別添1交通関係講習用教本の内容 ○ 安全運転管理者等講習 1 道路交通の現状と交通事故の実態 以下の事項について解説すること。 (1) 車両保有台数、運転免許人口等 (2) 交通規制及び交通安全施設の整備状況並びに交通障害の状況 (3) 交通事故の特徴と原因分析   (4) 重大事故の実例  2 法令の知識 以下の事項について解説すること。 (1) 道路交通法令   (2) 道路運送車両関係法令   (3) 自動車の保管場所の確保等に関する法律   (4) 交通事故と関連ある法令 3 安全運転のための知識 以下の事項について解説すること。 (1) 人間の感覚と判断能力 (2) 運転上の性格適性 (3) 歩行者等保護のための運転方法 (4) 事故と故障時の措置 (5) 危険な場面における走行 (6) アルコール等と車の運転  4 安全運転管理者の業務と心構え 以下の事項について解説すること。 (1) 安全運転管理と企業の社会的責任 (2) 管理者の処理すべき事項 (3) 運転者の管理 (4) 運転者に対する教育 (5) 勤務時間外における安全管理 5 交通事故と賠償 以下の事項について解説すること。 (1) 交通事故に対する企業の責任 (2) 損害賠償責任の意義と根拠及び内容 (3) 自賠責任保険制度の仕組 6 教育及び監督の方法 以下の事項について解説すること。 (1) 年間計画及び月間計画の策定 (2) 表彰制度 (3) 実務者の指導事例 ○ 取消処分者講習、停止処分者講習、違反者講習  1 最近における道路交通法令の改正の概要    最近5年間程度の主要な道路交通法令の改正の趣旨、施行の時期、改正の内容等について、図表等を用いて解説すること。  2 運転者の社会的責任    運転者として守るべき基本的な心構えや、交通事故や交通違反を起こした運転者の刑事上、行政上、民事上の責任について図表等を用いて解説すること。その際、刑事裁判例や民事裁判例、保険制度について、図表等を用いて解説すること。  3 危険予測 (1) 危険予測の心構え     駐車車両や障害物の陰から人が突然出てきても、安全な措置が採れるよう、「かもしれない」運転を心掛けること、慣れによる慎重さや緊張感の鈍化による「だろう」運転を回避すること、道路環境の変化に合わせて意識を切り替えること等の重要性について解説すること。   (2) 危険予測の方法     視覚や聴覚を用いて、絶えず運転に必要な情報を捉えること、ちょっとした手掛かりを元に、人や自動車等の存在を察知すること、他の自動車等の運転者や歩行者等が、次にどのような行動をするかを、その者の目の動きや身体の動きによって察知すること等の重要性について解説すること。   (3) 死角     自らの車両によって生じる死角、駐停車車両によって生じる死角、交差点における死角、カーブにおける死角等についてイラスト等を用いて解説すること。その際、死角によって生じる危険を回避するための方法についても言及すること。  4 安全運転の基礎知識(運転の特性)   (1) 性格と運転     性格特徴が運転に与える影響について解説すること。   (2) 各年代毎の運転者の一般的特性     各年代毎の運転者の事故傾向、事故原因及び運転特性について、周囲の運転者が配意すべき点も含めて解説すること。その際、運転者が運転する上での留意点についても言及すること。   (3) 視力と加齢     運転に必要な情報の大半を依存する視力(1静止視力と動体視力、2視野、3明度の差、4順応と眩(げん)惑)について、イラスト等を用いて解説すること。その際、加齢との関係についても言及すること。   (4) 反応と加齢     加齢に伴って反応速度が遅くなったり、動作の正確さが低下したりすることについて、データ等を用いて解説すること。 (5) 飲酒運転の根絶     飲酒運転による事故傾向、飲酒運転の危険性及び罰則、飲酒運転をさせない取組等について解説すること。その際、飲酒運転による事故の悲惨さについても言及すること。  5 安全運転の方法  (1) 運転を始める前に     日常点検項目及び点検要領、運転免許種別に応じて運転できる自動車の種類、正しい運転姿勢、シートベルトやチャイルドシートの正しい着用・使用義務と効果、使用方法等について、イラスト等を用いて解説すること。  (2) 歩行者・自転車の保護     歩行者・自転車利用者の行動特性、歩行者・自転車を保護するための運転方法について解説すること。   (3) 高速道路の通行     高速走行の危険性、高速道路における安全な通行方法について、イラスト等を用いて解説すること。   (4) 駐車・停車、自動車の保管場所     駐車・停車が禁止されている場所、駐車・停車の方法、自動車の保管場所の確保について、イラスト等を用いて解説すること。  (5) 二輪車の特徴     二輪車の特性及び二輪車事故の特徴について、イラスト等を用いて解説すること。