねん)」の質問があります。 これは「なにどし」ではありません。 干支で回答しないようにしてください。 「何年(なんねん)」の回答は、西暦で書いても、和暦で書いても構いません。 和暦とは、元号を用いた言い方のことです。  注 「年」の回答については、西暦でも和暦でも構わないが、さらに「令和何年ということですか。」や「2021年ということですか。」という質問があった場合も、「そのとおりです。」とか、「二千何年ですね。」、「令和何年ですね。」と受検者にヒントを与えるような回答はせず、「西暦でも和暦でも構いません。」と回答すること。    和暦の意味について受検者から質問があった場合も、「令和〇〇年です。」という言い方ではなく、「明治、大正、昭和などの元号を用いた言い方です。」などと回答すること。 御質問はありませんか。 用紙をめくってください。 「回答用紙4」です。 <検査用紙 回答用紙4> 鉛筆を持って、始めてください。 (ストップウォッチで2分間計測) (検査員は検査日時を控える。) 【備考】  時間について「正確な時間が分からない。」などの質問があった場合は、「想像で書いてください。」、「だいたいで構いません。」などと回答すること。 ※「空欄があるので書いてください。」 ※「書き直し等はありませんか。」  (確認し、無ければ時間前であっても終了可)  注 回答漏れがないかどうかの注意喚起を受検者の様子を見て「空欄があるので書いてください。」などと行う。    また、時間の見当識については、全員が計測時間内に回答の記載を終えている場合は、終了しても問題ないか確認し、書き直し等がない場合は計測時間終了前であっても終了してよい。 やめてください。 鉛筆を置いてください。 6 検査用紙の回収から検査結果の通知 [回収] これで検査は終了です。 検査用紙の回収を行います。 【備考】  検査用紙をすべて回収し、枚数を確認する。  各受検者の用紙が混在しないように回収に注意する。 [採点] これから検査の採点を行い、採点結果を個別にお伝えします。 【備考】  採点中にトイレなどに行かせることは可。 [通知] 検査結果が書かれている書面を個別にお渡しします。 書面には、お名前、採点結果、採点結果に応じた助言が書かれています。 【備考】  個人を間違わないように確認しながら通知すること。  検査結果を通知する書面を封書に入れるなどして、受検者1人ずつに交付し、受検者全員に書面が交付されているか確認すること。 総合点によって、  認知症のおそれがない  認知症のおそれがある と判定がされています。 この検査は、記憶力や判断力の状況を簡易な検査によって確認するものです。 検査の結果、「認知症のおそれがある」とされた方であっても直ちに認知症であるというわけではありませんし、直ちに免許が取り消されることもありません。 ですから、免許証等の更新をすることはできます。  注 マイナ免許証保有者に対しては、「マイナンバーカードに記録されている免許情報記録の更新」など、補足説明を行うことは可 ただし、警察から連絡があり、お医者さんの診断を受けていただくことになります。 その結果、お医者さんから認知症であると診断された場合は、公安員会の判断で、免許が取り消され、又は停止されます。 御自身でも、お医者さんや御家族に御相談されることをお勧めします。 書面の裏面には、採点方法や総合点による判定について記載しています。 後でご覧ください。 また、免許証等の更新手続をする際には、この結果通知書を必ず持参してください。  注 臨時認知機能検査の場合であって、更新時の認知機能検査に代替することができない場合については省略する。 なお、この検査は、再び受けることができます。 再び検査を受けたい方や、検査結果について不明な点がある方は、後で質問されるか、警察の運転免許の担当係に御相談ください。  注 公安委員会が直接実施する場合は、「警察の」を省略し、「運転免許の担当係に相談して下さい。」と説明すること。 認知機能検査はこれで終了です。