その際、二輪車事故を防止するため、二輪車側及び四輪車側で注意すべき事項についても言及すること。  6 事故時の対応と応急救護処置    一般財団法人日本救急医療財団が主催する心肺蘇生法委員会策定の「救急蘇生法の指針(市民用)」に基づいた応急救護処置及び一時救命処置の方法について、イラスト等を用いて解説すること。その際、事故時の対応についても言及すること。  7 各種制度    交通反則通告制度、放置違反金制度、点数制度、講習制度(初心運転者講習、若年運転者講習、違反者講習、停止処分者講習、取消処分者講習、更新時講習、高齢者講習)について、図表等を用いて解説すること。  8 被害者等の手記    交通事故がもたらす社会的影響、運転者の社会的責任について再確認させ、安全運転意識の向上に資するような内容の被害者、加害者、被害者遺族等の手記を掲載すること。  9 安全運転5則   (1) 「安全運転5則」を記載すること。    ・ 安全速度を必ず守る    ・ カーブの手前でスピードを落とす    ・ 交差点では必ず安全を確かめる    ・ 一時停止で横断歩行者の安全を守る     ・ 飲酒運転は絶対にしない   (2) 交通事故情勢等に応じたトピックスの記載     その時々の交通情勢で自転車の通行モラル、事故の増加要因や交通弱者の保護に関するものなどを必要に応じてイラスト等を用いて記載すること。 ○ 大型車講習、中型車講習 危険予測ディスカッションに必要な知識等(教習の標準の第一種免許に係る学科教習の学科(二)(第2段階)項目名1)について解説すること。 ○ 準中型車講習 1 準中型自動車を使用した講習    危険予測ディスカッションに必要な知識等(教習の標準の第一種免許に係る学科教習の学科(二)(第2段階)項目名1)について解説すること。 2 普通自動車を使用した講習   危険予測ディスカッション(教習の標準の第一種免許に係る学科教習の学科(二)(第2段階)項目名1)、高速道路での運転に必要な知識等(教習の標準の第一種免許に係る学科教習の学科(二)(第2段階)項目名17)について解説すること。 ○ 普通車講習 危険予測ディスカッション(教習の標準の第一種免許に係る学科教習の学科(二)(第2段階)項目名1)、高速道路での運転に必要な知識等(教習の標準の第一種免 許に係る学科教習の学科(二)(第2段階)項目名17)について解説すること。 ○ 大型二輪車講習、普通二輪車講習 危険予測ディスカッション(教習の標準の第一種免許に係る学科教習の学科(二)(第2段階)項目名1)、二人乗り運転に関する知識等(教習の標準の第一種免許に係る学科教習の学科(二)(第2段階)項目名18)について解説すること。 ○ 原付講習 1 原動機付自転車の操作、走行等、運転の方法(法規制の内容を含む。)についてイラスト等を用いて解説すること。   (1) 服装、乗車用ヘルメットについて   (2) 点検方法   (3) 運転姿勢   (4) 発進、加速、停止方法   (5) ブレーキの使い方  2 原動機付自転車の運転の特性と事故の特徴について解説すること。  3 場所(交差点、カーブ等)並びに天候及び路面状況に応じた安全な運転の方法についてイラスト等を用いて解説すること。   (1) 交差点の通過方法   (2) カーブ走行   (3) 進路変更  4 危険予測、回避方法等、原動機付自転車の安全な運転に必要な実践的な知識についてイラスト等を用いて解説すること。 ○ 大型旅客車講習、中型旅客車講習、普通旅客車講習 1 危険予測ディスカッションに必要な知識等(教習の標準の第一種免許に係る学科教習の学科(二)(第2段)項目名1)について解説すること。  2 身体障害者等への対応については、身体障害者、子ども、高齢者等交通弱者の行動特性を理解した運転行動と対応等を内容(教習の標準の第二種免許に係る学科教習の学科(一)(第1段階)項目名17)について解説すること。 ○ 応急救護措置講習講習 1 第一種免許に係る応急救護処置講習にあっては、運転者が交通事故による負傷者を救護するために必要な知識のほか、心肺蘇生、自動体外式除細動器(AED)の使用、止血等の救護処置の具体的な方法について解説すること。  2 第二種免許に係る応急救護処置講習にあっては、旅客自動車の運転者が交通事故による負傷者を救護するために必要な知識のほか、心肺蘇生、自動体外式除細動器(AED)の使用、止血、固定、包帯の使用等の救護処置の具体的な方法について解説すること。 ○ 指定自動車教習所指導員等講習 次の内容について解説すること。 1 指定自動車教習所の教習の標準について(令和7年6月18日警察庁丙運発第209号) 2 運転免許技能試験実施基準について(令和7年2月28日警察庁丙運発第18号) 3 運転免許技能試験に係る採点基準の運用の標準について(令和7年2月28日警察   庁丁運発第65号) 4 指定自動車教習所業務指導の標準について(令和7年6月18日警察庁丙運発第208号) ○ 初心運転者講習 1 初心運転者の特性    初心運転者(若者運転者)の交通事故の要因について解説すること。  2 安全運転意識の向上    安全マインドを身につけた協調性のあるドライバーについて解説すること。    ・ 道路交通における社会的責任    ・ 安全運転の習慣づけ    ・ 運転マナー等  3 危険予測    見通しの悪い交差点、側方通過及びカーブ等の様々な危険場面を想定した認知と判断について解説すること。  4 被害者の手記    安全意識の向上に資するような内容の被害者、加害者、被害者遺族等の手記を掲載すること。  5 その他   「交通の方法に関する教則」(昭和53年国家公安委員会告示第3号)(第2章及び第3章を除く。)の内容を必要に応じてイラスト等を用いて記載すること。 ○ 更新時講習  1 最近における道路交通法令の改正の概要    最近5年間程度の主要な道路交通法令の改正の趣旨、施行の時期、改正の内容等について、図表等を用いて解説すること。  2 最新の車両技術の活用方法・使用時の注意事項    先進安全自動車(ASV)、自動運転車、カーナビゲーション装置、ノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、電気自動車・ハイブリッド自動車、横滑り防止装置等の最新の車両技術について、イラスト等を用いて解説すること。その際、それらの車両技術の仕組みを踏まえた運転時の注意事項についても言及すること。  3 交通公害、地球温暖化の防止等    交通公害、地球温暖化の防止等について、「エコドライブ10のすすめ」(令和2年1月エコドライブ普及連絡会策定)」の内容を中心に解説すること。 4 危険予測   (1) 危険予測の心構え     駐車車両や障害物の陰から人が突然出てきても、安全な措置が採れるよう、「かもしれない」運転を心掛けること、慣れによる慎重さや緊張感の鈍化による「だろう」運転を回避すること、道路環境の変化に合わせて意識を切り替えること等の重要性について解説すること。   (2) 危険予測の方法     視覚や聴覚を用いて、絶えず運転に必要な情報を捉えること、ちょっとした手掛かりを元に、人や自動車等の存在を察知すること、他の自動車等の運転者や歩行者等が、次にどのような行動をするかを、その者の目の動きや身体の動きによって察知すること等の重要性について解説すること。   (3) 死角     自らの車両によって生じる死角、駐停車車両によって生じる死角、交差点における死角、カーブにおける死角等についてイラスト等を用いて解説すること。その際、死角によって生じる危険を回避するための方法についても言及すること。 5 年齢に応じた運転特性   (1) 高齢運転者の一般的特性     高齢運転者の事故傾向、事故原因及び運転特性について、周囲の運転者が配意すべき点も含めて解説すること。その際、高齢運転者が運転する上での留意点についても言及すること。   (2) 視力と加齢     運転に必要な情報の大半を依存する視力(1静止視力と動体視力、2視野、3明度の差、4順応と眩(げん)惑)について、イラスト等を用いて解説すること。その際、加齢との関係についても言及すること。  (3) 反応と加齢     加齢に伴って反応速度が遅くなったり、動作の正確さが低下したりすることについて、データ等を用いて解説すること。   (4) 若年運転者の一般的特性     若年運転者の事故傾向、事故原因及び運転特性について解説すること。その際、若年運転者が安全運転する上での留意点についても言及すること。  6 飲酒運転の根絶    飲酒運転による事故傾向、飲酒運転の危険性及び罰則、飲酒運転をさせない取組み等について解説すること。その際、飲酒運転による事故の悲惨さについても言及すること。  7 事故時の対応と応急救護処置    一般財団法人日本救急医療財団が主催する心肺蘇生法委員会策定の「救急蘇生法の指針(市民用)」に基づいた応急救護処置及び一時救命処置の方法について、イラスト等を用いて解説すること。その際、事故時の対応についても言及すること。  8 交通反則通告制度、放置違反金制度、点数制度及び講習制度    交通反則通告制度、放置違反金制度、点数制度、講習制度(初心運転者講習、若年反運転者講習、違反者講習、停止処分者講習、取消処分者講習、更新時講習、高齢者講習)について、図表等を用いて解説すること。  9 被害者等の手記    交通事故がもたらす社会的影響、運転者の社会的責任について再確認させ、安全運転意識の向上に資するような内容の被害者又は被害者遺族の手記を掲載すること。  10 「交通の方法に関する教則」    「交通の方法に関する教則」(昭和53年国家公安委員会告示第3号)(第2章及び第3章を除く。)の内容を、必要に応じてイラスト等を用いて記載すること。  11 その他  (1) 運転状況メモ欄     受講者が自らの運転状況について振り返る際に役に立つような、ヒヤリ・ハット体験、違反・事故等を記録することができるメモ欄を設けること。   (2)「安全運転5則」     以下の「安全運転5則」を記載すること。    ・ 安全速度を必ず守る    ・ カーブの手前でスピードを落とす    ・ 交差点では必ず安全を確かめる    ・ 一時停止で横断歩行者の安全を守る    ・ 飲酒運転は絶対にしない ○ 高齢者講習  1 最近における道路交通法令の改正の概要  最近3年間程度の主要な道路交通法令の改正の趣旨、施行の時期、改正の内容等について、図表等を用いて解説すること。その際、高齢運転者に関するものは、詳細に解説すること。  2 最新の車両技術の活用方法・使用時の注意事項  先進安全自動車(ASV)等の最新の車両技術について、イラスト等を用いて解説すること。その際、それらの車両技術の仕組みを踏まえた運転時の注意事項についても言及すること。  3 交通公害、地球温暖化の防止等 交通公害、地球温暖化の防止等について、「エコドライブ10のすすめ(エコドライブ 普及連絡会策定)」等の最新の内容を中心に解説すること。  4 安全な運転に必要な実践的な知識   高齢運転者に多い交通事故の特徴を踏まえて、その防止方策等を中心に、以下の項目についてイラスト等を用いて解説すること。   (1) 危険予測の心構え 駐車車両や障害物の陰から人が突然出てきても、安全な措置が採れるよう、「かもしれない」運転を心掛けること、慣れによる慎重さや緊張感の鈍化による「だろう」 運転を回避すること、道路環境の変化に合わせて意識を切り替えること等の重要性について解説すること。   (2) 危険予測の方法 視覚や聴覚を用いて、絶えず運転に必要な情報を捉えること、ちょっとした手掛かりを基に人や自動車等の存在を察知すること、他の自動車等の運転者や歩行者等が次にどのような行動をするかについて、その者の目の動きや身体の動きによって察知すること等の重要性について解説すること。   (3) 死角 自らの車両によって生じる死角、駐停車車両によって生じる死角、交差点における死角、カーブにおける死角等についてイラスト等を用いて解説すること。その際、死角によって生じる危険を回避するための方法についても言及すること。  5 高齢運転者の安全に関する知識(高齢運転者の運転特性)   (1) 一般的特性 一般の道路や高速道路等の自動車専用道路における高齢運転者の事故の傾向(自転車による事故の傾向を含む。)、運転特性について解説すること。その際、高齢運転者が運転する上での留意点についても言及すること。  (2) 視力と加齢  運転に必要な情報入手の大半を依存する視力(1静止視力と動体視力、2視野、3明度の差、4順応と眩(げん)惑)について、イラスト等を用いて解説すること。その際、加齢との関係についても言及すること。  (3) 反応と加齢 加齢に伴って反応速度が遅くなったり、動作の正確さが低下したりすることについて、データ等を用いて解説すること。その際、加齢との関係についても言及すること。  (4) 病気と加齢     高齢者に比較的多く発症する病気の症状についてイラスト等を用いて解説すること。その際、運転行動との関係についても言及すること。 6 飲酒運転の根絶 体内におけるアルコールの分解の基礎知識、飲酒運転による事故の傾向、飲酒運転 の危険性及び罰則、飲酒運転をさせない取組等について解説すること。その際、飲酒運転による事故の悲惨さについても言及すること。 7 事故時の対応と応急救護処置 負傷者の救護(119番への通報を含む。)、道路における危険の防止、警察への通報について、イラスト等を用いて解説するとともに、一般財団法人日本救急医療財団が 主催する心肺蘇生(そせい)法委員会策定の「救急蘇生(そせい)法の指針(市民用)」に基 づいた応急救護処置及び一次救命処置の方法について、イラスト等を用いて解説すること。 8 高齢運転者と運転免許制度 高齢者講習、認知機能検査、運転技能検査、臨時適性検査、運転免許証の返納制度及び運転経歴証明書の概要や目的等についてイラスト等を用いて解説すること。その際、高齢者講習の受講期間等についても言及すること。 9 「交通の方法に関する教則」 「交通の方法に関する教則」(昭和53年国家公安委員会告示第3号)(第2章及び第3章を除く。)の内容を、イラスト等を用いて記載すること。 10 その他 (1) メモ欄等 受講者が自らの運転状況について振り返る際に役に立つような、ヒヤリ・ハット体験、違反・事故等を記録することができるメモ欄等を設けること。 (2) 交通事故情勢等に応じたトピックの記載     その時々の交通情勢を踏まえ、自転車の通行モラルや事故の増加に関する内容のほか、交通弱者の保護に関する内容等を必要に応じてイラスト等を用いて記載すること。